島根県で、トレーラーやクレーンなど、重機・大型機械・長尺物などを運ぶ運送事業者様、建設事業者様向けに書きました。
車両の幅・長さ・高さ・重量などが一般的制限値を超える場合、道路管理者の許可を受ける「特殊車両通行許可申請」、または条件に応じて「特殊車両通行確認制度」の利用を検討する必要があります。
島根県は東西に長く、山間部の工事現場、浜田港・三隅港・松江港などの港湾、工場や物流拠点を結ぶ輸送があります。国道9号、山陰道、国道54号・186号・191号・261号などを利用する大型車両も多く、目的地付近の県道・市道を含めた経路確認が必要になります。
山間部・港湾・積雪地域・災害リスクのある道路が混在する地域では、「目的地まで地図上で到達できるか」だけではなく、車両の寸法・重量、橋梁、トンネル、交差点、道路規制、工事区間などを踏まえて、実際に通行する経路を確認する必要があります。
島根県で特車申請が必要になる車両
道路は、一定の寸法・重量の車両が安全に通行できるよう設計されています。一般的制限値を超える車両を通行させる場合、原則として道路管理者の許可、または通行可能経路の確認が必要です。
島根県は、道路法に定める一般的制限値を超える車両について、特殊車両通行制度に基づく手続が必要であると案内しています。
(参考)島根県の道路に関する手続き
- 特車申請での一般的制限値の代表例は次のとおりです。
- 車両の幅:2.5m
- 車両の長さ:12.0m
- 車両の高さ:3.8m
- 総重量:20.0t
- 軸重:10.0t
高さについては、高さ指定道路で4.1mまで認められる場合があります。また、隣接軸重、輪荷重、最小回転半径なども確認対象となるため、幅や総重量だけで判断することはできません。
- 特車申請をすることが多い車両には次のようなものがあります。
- セミトレーラー、フルトレーラー
- 低床トレーラー、重機運搬車
- ラフタークレーン、オールテレーンクレーン
- 建設機械を積載した大型車両
- 橋梁部材、鉄骨、コンクリート製品などの長尺・重量物輸送車
- 工場・発電所・プラント設備を運ぶ車両
- 幅、高さ、総重量などが大きい特殊貨物の輸送車
ただし、「トレーラーだから必ず申請が必要」「大型車だから必ず許可が必要」とは限りません。車検証上の数値だけでなく、積載状態や連結状態を含めて確認することが必要です。

島根県の道路事情と大型車両輸送
島根県では、東西方向の広域輸送を支える国道9号や山陰道に加え、山間部へ向かう国道・県道が重要な役割を担っています。
中国地方整備局の資料では、島根県が東西に細長く、国道9号が東西を結ぶ主要な幹線道路であること、石州瓦や化学石膏、牧草などの輸送に国道9号が利用されていることが示されています。
(参考)国土交通省 中国地方整備局資料
また、山陰道の整備により、港湾・空港・役場などの主要拠点へのアクセス時間が短縮され、商品配送圏域の拡大などが期待されています。
(参考)国土交通省 中国地方整備局資料
なお、山陰道の供用区間、事業中区間、国道9号などの一般道は、区間によって道路の構造や交通状況が異なります。大型車両を運行する場合には、次のような点に注意が必要です。
- 山陰道で大型車両を運行する場合には次のような点に注意が必要です。
- 高速道路から一般道へ進入する区間
- 港湾・工場・現場付近の県道・市道
- 山間部の急カーブ、急勾配、狭い道路
- 橋梁やトンネルを含む区間
- 道路工事や災害による通行規制
- 冬期閉鎖や積雪・凍結の影響
- 現場周辺の交差点、進入路、待機場所

山間部の工事現場へ運ぶ場合
島根県では、道路改良、砂防、治山、河川、ダム、トンネル、林道、災害復旧など、山間部で行われる工事があります。こうした現場では、重機・建設資材・仮設構造物などを運ぶために、特殊車両を使用することがあります。
山間部の輸送で問題になりやすいのは、出発地から現場までの距離だけではありません。現場に近づくほど、次のような道路条件が問題になる場合があります。
- 山間部の輸送では次のような道路条件が問題になる場合があります。
- 道路幅員が狭く、大型車同士のすれ違いが難しい
- 急カーブや急勾配がある
- 橋梁の重量制限がある
- トンネルの高さや幅に制限がある
- 進入路が県道から市町村道へ変わる
- 現場前に旋回・待機できる場所がない
- 雨量・積雪・凍結による通行規制がある
島根県道路維持課は、豪雨や強風などにより危険が予想される場合の事前通行規制、積雪や路面凍結に伴う冬期閉鎖区間、冠水危険箇所などを案内しています。
(参考)島根県土木部道路維持課
また、冬期閉鎖の開始・終了時期は、降雪状況によって毎年異なるとされています。山間部の工事現場へ大型車両を運行する場合は、許可証だけでなく、運行日時点の道路規制情報も確認しなければなりません。
山間部輸送で準備したい情報
- 行政書士へ依頼する場合は次の情報があると申請がはかどます。
- 現場の正確な所在地
- 現場入口の位置
- 出発地・資材置場・車庫の所在地
- 重機や資材の名称、寸法、重量
- 使用する車両の車検証・諸元表
- 運行予定日、運行時間帯
- 現場に至る候補経路
- 現場付近の道路写真や進入路の状況
現場所在地が山間部にある場合、住所だけでは実際の進入地点が分かりにくいことがあります。地図上のピン、現場入口の写真、工事関係者が使用している搬入ルートなども共有すると、確認が進めやすくなります。
港湾を起点とする大型車両輸送
島根県には、浜田港、三隅港、松江港、江津港、七類港、河下港など、地域の産業や生活を支える港湾があります。島根県の港湾一覧には、松江港、七類港、安来港、河下港、江津港、浜田港、三隅港、益田港などが掲載されています。
(参考)島根県ホームページ
- 港湾を起点とする輸送では次のような大型車両が関係することがあります。
- コンテナ・重量貨物を運ぶトレーラー
- 木材・鋼材・建設資材の輸送車
- 港から工場へ機械・設備を運ぶ車両
- 発電・エネルギー関連設備を運ぶ大型車両
- 港湾工事・岸壁工事の重機回送車
- 船舶・港湾施設の補修資材を運ぶ車両
浜田港と臨港道路
浜田港は、島根県の国際貿易港であり、県西部の物流拠点・防災拠点となっています。韓国・釜山港との国際定期コンテナ航路があり、島根県は浜田港について、日本海側拠点港としての役割も説明しています。
(参考)島根県ホームページ
浜田港には、臨港道路福井4号線が整備され、山陰道や浜田道と接続しています。島根県は、この道路整備により、浜田港と県東部・広島圏域との高速道路ネットワークが形成され、物流・人流の促進が期待されるとしています。
(参考)島根県ホームページ

国土交通省中国地方整備局も、浜田港福井地区と背後圏を結ぶ輸送の円滑化、物流コスト削減、地域産業の競争力強化を目的として臨港道路を整備したと説明しています。
(参考)国土交通省中国地方整備局資料
ただし、港湾内の道路を走行できることと、港から最終目的地まで許可条件に沿って通行できることは別問題です。港湾から工場、倉庫、建設現場までの全経路について、車両寸法・重量や道路管理者を確認する必要があります。
三隅港・松江港などの輸送
三隅港は、浜田市三隅町に位置する重要港湾で、島根県は「電力と物流の拠点港」と説明しています。
また、公共埠頭が整備され、地域産業との関係も深い港湾です。
(参考)島根県ホームページ
松江港は、松江市中心部から中海側の工業地帯にかけて利用され、工業地帯への物資流通などの役割を担っています。
(参考)島根県ホームページ
- 港湾周辺で大型車両を運行する場合、次の点を確認します。
- 使用する岸壁・埠頭・コンテナヤード
- 港湾内の指定道路
- 港湾から一般道へ出る接続道路
- 港湾周辺の交差点・右左折条件
- 工場・倉庫・現場までの経路
- コンテナや積載物を含めた車両の高さ・重量
- 荷役時間や入場時間の指定
- 港湾工事や臨港道路の通行規制
工場・事業所への大型設備搬入
島根県内の工場や事業所へ、大型機械、製造設備、変圧器、ボイラー、タンク、プラント部材などを搬入する場合は車両だけでなく貨物を積載した状態での寸法・重量を確認します。
注意したいのは、工場敷地内の搬入経路と公道上の許可経路が一致しないことです。公道上は許可を取得していても、工場入口の門、構内道路、荷下ろし場所、旋回スペースなどが確保されていなければ、当日の搬入ができない可能性があります。
- 特車で搬入前には、次の事項を荷主・工場側と確認してください。
- 工場入口の幅・高さ
- 門扉や屋根、配管などの障害物
- 構内道路の幅員・勾配
- 荷下ろし位置
- クレーンやフォークリフトの配置
- 車両の進入・退出方向
- 近隣道路の交通規制
- 到着時間や入場予約
特車申請は、公道を安全に通行するための手続です。工場敷地内の搬入可否まで保証されるものではないため、構内条件は別途確認が必要です。
島根県で利用できる特車制度
特殊車両の通行については、従来の特殊車両通行許可制度に加えて、令和4年4月から特殊車両通行確認制度が運用されています。島根県も、特殊車両を通行させる場合は、特殊車両通行確認制度または従来の特殊車両通行許可制度を利用するよう案内しています。
(参考)島根県ホームページ
| 制度 | 内容 | 確認したいポイント |
|---|---|---|
| 特殊車両通行許可制度 | 道路管理者に申請し、審査を受けて許可を取得する制度 | 車両・積載物・経路・通行条件 |
| 特殊車両通行確認制度 | 登録車両について、対象道路の通行可能経路をオンラインで確認する制度 | 車両登録、対象道路、経路、制度の利用条件 |
国土交通省によると、特殊車両通行確認制度では、あらかじめ登録された車両について、電子化された道路を対象に通行可能経路をオンラインで確認できます。
(参考)国交省ホームページ
ただし、島根県内のすべての道路が同じ条件で制度の対象になるとは限りません。港湾、山間部、県道、市町村道、工事現場付近などを含む経路では、従来の許可申請が必要になる可能性もあります。

島根県の特車申請を行政書士へ依頼するメリット
オンラインで手続できる制度があっても、申請前の情報確認や経路確認は必要です。複数車両・複数経路を扱う運送会社、工事ごとに現場が変わる建設会社、港湾から工場への重量物輸送を行う事業者様にとって、特車申請は継続的な管理業務になることがあります。
- 行政書士へ特車申請を代行依頼する主なメリットは次のとおりです。
- 特車申請が必要かどうかの確認ができる
- 新規・更新・変更・車両追加の区分を検討できる
- 車検証・諸元表・積載物の情報を申請内容に反映できる
- 出発地から目的地までの経路を整理できる
- 港湾、工場、建設現場など複雑な輸送条件をまとめられる
- 複数車両・複数経路の申請負担を軽減できる
- 許可条件や通行時間などを確認しやすくなる
- 運送会社・荷主・工事会社との情報共有を進めやすくなる
島根県の窓口案内では、特殊車両通行許可に加えて、松江港・七類港に関する窓口も案内されています。 港湾輸送や県管理道路を含む案件では、どの道路・港湾管理者が関係するかを早めに整理することが重要です。
(参考)島根県ホームページ
申請前に準備する資料
- 特車代理申請を相談・申請の場合は次の資料をご準備ください。
- 自動車検査証
- 車両諸元表
- トラクタ・トレーラー双方の情報
- 連結時の寸法・重量
- 積載物の名称、長さ、幅、高さ、重量
- 積載状態が分かる資料
- 出発地・目的地・経由地
- 運行予定日
- 既存の許可証
- 車両入替や現場変更の内容
- 港湾・工場・工事現場の搬入口情報
- 現場付近の道路写真、地図、進入路情報
特に、山間部の工事現場や港湾から工場への輸送では、住所だけでなく搬入口の位置が重要です。Googleマップ等の位置情報、現場案内図、港湾・工場側から指定された搬入ルートがあれば、併せて共有するとスムーズです。

Q&A(よくある質問)
Q1:島根県内を走る大型トラックは、すべて特車申請が必要ですか?
A:いいえ。大型トラックであっても、幅・長さ・高さ・重量などが一般的制限値の範囲内であれば、必ずしも特車申請が必要とは限りません。
一般的制限値を超える車両は、特殊車両通行許可または通行可能経路の確認が必要になる場合があります。車両の大きさだけでなく、積載物や連結状態も確認してください。
Q2:浜田港から工場までコンテナを運ぶ場合、特車申請が必要ですか?
A:コンテナを積載した車両の寸法・重量、使用する経路によって異なります。浜田港から山陰道・国道9号などを利用する場合でも、工場付近の県道・市道や搬入口まで含めて確認する必要があります。
まずは、トラクタ・トレーラーの車検証、コンテナを含む積載状態、出発地、工場所在地をご準備ください。
Q3:山間部の工事現場へ重機を運ぶ場合、どのような情報が必要ですか?
A:車両の車検証・諸元表に加え、積載する重機の種類、寸法、重量、現場入口の所在地、希望運行日が必要です。
山間部では、住所だけでは搬入口や実際の進入道路が特定できないことがあります。現場入口の地図、写真、工事会社から指定された搬入ルートなどがあると確認しやすくなります。
Q4:山陰道を使えば、特車申請は必要ありませんか?
A:いいえ。山陰道を走行する場合でも、車両の寸法・重量が制限値を超える場合は、必要な制度の確認が必要です。また、山陰道から国道・県道・市町村道へ移る区間も、通行経路全体として確認しなければなりません。
高速道路を含む経路では、関係する道路管理者や高速道路会社の取扱いも確認してください。
Q5:道路が冬期閉鎖になった場合、許可証があれば通行できますか?
A:許可証があることだけを理由に、冬期閉鎖区間や通行止め区間を通行できるわけではありません。島根県は、積雪や路面凍結により危険が予想される区間を冬期閉鎖としており、開始・終了時期は降雪状況によって異なると案内しています。
(参考)島根県ホームページ
運行前には、島根県道路規制情報などで最新の規制状況を確認してください。
Q6:車両を入れ替えた場合、以前の許可証を使えますか?
A:車両の寸法、重量、軸数、連結状態などが変わる場合、以前の許可証をそのまま使えるとは限りません。車両入替の前に、既存許可証と新しい車両の諸元を比較し、変更申請や新規申請の必要性を確認してください。
Q7:港から工場までの道路は許可されても、工場内に入れないことはありますか?
A:あります。特車通行許可は、原則として公道の通行に関する手続です。工場入口、構内道路、屋根・配管、荷下ろし場所、旋回スペースなどの構内条件は、工場側と別途確認する必要があります。
大型設備搬入では、許可申請と並行して、構内の搬入計画も作成してください。
Q8:島根県外の行政書士に依頼しても対応できますか?
A:行政書士法人アラインパートナーズではオンライン申請やメールや電話による資料共有によって遠方からでも相談や依頼できるようになっています。行政書士を選ぶ際は、所在地だけでなく、特殊車両通行許可の取扱経験、連絡の取りやすさ、車両・経路を確認する体制などを確認してください。
Q9:特車申請はどのくらい前に相談すればよいですか?
A:運行予定が決まった段階で、できるだけ早く相談してください。車両や貨物の確認、経路の整理、道路管理者間の協議などに時間を要する場合があります。
特に、山間部の工事現場、港湾からの重量物輸送、複数の道路管理者にまたがる経路、車両入替を伴う案件は、余裕を持った準備がおすすめです。



