長野県で、重機・建設資材・大型機械・長尺物・重量物を輸送する運送事業者様、建設事業者様向けにまとめてみました。車両や積載物が一定の寸法・重量を超える場合、特殊車両通行許可申請、または特殊車両通行確認制度の利用を検討する必要があります。
長野県は、長野自動車道・中央自動車道・上信越自動車道などの高速道路に加えて、国道18号、19号、20号、158号といった幹線道路が県内外の物流を支えていますが、山間部、トンネル、橋梁、狭あいな道路、降雪地域、工事区間などを含む輸送では、一般的な地図検索だけでは判断できない確認事項が多くあります。
特に松本市周辺は、長野道・松本IC、国道19号、国道158号、松本空港、安曇野・塩尻方面への道路網が結び付く県内有数の交通結節点になっています。建設現場への重機回送、工場への大型設備搬入、山間部・観光地方面への資材輸送、大型トレーラーの配送などでは、車両と実際の走行経路に応じた特車手続の確認が重要になります。
長野県での重機回送、建設資材輸送、大型機械搬入、長尺物・重量物輸送では、車両だけでなく、このように実際の走行経路を含めた特車手続の確認が欠かせません。
特車申請が必要になる特殊車両とは
道路には、道路構造の保全と交通の安全を確保するため、車両の幅・長さ・高さ・重量などに一般的制限値が定められています。
この一般的制限値を超える車両や、特殊な貨物を積載する車両を道路上で通行させる場合は、原則として道路管理者の許可、または通行可能経路の確認が必要です。
(参考)
特車申請の代表的な一般的制限値の目安は次のとおりです。
| 項目 | 一般的制限値の目安 |
|---|---|
| 幅 | 2.5m |
| 長さ | 12.0m |
| 高さ | 3.8m |
| 総重量 | 20.0t |
| 軸重 | 10.0t |
高さについては、高さ指定道路では4.1mまで認められる場合があります。
また、総重量、軸重、隣接軸重、最小回転半径なども確認対象です。したがって、大型車だから必ず許可が必要とかトレーラーだから必ず通行できないとは一概には言えません。車検証、車両諸元、積載状態、出発地・目的地、実際に通行する経路を基に確認することが必要です。
(参照先)
- 特車申請が検討されやすい車両の例は、次のとおりです。
- セミトレーラー、フルトレーラー
- 重機運搬車、低床トレーラー
- ラフタークレーン、オールテレーンクレーンなどのクレーン車
- 建設用機械を積載した大型車両
- 長尺の鉄骨、橋梁部材、コンクリート製品などを運ぶ車両
- 大型機械、工作機械、プラント設備を運ぶ車両
- 幅・高さ・重量が大きい特殊貨物を積載する車両

長野県の輸送における特車申請
長野県は南北に長く、山地・盆地・高原・豪雪地域を含む地形的な特徴があります。県内の物流・建設輸送では、高速道路や主要国道だけでなく、県道・市町村道を含めた経路を確認することが重要です。
- 長野県内で特車申請の確認が必要になりやすい場合は次のようなものがあります。
- 山間部の工事現場へ重機・建設資材を搬入する場合
- 高原・観光地・別荘地周辺で大型車両を運行する場合
- 橋梁、トンネル、急カーブ、狭い交差点を含む経路を通行する場合
- 工場へ大型設備・機械を搬入または搬出する場合
- 大型車両を入れ替えた場合
- 既存の許可経路と異なる現場・資材置場・納入先へ向かう場合
- 複数の道路管理者が管理する道路をまたいで輸送する場合
- 降雪、豪雨、災害、道路工事などで予定経路の変更が必要になった場合
特車手続で重要なのは、長野県内だけを走るという情報ではなくて、どの車両が、何を積み、どこからどこまで、どの道路を通るのかを具体的に確認することが必要になってきます。ここが都市部での走行と違うところですので注意が必要です。
松本市周辺で大型車両を運行する際の参考情報
松本市は、県内の中信地域における交通・物流の結節点の一つです。国道19号は長野・塩尻・松本方面を結び、国道158号は松本市街地から波田、安曇、奈川方面を経て岐阜県側へ延びています。長野自動車道の松本ICや梓川スマートICもあり、県内外への広域輸送の拠点となります。
長野県は、中部縦貫自動車道を、松本市を起点として岐阜県高山市を経由し福井県福井市へ至る延長約160kmの道路として位置付けています。長野県では、長野自動車道・東海北陸自動車道・北陸自動車道を結ぶ高速交通ネットワークによる物流確保や、災害時の代替性確保などの効果を期待しています。
(参照先)
国道158号・松本波田道路の整備状況
国土交通省関東地方整備局は、松本市島立から松本市波田まで、延長5.3kmの「国道158号松本波田道路」を中部縦貫自動車道の一部として整備しています。令和8年度は、調査設計、用地買収、改良工事に加え、新村高架橋上部工事への着手が予定されています。
(参照先)
国土交通省関東地方整備局 長野国道事務所 令和8年度 長野国道事務所の事業概要
このように道路整備がすすむ地域においては、物流や現場アクセスの改善が期待される一方で、工事区間・供用状況・通行規制・実際の申請経路は時期によって異なります。大型車両の運行計画を立てる際は、「将来的に整備される道路」ではなく、輸送予定日時点で実際に利用できる道路と許可条件を基に確認することが大切です。
国道19号・松本拡幅の周辺
松本市では、国道19号の松本拡幅事業もすすめられています。これは松本市渚から宮渕本村まで延長1.6kmの現道拡幅事業で、松本市街地の交通混雑緩和と交通安全の確保を目的としています。国土交通省によると、令和8年度には調査設計、用地買収、橋梁上下部工事、改良工事が予定されています。
建設現場への資材搬入、クレーン車・重機運搬車の運行、工場・事業所への設備搬入などで国道19号周辺を利用する場合、普段使っているルートであっても、車両寸法・重量、交差点の通行条件、周辺道路への出入りを含めて確認する必要があります。
国道158号奈川渡改良と山間部輸送
松本市奈川から安曇にかけての国道158号では、「奈川渡改良」が進められています。国土交通省は、この事業を、防災危険箇所の回避、線形不良、狭小幅員、建築限界不足の解消を目的とした延長2.2kmのバイパス事業と説明しています。既存トンネルでは大型車同士のすれ違いが困難な箇所があり、新トンネル整備により幅員拡大と安全性向上が期待されています。
(参照先)
令和8年度 長野国道事務所の事業概要
山間部を通行する重量物輸送・重機回送では、「国道だから大型車が問題なく通れる」とは限りません。トンネル、橋梁、カーブ、道路幅員、待避スペース、交差点、道路工事、異常気象時の規制などを踏まえ、予定経路を確認することが重要です。

運送業・建設業で多い特車申請の相談例
車両を入れ替えた
同じ運行内容であっても、トラクタやトレーラー、重機運搬車などを入れ替えると、車両諸元が変わることがあります。以前の許可証があるからといって、新しい車両に当然に使えるとは限りません。
車両入替前に、車検証、諸元表、連結時の長さ・高さ・重量などを確認し、新規申請・変更申請・車両追加など、必要な対応を検討することが必要です。
新しい現場・資材置場・納入先へ輸送する
建設現場の変更、資材置場の移転、新しい工場・物流倉庫への納入開始などで、出発地または目的地が変わることがあります。この場合、既存の許可経路に含まれない道路を使う可能性があります。
特に松本市内から安曇野市、塩尻市、山形村、朝日村、大町市、上高地・安曇方面などへ向かう輸送では、目的地付近の市道・県道も含め、実走行経路を確認することが重要です。
重機・クレーンを現場へ回送する
クレーン車や重機運搬車は、車両自体の寸法・重量、または積載する重機の寸法・重量によって、特車手続が必要になる場合があります。
「空車での回送」と「重機を積載した状態」では、申請上確認すべき数値が異なることがあります。作業当日になってから運行可否を検討するのではなく、搬入日が決まった時点で、車両と積載物の情報を整理することをおすすめします。
季節・天候・工事で経路を変えたい
長野県では、豪雨、降雪、凍結、道路工事、災害対応などによって、通常の経路を使えない場面も想定されます。長野国道事務所は、冬期には関係機関と連携して、除雪・凍結防止作業を実施して車両滞留の抑制と安全・円滑な交通の確保に取り組むとしています。
(参照先)
令和8年度 長野国道事務所の事業概要
ただし、特車許可は原則として申請した経路に基づくものです。迂回経路を使えばよいとは限らないため、急な経路変更が必要になった場合には、道路情報と許可内容を確認してください。
特殊車両通行許可と通行確認制度の違い
特殊車両の通行に関しては、従来の「特殊車両通行許可制度」に加え、令和4年4月から「特殊車両通行確認制度」が運用されています。
| 制度 | 概要 | 向いているケースの例 |
|---|---|---|
| 特殊車両通行許可制度 | 道路管理者に申請し、審査を経て許可を受ける制度 | 個別審査が必要な経路、確認制度の対象外となるケースなど |
| 特殊車両通行確認制度 | 登録車両について、電子化された道路を対象に、出発地・目的地から通行可能経路をオンラインで確認する制度 | 対象道路・登録車両・利用条件に合い、迅速な経路確認を行いたいケース |
国土交通省によると、通行確認制度では、あらかじめ登録された車両について、道路情報が電子化された道路を対象にオンラインで即時の通行が可能であり、出発地・目的地を入力すると複数の通行可能経路が表示されます。
ただし、すべての車両・すべての道路・すべての輸送に通行確認制度が使えるわけではありません。長野県内の輸送でどちらの制度を利用すべきかは、車両、積載物、経路、利用道路の状況を踏まえて個別に確認する必要があります。
手続きの詳細は、国土交通省が提供する特車ポータルサイトからご確認いただけます。
このように見ると特殊車両通行確認制度が便利に思えてきますが、実はすぐに利用できないのです。
- 特殊車両通行確認制度の利用の基本要件は次のとおりです。
- ETC2.0車載器:対象車両への装着およびシステムへの登録が必須です。
- 車両の事前登録:あらかじめオンラインシステムへ車両諸元(幅・長さ・高さ・総重量・軸重など)を登録します。
- 対象路線:大型車誘導区間および重要物流道路などのデータベース化された道路が対象です。
よくお問い合わせいただくのですが、実際は、すべての経路でこの対象路線になってることが少ないのが実態です。

長野県の特車申請を行政書士へ依頼するメリット
オンラインで申請できる制度があっても、特車手続では車両・経路・道路管理者の整理が必要です。特に複数車両、複数経路、車両入替、現場変更、急な輸送計画が重なる場合、運送・建設事業者様の社内負担が大きくなることがあります。
- 行政書士へ特車申請を依頼する主なメリットは次のとおりです。
- 車検証、諸元表、積載物の情報から申請対象を整理できる
- 新規・更新・変更・車両追加などの手続方針を検討できる
- 出発地・目的地・経由地を基に、必要な経路情報を整理できる
- 複数の運行パターンがある場合に、申請内容をまとめて検討できる
- 書類作成・データ入力・進捗確認の負担を軽減できる
- 松本市など長野県内の案件でも、電話・メール・オンラインで全国から相談できる
特車申請は、所在地が近いかどうかだけでなく、特殊車両通行許可を継続的に扱っているか、車両と経路の情報を丁寧に確認するか、急な変更時に連絡を取りやすいかを基準に選ぶことが重要です。
ご相談時にご用意いただきたい情報
- 長野県内の特車申請についてご相談いただく際、次の資料・情報をご用意ください。
- 車検証
- 車両諸元表
- 連結車両の場合は、トラクタ・トレーラー双方の情報
- 車両の外観図、寸法図
- 積載物の名称、寸法、重量
- 出発地、目的地、経由地
- 希望する運行開始日
- 既存の特殊車両通行許可証
- 車両入替、経路変更、更新などの事情
- 複数の運行経路がある場合は、その候補経路
資料がすべて揃っていない段階でも、まずは「どの車両で、何を、どこへ運ぶ予定か」をお知らせください。必要な確認事項を整理したうえで、手続の方向性をご案内します。
特殊車両通行許可の新規申請、更新、変更、車両入替、経路追加などでお困りの際は、車検証・車両諸元・積載物・出発地・目的地をご準備のうえ、ご相談ください。


Q&A(よくある質問)
Q1.長野県内を走る大型トラックは、すべて特車申請が必要ですか?
いいえ。大型トラックであっても、車両の幅・長さ・高さ・重量などが一般的制限値の範囲内であれば、必ずしも特車申請が必要になるとは限りません。一方で、一般的制限値を一つでも超える車両や、特殊な貨物を積載する車両は、通行許可または通行可能経路の確認が必要になります。
Q2.松本市から県内の建設現場へ重機を運びます。申請が必要か確認できますか?
確認できます。車検証、車両諸元、積載する重機の情報、出発地、現場所在地、希望する運行日をご共有ください。松本市内からでも、国道・県道・市道を含む実際の走行経路によって確認内容が変わるため、目的地までの経路を具体的に整理することが重要です。
Q3.松本ICや長野自動車道を使う場合も、通常の特車申請と同じですか?
高速道路会社が管理する道路を含む場合は、利用する道路管理者や申請窓口を確認する必要があります。国土交通省の特殊車両オンライン申請システムでは各高速道路会社への申請はできないため、高速道路会社へ申請する必要がある場合は、各社の案内・窓口を確認してください。
Q4.すでに許可を取得しています。車両だけ変更しても、そのまま使えますか?
原則として、車両情報が変われば、既存許可をそのまま使えるとは限りません。車両の寸法、重量、軸数、最遠軸距、連結状態などに変更がある場合は、変更申請や新たな申請が必要になる可能性があります。車両入替の前に、許可証と新旧車両の情報を照合してください。
Q5.松本市から上高地・安曇・奈川方面へ行く場合、特に注意する点はありますか?
山間部の国道158号周辺では、トンネル、道路幅員、カーブ、気象条件、道路工事などを含めた確認が必要です。松本市奈川から安曇にかけては、狭小幅員や大型車同士のすれ違い困難箇所の解消を目的とする国道158号奈川渡改良が進められていますが、実際の通行可否や手続は、運行時点の道路状況と車両・経路に基づいて判断してください。
(参照先)
国道158号松本波田道路、国道19号松本拡幅、国道158号奈川渡改良などの整備状況
Q6.急ぎの輸送でも対応できますか?
輸送希望日、車両、積載物、出発地・目的地、既存許可の有無によって必要な期間は異なります。道路管理者との協議などに時間を要する場合もあるため、可能な限り早い段階でご相談ください。「明日までに必ず許可が出る」といった確約はできませんが、必要資料と手続の方向性を早く整理することで、準備を進めやすくなります。
Q7.長野県外の行政書士へ依頼しても問題ありませんか?
特車申請はオンラインで手続できる仕組みがあり、資料共有や連絡も電話・メール・オンラインで進められます。対面相談の希望がある場合を除き、行政書士事務所の所在地だけでなく、特殊車両通行許可の取扱実績、連絡の取りやすさ、手続内容の説明の分かりやすさを重視して選ぶことをおすすめします。
引用・参照先
国土交通省道路局 特殊車両通行制度について
国土交通省関東地方整備局 道路法に基づく車両の制限とは
特殊車両の対象、一般的制限値、道路法に基づく許可の説明
長野県 長野県の道路 2024
中部縦貫自動車道、松本市を起点とする広域道路ネットワーク、物流・災害時代替性の位置付け
国土交通省関東地方整備局 申請・問い合せ窓口(各高速道路株式会社)




