特殊車両(特車)の車検証上の「車名」にはトラック(シャーシ)メーカーの名称が記載されていても、実際の車両の仕様は架装メーカーによって決まることがあります。
架装メーカーとは、トラックなどの車台(シャーシ)に、用途に応じた装置や設備を取り付け、特装車を製造するメーカーのことです。家畜運搬車やコンクリートポンプ車、ミキサー車、消防車など、さまざまな車両があります。
これらの車両は、架装後の寸法や重量によっては、道路を通行する際に特殊車両通行許可申請が必要になる場合があります。
今回は、特車の架装メーカーとして、家畜運搬車・ポンプ車・ミキサー車・清掃車・医療車両・消防車・タンクローリーなどを製造するメーカーをご紹介します。
家畜運搬車
家畜運搬車は、牛や豚、鶏などの家畜を輸送するための専用車両です。輸送する家畜の種類や頭数に応じて、荷台の構造や換気設備などが工夫されています。
家畜運搬車を製造する架装メーカーでは、輸送する家畜や使用目的に合わせた車体の製作を手掛けています。
三友ボディー株式会社
単車25トン仕様で約1,200頭の子豚を積載可能な家畜運搬車を紹介しています。「オーダーメイド型車体架装」を提案し、長年の経験を生かして、輸送する家畜の種類や用途に応じた車体づくりを手掛けています。
家畜運搬車は、輸送する家畜の種類や頭数に応じて車体の構造が異なります。架装後の車両寸法や重量が一般的制限値を超える場合は、特殊車両通行許可が必要になることがあります。
コンクリートポンプ車・ミキサー車(コンクリートミキサー)

コンクリートポンプ車は、生コンクリートを圧送して建設現場などに送り込む車両です。一方、ミキサー車は、生コンクリートを攪拌しながら運搬する車両です。
いずれも建設現場で活躍する特装車ですが、搭載する装置や車体構造が異なります。
コンクリートポンプ車やミキサー車は、搭載する装置や架装後の車両寸法・重量によって、特殊車両通行許可が必要になる場合があります。
特に、大型のコンクリートポンプ車などを導入する際は、車検証の情報だけでなく、架装後の仕様や通行予定経路についても確認することが大切です。
清掃車
清掃車には、道路の清掃を行う車両や、汚泥・廃液などを吸引・運搬する車両など、さまざまな種類があります。用途に応じて専用の装置を搭載しており、架装メーカーによって取り扱う車両や設備が異なります。
清掃車や環境整備車も、架装後の車両寸法や重量によっては、特殊車両通行許可が必要になる場合があります。特に、大型の吸引装置やタンクなどを搭載する車両では、車両の仕様を確認することが大切です。
医療車両・放送中継車などの架装メーカー
医療車両や放送中継車は、用途に応じた専用設備を搭載する特装車です。検診車やレントゲン車、テレビ中継車などがあり、車内に医療機器や通信機器などを設置するため、一般的なトラックとは異なる構造になることがあります。
ここでは、医療車両や放送中継車をはじめ、さまざまな特殊用途の車両を手掛ける架装メーカーをご紹介します。
東京特殊車体
移動採血車、レントゲン車、各種検診車、放送中継車、衛星中継車、ファンタスティックバス、レトロ調バス、広報宣伝車、イベントカー、福祉バス、競走馬輸送車、防災機動車、レスキュー車、消防車両などの設計・製造を手掛けています。
京成自動車工業
特装車メーカーとして、各種検診車やレントゲン車、特殊救急車などの医療防疫車、放送中継車や衛星中継車、イベントカーなどの設計・製造を行っています。特に放送中継車の架装では、長年の実績があります。
中京車体工業
福祉バス、幼稚園バス、レントゲン車、検診車、中継車、ラジオカー、広報宣伝車、災害対策支援車、移動図書館車などの設計・製造を手掛けています。
マイクロバスの架装・改造を主力とし、ピーク時には年間1,500台以上のマイクロバスを手掛けた実績があります。
医療車両や放送中継車などは、搭載する設備によって車両の寸法や重量が変わることがあります。架装後の車両が道路法上の一般的制限値を超える場合には、特殊車両通行許可が必要になることがあります。
なお、救急車などの緊急自動車であっても、車両の用途だけで特殊車両通行許可の要否が決まるわけではありません。車両の仕様や通行条件に応じた確認が必要です。
消防車

消防車には、消防ポンプ自動車や水槽付消防ポンプ自動車、はしご車など、さまざまな種類があります。
消火活動や救助活動などの用途に応じて、ポンプ装置や水槽、はしごなどを搭載しており、架装メーカーによって取り扱う車両や設備が異なります。
モリタホールディングス
消防車の国内トップシェアを誇るモリタグループの持株会社です。東京証券取引所プライム市場に上場しています。
中核子会社の株式会社モリタでは、消防車両などの緊急自動車・特種用途自動車の架装・販売を行っています。
小川ポンプ工業
大阪に本社があり、消防車両などの緊急自動車・特種用途自動車の艤装・販売を行っています。
大阪市消防局に納入されている全長の短いスモールタンク車は、狭い路地の多い大阪市内でも機動的に活動できる車両として評判を得ています。
消防車は、搭載する装置や車体構造によって寸法・重量が異なります。特に、大型のはしご車などでは、道路法上の一般的制限値を超える場合があります。
特殊車両通行許可の要否は、消防車という用途だけでなく、車両の寸法・重量や通行条件などを踏まえて判断する必要があります。
タンクローリー
タンクローリーは、燃料や化学薬品などの液体、ガスなどを運搬するために、専用のタンクを搭載した特装車です。
運搬する物質の種類や用途によってタンクの構造・容量などが異なり、架装メーカーがそれぞれの用途に対応した車両を製造しています。
昭和飛行機工業
昭和飛行機工業は、航空機関連の製品や防衛装備品のほか、タンクローリーやバルク車などの特装車を手掛けるメーカーです。
航空機製造で培ったアルミ溶接技術を生かし、用途やニーズに応じた多様な特殊車両を製造しています。
タンクローリーは、タンクの容量や車両の構造によって、寸法・重量が異なります。架装後の車両が道路法上の一般的制限値を超える場合には、特殊車両通行許可が必要になることがあります。
なお、危険物を運搬する場合の消防法などに基づく規制と、道路法に基づく特殊車両通行許可制度は別のものです。それぞれの規制を確認する必要があります。
自動車メーカー直系・関連メーカー
特装車の製造や改造は、独立した架装メーカーだけでなく、自動車メーカーのグループ会社や関連会社でも行われています。
ベースとなる車両の仕様を踏まえ、救急車や福祉車両など、用途に応じた装備の追加や車体の改造を手掛けています。
日産モータースポーツ&カスタマイズ
旧オーテックジャパンなどを含む、日産車ベースの特装車を担当しています。
日産車をベースとした用途別の車両開発やカスタマイズなどを手掛けるメーカーです。
トヨタカスタマイジング&ディベロップメント
トヨタ車ベースの救急車や福祉車両などを手掛けています。用途に応じた装備や仕様を備える車両の開発・製造などを行っています。
いすゞ車体
いすゞ自動車が製造する商用車の仕様変更・仕様追加・改造工事を取り扱う架装メーカーです。
いすゞ自動車販売の完全子会社で、神奈川県藤沢市のいすゞ自動車藤沢工場内に本社を置いています。
日野エンジニアリングアネックス
日野自動車グループとして、特殊な用途の車両開発を行っています。
株式会社日野エンジニアリングアネックスは、日野車をベースに特注仕様や特殊車両の企画・生産を担っています。
特装車を導入する際は、ベースとなる車両だけでなく、架装後の寸法や重量を確認することが大切です。
特殊車両通行許可申請が必要となる場合には、車検証の情報に加え、車両の仕様を確認できる資料などが必要になることがあります。申請に必要な情報がわからない場合は、車両メーカーや架装メーカーに確認するとよいでしょう。
よくある質問
- Q架装メーカーとトラックメーカーの違いは何ですか?
- A
トラックメーカーは、車両の基本となるシャーシやエンジン、運転席などを製造するメーカーです。一方、架装メーカーは、その車両に用途に応じた装置や設備を取り付け、特装車に仕上げるメーカーです。
そのため、車検証に記載された車名と、架装を担当したメーカー名が異なることがあります。
- Q特装車はすべて特殊車両通行許可が必要ですか?
- A
いいえ。特装車だからといって、必ず特殊車両通行許可が必要になるわけではありません。
道路法上の一般的制限値を超える車両について、通行する道路や車両の条件などを確認し、必要な手続きを判断します。
- Q架装メーカーによって特殊車両通行許可の申請内容は変わりますか?
- A
架装メーカーの名前だけで申請内容が決まるわけではありません。
同じ種類の特装車でも、搭載する装置や車体構造によって寸法・重量が異なります。そのため、実際の車両仕様や通行予定経路に応じて申請内容を確認する必要があります。
- Q特殊車両通行許可申請には、架装メーカーの資料が必要ですか?
- A
申請する車両の仕様や申請内容によっては、車検証に加えて、車両の寸法・重量などを確認できる資料が必要になることがあります。
必要な情報が車検証だけでは確認できない場合は、トラックメーカーや架装メーカーに仕様書などの資料を問い合わせることも考えられます。
- Q特装車の特殊車両通行許可申請を行政書士に代行してもらえますか?
- A
はい。特殊車両通行許可申請は、行政書士に代行を依頼できます。
行政書士法人アラインパートナーズでは、特殊車両通行許可申請の代行に全国対応しています。架装後の車両寸法・重量や通行経路などを確認し、必要な申請手続きをサポートしています。
まとめ
今回は、家畜運搬車・コンクリートポンプ車・ミキサー車・清掃車・医療車両・消防車・タンクローリーなど、さまざまな特装車を手掛ける架装メーカーをご紹介しました。
特装車は、トラックメーカーが製造したシャーシに、架装メーカーが用途に応じた装置や設備を取り付けて製造されることがあります。そのため、車検証上の車名だけでは、実際の架装内容や車両仕様がわからない場合もあります。
また、架装後の車両寸法や重量によっては、特殊車両通行許可が必要になることがあります。
特装車を導入する際は、メーカーや車両の特徴だけでなく、実際の寸法・重量や通行予定経路についても確認しておくことが大切です。
特殊車両通行許可申請は行政書士にご相談ください
行政書士法人アラインパートナーズは、特殊車両通行許可申請を専門に扱う行政書士事務所です。代表行政書士の八木辰男が、ご相談から申請まで一貫して対応いたします。オンラインでの手続きに対応しているため、全国の事業者様からご依頼いただけます。
特殊車両通行許可申請は、車両の寸法・重量だけでなく、通行経路や道路の状況なども考慮して進める必要があります。
行政書士法人アラインパートナーズでは、特車申請代行を全国から承っております。申請の要否や必要書類、通行経路、許可条件などでお困りの場合は、お気軽にお問い合わせください。
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