ETC2.0簡素化制度と特車ゴールドは、似た部分もありますが、まったく同じ制度ではありません。目的も要件も運用方法も異なります。
ETC2.0簡素化制度は運用側の実走行のデジタル化の制度であり、特車ゴールドは審査側の優良事業者の認定制度という位置づけで、どちらも通行確認制度を基盤としていますが、制度は別になります。ただし、両方ともセットで使うと特車申請の負担が最も軽くなる組み合わせとも言えます。それでは詳しく解説します。
ETC2.0簡素化制度とは
ETC2.0のプローブ情報(走行位置データ)を活用して、許可証携行の不要化、経路逸脱の自動チェック、通行確認制度の自動化、事後監査の簡素化といった「運用の簡素化」を目的としています。
- ETC2.0簡素化制度の主なポイントは次のとおりです。
- 車両にETC2.0車載器が必須
- 新規格車の利用が前提
- 実走行データが行政に送られるため監査が容易
つまり、許可後の管理・実績確認をデジタル化する制度のことです。
特定プローブ情報とは、業務支援用ETC2.0車載器に記録された走行位置の履歴などの情報「プローブ情報」に、「車載器の特定に関する情報」を付与した情報で、道路管理者が管理するDSRC路側無線機との無線通信により業務支援用ETC2.0車載器から収集される情報のことです。
<参照先 国土交通省>
https://www.tokusya.ktr.mlit.go.jp/PR/pdf/etc20_youkou.pdf
簡素化制度の内容
業務支援用 ETC2.0 車載器を装着した特殊車両で大型車誘導区間の走行を含む通行許可申請があった場合は、大型車誘導区間を包括的に申請があったものとみなして、通行できる許可を付加するとともに、路側機で特定プローブ情報を収集することにより当該車両の通行経路把握を行います。

特車ゴールドとは
特車ゴールドは、国土交通省が2023年から本格展開している制度で、3年間、適正な運行実績があること、通行確認制度に基づく逸脱がないこと、許可条件を遵守していることという事業者を「優良事業者」として認定して、許可審査を大幅に簡素化する制度です。
- 特車ゴールドの主なポイントは次のとおりです。
- 経路審査の省略
- 長期許可(最大5年)
- 繰り返し許可の負担大幅減
つまり、許可の“事前審査”が簡単になる制度のことです。
共通点と違いを整理
共通点
- ETC2.0簡素化制度と特車ゴールドの共通点は次のとおりです。
- 特殊車両通行許可のデジタル化・負担軽減を目的
- ETC2.0と親和性が高い
- 通行確認制度(2024年本格運用)と関係がある
- 遵守運行を促進するための仕組みである
このとおり方向性は似ていますが、制度の位置づけは別です。
最大の違い
ETC2.0簡素化制度
許可後(実行段階)の簡素化が目的です。車両にETC2.0がついていれば利用できます。ただし新規格車の方が適格になります。
特車ゴールド
許可前(審査段階)の簡素化が目的です。企業の「優良実績」が評価されたり、3年間のデータ蓄積が必要になります。
ETC2.0があれば特車ゴールドになれるのか?
ETC2.0があれば特車ゴールドになれるというわけではありません。特車ゴールドは「企業としての遵守実績」が必要なので、ETC2.0を付けただけでは認定されません。
ただし、ETC2.0で通行確認制度の確認が自動化され、経路逸脱が減り、日報管理が正確になるという理由で、ETC2.0車両は特車ゴールド取得への近道になるという関係性はあります。



