特殊車両通行確認制度を利用して車両を通行させた場合、通行時の重量記録を通行から1年間保存する必要があります。重量記録は、書類または電子データで保存します。
国土交通省の「特殊車両通行ハンドブック」では、重量記録として、乗務記録や送り状、積卸し時の重量測定結果などが示されています。また、道路法第47条の12第2項に基づき、国から重量記録の提出を求められることがあります。
この記事では、特殊車両通行確認制度における重量記録の保存義務について、保存期間や必要な記録、保存方法、実務上の注意点などを行政書士がわかりやすく解説します。

特殊車両通行確認制度で重量記録の保存が必要な理由
特殊車両通行制度は、一定の寸法や重量を超える車両を通行させる場合に、道路法に基づいて必要な手続きを行う制度です。手続きには、「特殊車両通行確認制度」と「特殊車両通行許可制度」があります。
このうち特殊車両通行確認制度は、事前に車両諸元などの情報を登録した車両について、積荷や発着地などを指定して通行可能経路の確認を行い、回答を受けた範囲内で通行できる制度です。
確認制度では、実際に通行した際の記録として、登録車両の通行経路や積載する貨物の重量、通行時間などを記録・保存することが求められています。
重量記録を保存しておくことで、回答を受けた内容に従って適正に通行していたかを確認できるようになります。国から求められた場合には、保存している重量記録などについて報告する必要があります。

「重量記録の保存義務」の法令上の根拠
特殊車両通行確認制度における重量記録の保存については、道路法第47条の12に定められています。
同条では、回答の内容に従って登録車両を通行させる場合、登録車両の通行経路や積載する貨物の重量、通行時間などを記録し、保存しなければならないとされています。
また、国土交通省の「特殊車両通行ハンドブック」では、通行確認制度を利用して通行した際の重量記録について、通行から1年間、書類または電子データで保存する必要があることが案内されています。
さらに、道路法第47条の12第2項に基づき、国から重量記録などについて報告を求められることがあります。そのため、記録するだけでなく、必要なときに確認・提出できる状態で保存しておくことが大切です。
(登録車両の通行の記録及び報告)
第四十七条の十二
登録車両を第四十七条の十第三項の回答の内容に従つて通行させる者は、当該登録車両ごとに、第四十七条の六第一項第二号及び第三号に規定する国土交通省令で定める基準に従つて、当該登録車両の通行経路及び当該登録車両に積載する貨物の重量を記録するとともに、当該通行に係る通行時間その他国土交通省令で定める事項を記録し、これらを保存しなければならない。
2 国土交通大臣は、第四十七条の四からこの条までの規定を施行するため必要な限度において、国土交通省令で定めるところにより、前項に規定する者に対し、同項の記録その他必要な事項についての報告を求めることができる。
3 国土交通大臣は、前項の規定による報告を受けたときは、登録車両が通行した経路を構成する道路の道路管理者に対し、国土交通省令で定める事項を通知しなければならない。
重量記録として何を保存すればよい?
国土交通省の「特殊車両通行ハンドブック」では、重量記録として、次のいずれかの書類を保存することとされています。
- 乗務記録(積載貨物重量、積卸しの日時・場所)
- 送り状(積載貨物重量、積卸しの日時・場所)
- 乗務記録・送り状に類する書類(積載貨物重量、積卸しの日時・場所)
- 積卸し時における重量測定結果(総重量、測定日時)
重量記録は、書類または電子データで保存します。必ずしも特定の様式で作成する必要があるという説明ではなく、上記の必要な情報が記載された書類を保存しておくことがポイントです。
重量記録の保存期間と提出
重量記録の保存期間は、通行した日から1年間です。書類または電子データで保存します。
また、道路法第47条の12第2項に基づき、国から重量記録などについて報告を求められることがあります。そのため、保存期間中は、必要な記録を確認できるよう整理して管理しておくことが大切です。
重量記録を保存するときの実務上のポイント
重量記録は1年間保存する必要があるため、必要になったときに確認できるよう、日頃から整理しておくことが大切です。
必要な情報が記録されているか確認する
乗務記録や送り状を重量記録として保存する場合は、積載貨物重量や積卸しの日時・場所など、必要な情報が記載されているか確認しておきましょう。
紙・電子データを確認しやすい状態で管理する
重量記録は、書類または電子データで保存できます。電子データで管理する場合は、車両や通行日などでファイルを整理しておくと、必要な記録を確認しやすくなります。これは法令上定められた保存方法ではありませんが、継続して記録を管理するための実務上の工夫の一つです。
保存漏れに注意する
通行確認制度を継続して利用する場合は、通行のたびに必要な重量記録を保存する運用を決めておくと、保存漏れの防止につながります。
重量記録を保存しなかった場合はどうなる?
特殊車両通行確認制度では、回答の内容に従って登録車両を通行させる場合、通行経路や積載する貨物の重量、通行時間などを記録し、保存する必要があります。
道路法では、必要な記録をしなかった場合や虚偽の記録を作成した場合、記録を保存しなかった場合には、100万円以下の罰金の対象となることが定められています。
そのため、重量記録は単に作成するだけでなく、通行後1年間、必要なときに確認できる状態で保存しておくことが重要です。乗務記録や送り状などを利用している場合は、必要な情報が記載されているか、保存漏れがないかを定期的に確認しておくとよいでしょう。特殊車両の無許可通行や許可条件違反などについては、特殊車両の取り締まり・罰則についての記事でも詳しく解説しています。
「特殊車両通行許可制度」と「特殊車両通行確認制度」の違い
特殊車両を通行させるための手続きには、「特殊車両通行許可制度」と「特殊車両通行確認制度」があります。
特殊車両通行許可制度は、通行したい経路について道路管理者の審査を受け、許可を得て通行する制度です。一方、特殊車両通行確認制度は、あらかじめ登録した車両について、積荷や発着地などを入力すると、通行可能な経路をシステムで確認できる制度です。
この記事で解説している「通行から1年間の重量記録の保存」は、特殊車両通行確認制度を利用して通行する場合に必要となるものです。
特殊車両を通行させる際は、許可制度と確認制度の違いを理解し、利用する制度に応じて必要な手続きや通行時のルールを確認しておきましょう。
特殊車両通行許可制度と確認制度の違いや、どのような手続きが必要なのか判断に迷う場合は、特車申請を扱う行政書士に相談する方法もあります。行政書士法人アラインパートナーズでは、特殊車両通行許可申請を専門に扱っていますので、申請の要否や必要な手続きについてお困りの場合は、お気軽にご相談ください。
よくある質問
- Q重量記録は特殊車両通行許可制度でも1年間保存する必要がありますか?
- A
この記事で解説している「通行から1年間の重量記録の保存」は、特殊車両通行確認制度を利用して通行する場合に必要となるものです。特殊車両通行許可制度と確認制度は異なる手続きのため、利用する制度に応じたルールを確認する必要があります。
- Q重量記録は紙で保存しなければなりませんか?
- A
いいえ。重量記録は、書類または電子データで保存できます。電子データで保存する場合は、車両や通行日ごとに整理するなど、必要な記録を確認しやすい状態にしておくと管理しやすくなります。
- Q送り状を保存しておけば重量記録として認められますか?
- A
国土交通省の「特殊車両通行ハンドブック」では、重量記録として送り状が挙げられています。ただし、積載貨物重量、積卸しの日時・場所が記載されている必要があります。乗務記録やこれらに類する書類、積卸し時の重量測定結果を保存する方法もあります。
- Q重量記録はいつから1年間保存すればよいですか?
- A
重量記録は、特殊車両通行確認制度を利用して実際に通行した日から1年間保存します。保存期間中に国から重量記録などについて報告を求められることがあるため、必要な記録を確認できる状態で管理しておきましょう。
- Q特殊車両通行許可制度と確認制度のどちらを利用すればよいか分からない場合はどうすればよいですか?
- A
車両や通行する経路などによって必要な手続きが異なるため、判断に迷う場合は特車申請を扱う行政書士へ相談する方法があります。行政書士法人アラインパートナーズでは、特殊車両通行許可申請を専門に扱っています。
まとめ
特殊車両通行確認制度を利用して通行した場合は、重量記録を通行から1年間、書類または電子データで保存する必要があります。
重量記録には、積載貨物重量や積卸しの日時・場所が記載された乗務記録・送り状などのほか、積卸し時の重量測定結果を利用できます。また、国から重量記録などについて報告を求められることがあるため、必要なときに確認できる状態で管理しておくことが大切です。
特殊車両通行許可制度と確認制度では手続きやルールが異なります。どの制度を利用すればよいのか、どのような手続きが必要なのか分からない場合は、事前に確認しておきましょう。
特殊車両通行許可申請は行政書士にご相談ください
行政書士法人アラインパートナーズは、特殊車両通行許可申請を専門に扱う行政書士事務所です。代表行政書士の八木辰男が、ご相談から申請まで一貫して対応いたします。オンラインでの手続きに対応しているため、全国の事業者様からご依頼いただけます。
特殊車両通行許可制度と確認制度の違いや、申請の要否、必要書類、通行経路などでお困りの場合は、お気軽にお問い合わせください。



