港湾道路の特殊車両通行許可について東京港・横浜港・名古屋港・大阪港・神戸港を詳しく解説

コラム

港湾道路(臨港道路)における特殊車両の通行許可(特車許可)は、一般的な国道や市道とは管理体系が異なるため、注意が必要です。

港湾道路は、港湾施設内の物流を支える重要な道路ですが、道路法(道路法)の「道路」には含まれないことが多く、港湾法や港湾施設条例に基づき管理されています。そのため、公道(国道・県道・市道等)の特殊車両通行許可(特車許可/道路法第47条の2)とは別に、港湾管理者が独自に通行承認を求める場合があります。

このように港湾道路は「道路法」ではなく「港湾法」に基づく管理となっており、申請先も警察や道路管理者ではなく港湾管理者になります。

道路法からの引用です。

道路法 第四十七条

道路の構造を保全し、又は交通の危険を防止するため、道路との関係において必要とされる車両(人が乗車し、又は貨物が積載されている場合にあつてはその状態におけるものをいい、他の車両を牽けん引している場合にあつては当該牽けん引されている車両を含む。第四十七条の五第三号及び第四十七条の六第一項第一号を除き、以下この節及び第八章において同じ。)の幅、重量、高さ、長さ及び最小回転半径の最高限度は、政令で定める。

2 車両でその幅、重量、高さ、長さ又は最小回転半径が前項の政令で定める最高限度をこえるものは、道路を通行させてはならない。

港湾道路はどこが管理しているのか?

湾道路(臨港道路)は、港湾法に基づき港湾内や港湾と周辺の主要道路を結ぶ特殊な道路で、港湾荷役や貨物輸送の円滑化が目的です。

通常の道路法が適用されず、関係車両以外は原則進入禁止で、災害時には緊急輸送路としても機能します。

港湾道路(臨港道路)は、都道府県や市などの主に地方自治体、または複数の自治体が共同で設立した港湾管理組合が管理しています。

根拠法令は、港湾法となっており、管理者としては、具体的には横浜市港湾局、大阪市港湾局、名古屋港管理組合などです。

一般的な「道路法」に基づく公道ではないために、国土交通省の「特殊車両通行許可システム」で国道などの許可を取っていても、港湾道路内を通る場合は別途、手続きが必要になることがあります。

港湾道路は一般の道路法上の道路(国道・県道・市道)とは性質が異なっており、港湾法(昭和25年法律第218号)及び各自治体の港湾施設条例に基づいて港湾管理者が管理しています。

港湾管理者は、港湾法第3条等に基づき、国や地方自治体(市区町村)、港湾管理組合などが港湾区域内の道路を管理します。

自治体によっては、港湾局が管理する港湾道路と指定管理者制度で管理する港湾道路が別れている例もあります。

港湾法からの引用です。

港湾法 第二章 港務局

第一節 港務局の設立等

(設立等)
第四条 現に当該港湾において港湾の施設を管理する地方公共団体、従来当該港湾において港湾の施設の設置若しくは維持管理の費用を負担した地方公共団体又は予定港湾区域を地先水面とする地域を区域とする地方公共団体(以下「関係地方公共団体」という。)は、単独で又は共同して、定款を定め、港務局を設立することができる。

港湾での特車通行許可(承認)の要否と申請内容

車両の幅、重量、高さなどが「一般的制限値」(総重量20t、幅2.5mなど)を超える車両が通行する場合、原則として管理者の許可(または承認)が必要です。

正式には「港湾施設設置(使用)許可申請」や「特殊車両通行承認申請」と呼ばれています。

管理者によりますが、オンライン申請ができるところもあります。近年では、神戸市や川崎市などのように、独自の電子申請システム(e-KOBEなど)を導入している自治体が増えています。しかし、多くの港湾では、まだまだ、依然として窓口への持参または郵送による申請が主流です。

申請が不要な場合でも「駐車違反」になるのか?

港湾道路は「道路法」で管理されてないですが、駐車違反はあるのでしょうか?、はい、港湾道路は「道路法」の適用外ですが、「道路交通法」は適用される場合がほとんどです。

港湾道路でも「道路交通法」は適用されると思っておいたほうがよいです。

不特定多数の車両が自由に往来できる状態であれば、道路交通法上の「道路」とみなされます。この場合、駐車禁止標識があれば警察による取締り(駐禁)の対象になります。

また、道路交通法が適用されないエリアであっても、港湾法や各自治体の港湾施設管理条例に基づき、放置車両の強制撤去や罰則が科されることがあります。

申請方法と必要書類の詳説

申請を行う際は、各港湾管理者のウェブサイトから様式をダウンロードするのが確実です。

  • 港湾道路の一般的な申請の流れは次のとおりです。
    • 経路の確認をします。走行ルートに港湾道路が含まれているか確認。
    • 書類を作成します。各港湾独自の様式(または国交省様式の準用)を作成。
    • 提出します。港湾局の窓口へ提出(郵送可の場合が多い)。
    • 審査を受けて交付されます。概ね10日?2週間程度で「承認書」が交付されます。

必要な申請書類一覧

基本的には「道路法」に基づく特車申請と似たような内容になっています。書類名と内容を表にしました。

書類名内容
特殊車両通行承認申請書管理者宛ての申請書。車両情報や通行期間を記載。
車両諸元に関する説明書車両の幅、長さ、高さ、軸重などを詳細に記したもの。
自動車検査証(車検証)の写し最新の状態のもの。
通行経路図港湾道路内のどのルートを通るか明示した地図。
車両内訳書複数の車両をまとめて申請する場合(包括申請)に必要。
旋回軌跡図超長大車両などで、交差点が曲がれるか証明する場合。

港湾道路関連の主な法令・条例名

まず、港湾の管理運営の基本となる法律である港湾法があります。

さらに、各自治体が定める、港湾施設(道路含む)の使用ルールが規定されている港湾施設管理条例、たとえば、横浜市港湾施設管理条例、大阪市港湾施設条例などがあります。

一般的な特車許可の根拠法である道路法も関係してきます。港湾道路の一部が道路法上の道路に指定されている場合もあります。

港湾道路(臨港道路)における特殊車両の通行許可(承認)について、オンライン申請の状況や具体的な手続き方法を詳しく解説します。

結論から申し上げますと、港湾道路の多くは国が運営する「特車ポータル」等の共通オンラインシステムには対応しておらず、各港湾管理者(港湾局など)への個別申請が必要です。まだまだ、システムで申請できる港はすくないのが現状です。

具体的な港湾道路の申請

港湾道路は「道路法」ではなく「港湾法」に基づき自治体が管理しているため、国(国土交通省)の窓口とは別になります。

東京港

現状では、システム自体はあるものの、特殊車両の通行に関しては別途「港湾局」へ書類提出が必要なケースが多いです。

東京港では、東京都港湾局が運営する東京港港湾情報システムを利用して、港湾施設等の使用許可申請と使用実績照会をオンラインで行うことができます。

使用許可申請と使用実績照会のオンライン機能を利用するには、東京都港湾局が発行するID及びパスワードが必要となります。

申し込みは、東京港港湾情報システム利用規約をご承諾されたうえで、お問い合わせ先一覧のシステム担当まで申し込みます。

  • 東京港の利用できるオンライン機能(電子申請)は次のとおりです。
    • 船舶 係留施設使用許可申請書(第2号様式)
    • 入港船舶届
    • 入港料減免申請書
    • 荷役機械一般使用許可申請書
    • 荷役機械使用実績届
    • 電気施設使用許可申請書
    • 電気施設使用実績届
    • 冷蔵コンテナ用荷役施設一般使用(継続)許可申請書
    • 冷蔵コンテナ用荷役施設一般使用終了届
    • 空港施設 空港使用届(東京ヘリポート)
    • 空港使用許可申請書(東京ヘリポート)
    • 空港使用料減免申請書(東京ヘリポート)

東京都東京港管理事務所
〒108-0075
東京都港区港南3-9-56

東京港港湾情報システムのURLです。
https://www.kouwan2.metro.tokyo.jp/

横浜港

まず、港湾道路は、港湾管理者である本市(港湾局)が管理する道路と、地方自治法で定める指定管理者制度に基づく指定管理者が管理する道路があります。現状では、まだ、横浜港ではオンラインに対応できていません

  • 横浜港での港湾関係の申請書類は次のとおりです。
    • 特殊車両通行承認申請書
    • 車両の諸元に関する説明書
    • 自動車車検証の写し
    • 通行経路図
    • 返信用切手を貼付した返信用封筒又はレターパック

上記書類①から④までを各2部ずつ準備の上、申請先記載住所へ郵送または持参します。

港湾道路の特殊車両の通行について(横浜市公式)
https://www.city.yokohama.lg.jp/business/bunyabetsu/kowan/business-support/20210216105826433.html

現状、オンライン申請は受け付けておらず、「郵送または持参」が基本です。

申請先・問い合わせ先

港湾局が管理する道路を通行する場合(一部、指定管理者が管理する道路を通行する場合を含む。)

横浜市港湾局施設管理課
〒231-0002
横浜市中区海岸通1丁目1番地 大さん橋ふ頭ビル5階
TEL:045-671-7083
FAX:045-662-6565

指定管理者が管理する道路のみを通行する場合

横浜港埠頭株式会社埠頭経営課 南部管理事務所
(山下、本牧、南本牧、出田町の各ふ頭)
〒231-0811
横浜市中区本牧ふ頭1-1
TEL: 045-621-6321
FAX:045-621-9048

横浜港埠頭株式会社埠頭経営課 北部管理事務所(大黒、瑞穂の各ふ頭)
〒230-0054
横浜市鶴見区大黒ふ頭1
TEL: 045-521-8080
FAX:045-521-8081

名古屋港

名古屋港管理組合の港湾施設を利用する際の申請書類のうち、インターネットを通じて配布可能なものを提供しています。これ以外の申請書類を利用される場合は、担当課へ問い合わせとなります。

名古屋港管理組合のURLです。
https://www.port-of-nagoya.jp/meikan/index.html

  • 港湾施設条例に関する申請書は次のとおりです。
    • 港湾施設(上屋)使用許可申請書
    • 上屋附属詰所(一般使用・専用使用)使用許可申請書
    • 港湾施設(荷さばき地・野積場)使用許可申請書
    • 荷さばき地附属水道施設使用許可申請書
    • 荷さばき地附属詰所使用許可申請書
    • 貯木場(一般使用)使用許可申請書
    • 貯木場(専用使用)使用許可申請書
    • 陸上貯木場・製材品置場使用許可申請書
    • 貯木場こう門使用許可申請書
    • 中川運河通船門船舶通航申請書
    • 中川運河いかだ入出河申請書
    • 運河水面使用許可申請書
    • 鉄道基盤施設使用許可申請書
    • 物揚場使用届
  • 名古屋港の必要に応じて提出する港湾施設条例に関する申請書
    • 工作物設置(継続)申請書
    • 代理人届
    • 工事着手届
    • 工事しゅん工届
    • 事故報告届
    • 使用料分納申請書
    • 火気使用許可申請書
    • 係留木材移動届
    • 貯木場貨物搬出届
    • 使用料還付申請書

名古屋港管理組合

〒455-0033 名古屋市港区港町1番11号
代表電話:052-661-4111
開庁時間:午前8時45分から午後5時30分 (土曜日、日曜日、祝日、年末年始を除く)

神戸港

神戸は電子申請ができます。神戸市スマート申請システムの申請フォームから申請してください。なお、あらかじめ、e-KOBEを利用するためには、利用者(事業者)の登録が必要です。

1.既にe-KOBEの利用者IDをお持ちの事業者は、IDとパスワードでログインします。

2.申請フォームで必要項目を入力し、添付書類(PDF)をアップロードします。

  • 添付書類(PDF)は次のとおりです。
    • 車両の諸元に関する説明書
    • 自動車車検証の写し
    • 通行経路図
    • 車両内訳書(包括申請の場合)
    • その他(軌跡図等の神戸港管理事務所が必要と認める書類)

審査終了後(概ね10日から2週間)、承認書・条件書をe-KOBEから電子交付されます。
利用者IDのメールアドレスに「交付の完了」のメールが届きますので、e-KOBEの「マイページ」よりダウンロードします。

申請書及び申請に添付した書類は、副本として同一の書類を申請者で保管しておいてください。

  • 神戸港での車両携帯用としては交付した承認書等の下記書類を印刷またはタブレット等で携行してください。
    • 承認書
    • 条件書
    • 通行経路図
    • 車両内訳書(包括申請時)

問い合わせ先

〒650-0046
神戸市中央区港島中町4丁目1-1 ポートアイランドビル6階
神戸市 港湾局 神戸港管理事務所
電話:078-304-2500

神戸市:港湾道路の特殊車両の通行
特殊車両 神戸市

大阪港

大阪港の港湾道路関連の申請は、大阪港湾局(第2突堤事務所)が窓口で、「臨港道路占用許可申請」「工事施行許可申請」「特殊車両通行許可申請」などの手続きが必要です。

まだ、オンライン申請には全面的に対応していません

申請には、大阪市ウェブサイトからダウンロードできる指定の様式を使用し、新規申請は原則として管轄の窓口(第2突堤事務所など)で事前相談の上で行います。

申請の概要

管理主体は大阪港湾局(大阪府と大阪市の港湾局が統合)です。主な申請内容ですが、 臨港道路や港湾施設を利用・工事するための許可(占用、工事施行、特殊車両通行など)になります。

申請窓口: 大阪港湾局第2突堤事務所

大阪港湾局第2突堤事務所
〒552-0022
大阪市港区海岸通3-4-28
電話:06-6572-2674(代表)
最寄駅:Osaka Metro 中央線 大阪港駅

具体的な申請手順(例:工事・占用許可)ですが、大阪港湾局のウェブサイトで最新の申請情報や様式を確認したうえで、申請様式をダウンロードします。

「臨港道路・橋梁・鉄道基盤施設占用許可申請書」「工事施行許可申請書」「特殊車両通行許可申請書」などをダウンロードします。

事前相談は必要な場合が多いと思いますが、新規の申請は、まず所管の窓口(上記第2突堤事務所など)へ連絡して、内容を確認・相談したほうがよいでしょう。

書類作成では必要事項を記入し、既存許可書の写し(継続申請の場合)などを添付します。

申請・審査は窓口に提出しますが、標準処理期間(道路使用許可は7日間程度が目安)を考慮して余裕を持って申請するようにします。

  • 大阪港のダウンロード可能な申請用紙は次のとおりです。
    • 港湾施設関係申請書(占用許可、行為許可等)
    • 臨港道路及び鉄道基盤施設関係申請書(占用許可、工事施工許可、特殊車両通行許可等)
    • 海浜施設関係申請書(占用許可、行為許可等)
    • 水域占用許可申請書
    • 運河占用許可申請書
    • 港湾環境整備負担金関係申請書(敷地面積届出書等)
    • まちづくり要綱関係(舞洲地区、咲洲(南港)地区、コスモスクエア地区)
    • 土地境界確定協議関係

大阪市の問い合わせ先です。

大阪市 大阪港湾局総務部総務課
住所:〒559-0034 住之江区南港北2-1-10 ATCビル ITM棟10階
電話:06-6615-7704
ファックス:06-6615-7719