Gマーク取得は単なる「安全の証明」以上の実利があります。Gマークを取得するメリット、要件、そして具体的な申請方法を詳しく解説します。
全日本トラック協会のサイトを中心にまとめました。参照先URL
https://jta.or.jp/member/tekiseika/gmark.html
公益社団法人全日本トラック協会(全ト協)は、全国約6万3,000社のトラック運送事業者を代表する中心的な業界団体です。1948年に設立され、2012年に公益社団法人へ移行しました。トラック運送の適正運営、交通安全・環境対策、業界の地位向上などを通じて、物流の健全な発展と社会貢献を目指しています。
Gマークとは?(安全性優良事業所認定制度)
Gマーク制度とは、公益社団法人全日本トラック協会が実施する「貨物自動車運送事業安全性評価事業」の認定制度です。
運送事業者(事業所単位)が交通安全対策などへの取り組みを一定基準以上クリアした場合に、「安全性優良事業所」として認定されて、Gマークが付与されます。
この制度は、利用者が安全性の高い事業者を選びやすくすること、業界全体の安全意識向上を目的としています。
2025年3月末現在では、全国で29,142事業所、これは全事業所の34%らしいですが、多くの事業所が安全性優良事業所に認定されているとのことです。
また、Gマーク取得事業所は、未取得事業所に比べて事故の割合が30%以下になってるとのことで安全性の効果もあります。

特車もGマークは取れるの?
特殊車両を運行している事業者であっても、要件を満たせばGマークは取得できます。Gマークは「車両の種類」ではなく「事業所の安全体制」を評価する制度です。
全日本トラック協会が実施しているGマーク(安全性優良事業所認定制度)は、特殊車両かどうか?、大型トレーラーかどうか?、とか重量物輸送かどうか?といった車両区分で判断する制度ではありません。評価対象はあくまで、法令遵守状況、事故・違反状況、安全管理体制、教育・研修の実施状況、社会保険等の適正加入といった事業所単位の安全性評価です。
特殊車両事業者が不利になるの?
原則として不利にはなりませんが、重大事故・行政処分歴・指導監督違反・点呼未実施などの法令違反などがある場合は減点・不適合の対象になります。
特殊車両を扱う事業者の場合、特殊車両通行許可の適正管理・運行経路の事前確認体制・誘導車配置の管理・重量超過防止対策・ドライバーへの特車教育記録を強化しておくと評価上有利です。「安全に対する取組み」として評価項目に反映されます。
Gマークを取得するメリット
安全性の証明
Gマークは「安全性に優れた事業者」であることを客観的に示すマーク(シンボル)です。荷主企業や取引先に対して安全性の高い事業者としての信頼感をアピールできます。
荷主からの評価向上
安全性が高い事業者として評価されることで、荷主企業からの発注が増える可能性や、優良な取引先として選ばれやすくなります。
優良運送会社としてのブランディング
Gマークを掲示することで、ドライバーや社員の社内意識の向上や、地元や地域社会に対する安全文化の浸透にもつながります。
その他の優遇要素
一部地方では安全評価制度に応じた保険料の優遇や、公共事業・発注時の評価で加点対象になる場合もあります(地域の制度に準じる)。特殊車両通行許可等の関連手続き(例:優良事業者としての通行許可延長)が受けやすくなるケースもあります。
Gマーク認定によるインセンティブ(国土交通省)
違反点数の消去
通常、3年となっている違反点数の付与期間について、違反点数付与後2年間違反点数の付与がない場合、当該違反点数が消去されます。
IT点呼の導入
対面点呼に代えて、国土交通大臣が定める設置型又は携帯型のカメラを有する機器による営業所間等での点呼が可能となります。
点呼の優遇
2地点間を定時で運行する形態の場合の他営業所における点呼、同一敷地内に所在するグループ企業間における点呼が承認されます。
安全性優良事業所表彰
安全性優良事業所のうち、連続して10年以上取得しているなど、さらに一定の高いレベルにある事業所が表彰されます。
基準緩和自動車の有効期間の延長
基準緩和自動車が適切に運行されている場合、緩和の継続認定において、有効期間が無期限に延長(通常4年間)されます。
特殊車両通行許可の有効期間の延長
特殊車両の通行許可について、一定の要件を満たす優良事業所の車両の場合、許可の有効期間が最長4 年間まで延長(通常最長2年間)されます。トレーラ連結17m超は2年に延長)
特定技能外国人の受け入れ
特定技能外国人を受け入れ「所属機関」となるための要件の1つとして定められています。
Gマーク認定によるインセンティブ(全日本トラック協会)
助成の優遇
都道府県トラック協会の会員事業者に対する助成事業について、予算の範囲内で次の優遇措置が受けられます。
①ドライバー等安全教育訓練促進助成制度
特別研修への受講料助成金の増額 (通常7割→全額助成)
②安全装置等導入促進助成事業
IT機器を活用した遠隔地で行う点呼に使用する携帯型アルコール検知器への1台につき、2分の1、上限2万円の助成
③経営診断・経営改善支援・運賃交渉支援事業
・経営診断助成額の増額(通常8万円⇒ 10万円)
・経営改善支援助成額の増額(通常12万円⇒ 13万円)
・運賃交渉支援助成額の増額(通常最大32万円⇒最大36万円)
④自動点呼機器導入促進助成事業
・導入台数上限の緩和(通常1事業者1 台 ⇒ 1事業者2台)
・助成額上限の増額(通常1台分10万円 ⇒ 2台分20万円)
Gマーク認定によるインセンティブ(損保会社等)
保険料の割引
損害保険会社及び交通共済の一部では、運送保険等において独自の保険料割引を適用しています。詳細については各損害保険会社・交通共済にお問い合わせください。

Gマークの取得要件
Gマークの取得には、次の要件をすべて満たす必要があります。
評価点数が一定以上(安全性評価)
全日本トラック協会が定める安全性評価項目(100点満点)において、合計で80点以上(基準は年度ごとに変動の可能性あり)を獲得する必要があります。
評価項目の例としては法令遵守状況、事故・違反歴、安全性向上の取組みなどがあります。詳細な評価項目や配点基準は年度ごとに公開されています。
法令に基づく認可・届出・報告が適正であること
- Gマークを取得するには申請者(事業者)が次の申請・届出・報告を適正に行っていることが必要です。
- 事業所・営業所名・位置の届け出
- 車両数・種別の届出
- 自動車事故報告書の提出
- 事業報告書・事業実績報告書の提出
- 運行管理者・整備管理者の選任・届出 など
年度ごとに必要な項目は公開された資料で確認が必要です。
社会保険・労働保険への適正加入
法令に基づいて、健康保険・厚生年金保険などの社会保険に適正に加入していることが必要です。従業員が保険対象条件を満たして、保険料の控除・納付が適正に行われている状態が要件となります。
行政処分等による欠格要件に該当しないこと
過去の重大事故や悪質な違反などで行政処分を受けている場合、欠格要件として認定されない可能性があります。この点は評価項目そのものではなく、総合的な適合性審査項目として確認されます。
取得までの方法・申請の流れ
2025年度申請分の一般的な申請手順は以下の通りです。
1. Web申請システムでの申請書類作成
全日本トラック協会が提供する「Gマーク申請Webシステム」で申請書類を作成します。申請書類はシステム上で作成・出力し、必要な添付資料とともに提出します。
2. 申請受付期間
通常、Web申請システムは6月頃に稼働し、申請書類の作成が可能になります。申請期間は例年7月1日~7月14日(受付時間は24時まで)です。期日後の受付は原則受け付けられないため、締切に十分注意しましょう。
3.提出方法
Web申請システムで作成した申請書・自認書を出力し、地方実施機関(各都道府県トラック協会等)へ提出します。窓口または郵送での提出が可能ですが、郵送は申請期間内必着が条件です。
4. 評価と結果通知
申請内容と安全性評価に基づき、評価委員会が審査を行います。結果は12月頃に簡易書留で通知されるのが通例です。
Q&A
まとめを兼ねてQ&Aをつくりました。参考にしてください。



