特殊車両通行制度の指定道路について詳しく解説

コラム

特殊車両通行制度の指定道路について行政書士が国交省の特殊車両ハンドブックなどに準拠して、詳しくわかりやすく解説します。

特殊車両通行制度とは

道路は、一定の重量や寸法などの一般的制限値の車両が安全で円滑に通行できるよう設計されていますが、この一般的制限値を超える車両は、道路の構造や交通に支障を及ぼすおそれがあるために、原則として通行することはできません

ただし、一般的制限値を超える大型車両の通行が必要となる場合があります。その場合、道路管理者が車両の構造、または車両に積載する貨物が特殊であると認める場合に限って、道路の構造を保全ができて、交通の危険を防止するために必要な条件を付した上で、通行を許可する特殊車両通行制度が設けられています。

特殊車両を通行させる場合は、令和4年4月から運用を開始した「特殊車両通行確認制度」または従来の「特殊車両通行許可制度」を利用することになります。

一般的制限値

特殊車両通行許可における「一般的制限値」は、道路法に基づいて道路を走行できる車両の最大寸法(幅2.5m、長さ12m、高さ3.8m)や重量(総重量20t、軸重10tなど)の基準です。この制限値を1つでも超える場合、特殊車両通行許可が必要です。

  • 特殊車両通行許可の一般的制限値(最高限度)は次のとおりです。
    • 幅:2.5m
    • 長さ:12.0m
    • 高さ:3.8m
    • 総重量:20.0t
    • 軸重:10.0t
    • 輪荷重:5.0t
    • 最小回転半径:12.0m

車両制限令(昭和三十六年政令第二百六十五号)からの引用です。

(車両の幅等の最高限度)

第三条 法第四十七条第一項の車両の幅、重量、高さ、長さ及び最小回転半径の最高限度は、次のとおりとする。
一 幅 二・五メートル
二 重量 次に掲げる値
イ 総重量 高速自動車国道又は道路管理者が道路の構造の保全及び交通の危険の防止上支障がないと認めて指定した道路を通行する車両にあつては二十五トン以下で車両の長さ及び軸距に応じて当該車両の通行により道路に生ずる応力を勘案して国土交通省令で定める値、その他の道路を通行する車両にあつては二十トン
ロ 軸重 十トン
ハ 隣り合う車軸に係る軸重の合計 隣り合う車軸に係る軸距が一・八メートル未満である場合にあつては十八トン(隣り合う車軸に係る軸距が一・三メートル以上であり、かつ、当該隣り合う車軸に係る軸重がいずれも九・五トン以下である場合にあつては、十九トン)、一・八メートル以上である場合にあつては二十トン
ニ 輪荷重 五トン
三 高さ 道路管理者が道路の構造の保全及び交通の危険の防止上支障がないと認めて指定した道路を通行する車両にあつては四・一メートル、その他の道路を通行する車両にあつては三・八メートル
四 長さ 十二メートル
五 最小回転半径 車両の最外側のわだちについて十二メートル

重さ指定道路

高速自動車国道、または道路管理者が道路の構造の保全および交通の危険防止上支障がないと認めて指定した道路であり、総重量の一般的制限値を車両の長さおよび軸重に応じて最大25トンとする道路のことです。

なお、幅、長さ、高さの最高限度は上記の一般的制限値と同じです。

軸距

軸距(じっきょ)とは、前輪の車軸中心から後輪の車軸中心までの水平距離(ホイールベース)のことです。

特に、最前部の車軸から最後部の車軸までの距離は「最遠軸距」と呼ばれ、道路・橋梁への負荷を制限するため、最大積載量や車両総重量を決定する重要な基準となります。

最遠軸距が長いほど荷重が分散されるため、より重い荷物を積める計算になります。

最遠軸距が5.5メートル未満の場合は、総重量は20トンまで

最遠軸距が5.5メートル以上7メートル未満で、貨物が積載されていない状態で長さが9メートル以上の場合は、総重量は22トンまで

最遠軸距が7メートル以上で、貨物が積載されていない状態で長さが11メートル以上の場合は総重量は25トンまで

高さ指定道路

高さ指定道路とは道路管理者が道路の構造の保全および交通の危険防止上支障がないと認めて指定した道路であり、高さの一般的制限値を4.1メートルとする道路のことです。

大型車誘導区間の指定道路

大型車誘導区間とは道路の老朽化への対策として、大型車両を望ましい他の経路へ誘導する目的の指定された道路のことです。

高速道路や直轄の国道は、都心部の区間やバイパス整備後の直轄国道の区間などを除いて、原則、全線大型車誘導区間として指定されています。主要な港湾・空港・鉄道貨物駅を結ぶ地方管理道路なども大型車誘導区間として指定されています。

全国の指定道路は下記で確認できます。

重さ指定道路及び高さ指定道路等の状況(ガイドマップ)

重要物流道路

重要物流道路は、平常時・災害時を問わない安定的な輸送を確保するために物流上重要な道路輸送網として国土交通大臣が指定した路線です。国土交通大臣が指定しています。

また、重要物流道路の代替・補完路をあわせて指定し、重要物流道路や代替補完路については災害時の道路啓開・災害復旧を国が代行することが可能となります。

重要物流道路は下記リンク先で確認できます。

関東
https://www.mlit.go.jp/road/sisaku/butsuryu/pdf/knt.pdf

中部
https://www.mlit.go.jp/road/sisaku/butsuryu/pdf/cyb.pdf

近畿
https://www.mlit.go.jp/road/sisaku/butsuryu/pdf/knk.pdf

国際海上コンテナ車(40ft背高)特殊車両通行許可不要区間

「重要物流道路制度」が創設されて、重要物流道路に係る特別の構造基準が規定されたことによって国際海上コンテナを運搬するセミトレーラ連結車は、特別の許可なく道路を通行することができる環境が整いつつあります。

国際海上コンテナ車(40ft背高)は、全長約12m(40フィート)、高さ約2.9m(9ft6inch)の「背高(ハイキューブ)コンテナ」を積載するセミトレーラーで、通常のコンテナより約30cm高く、積載容量が大きいのが特徴です。

一部の道路では国際海上コンテナ車(40ft背高)の特殊車両通行許可が不要となっています。国際海上コンテナ車(40ft背高)特殊車両通行許可不要区間は、下記リンク先で確認できます。

関東
https://www.mlit.go.jp/road/sisaku/butsuryu/pdf/83_knt.pdf

中部
https://www.mlit.go.jp/road/sisaku/butsuryu/pdf/85_cyb.pdf

近畿
https://www.mlit.go.jp/road/sisaku/butsuryu/pdf/86_knk.pdf

Q&A

まとめを兼ねてQ&Aをつくりました。参考にしてください。

なお、当事務所の行政書士法人アラインパートナーズは、特殊車両通行許可申請代行(特車申請代行)を専門に扱っております。全国からのご依頼に対応しており、特車申請の申請件数・対応台数も豊富です。当記事のご質問やご相談・ご依頼をお待ちしておりますのでよろしくお願いいたします。