特殊車両通行許可申請では、特車ポータルサイト(国土交通省)を使って国道・都道府県道・高速道路が混在する場合もまとめて申請することができますし、通行確認制度もオンライン申請できますので詳しく解説します。
大型トレーラーや重量物運搬車両などが通行する場合に必要となる「特殊車両通行許可」ですが、運送会社や建設会社のご担当者から、「国道・県道・高速道路を通る場合は、それぞれ別に申請が必要になるの?」「特車ポータルサイトで一括申請できないの?」「特殊車両通行確認制度も同じサイトで申請できるの?」などの質問を受けることが少なくありません。
特車申請もオンライン化が進み、「特車ポータルサイト」を利用することで、複数の道路管理者にまたがる経路についても、一つのシステム上で申請できるようになっています。
また、一定の条件を満たす場合には、「特殊車両通行確認制度」を利用することで、迅速に通行確認を受けられるケースもあります。
特殊車両通行許可制度と特殊車両通行確認制度の違いを整理しながら、特車ポータルサイトでできることや注意点について、国土交通省の公表情報をもとにわかりやすく解説します。

特車ポータルサイトとは
「特車ポータルサイト」は、国土交通省が運営する特殊車両通行制度のオンライン窓口です。
特殊車両通行許可申請・通行経路表・経路図等の申請書類の作成を支援するための「申請支援システム」と、申請支援システムで作成した申請データを国の申請事務取扱窓口へ送信するための「受付システム」を総称したシステムです。
特殊車両通行許可の申請や、特殊車両通行確認制度の利用申請などをインターネット上で行うことができ、従来よりも申請手続の効率化が図られています。
国土交通省の案内によれば、特車ポータルサイトでは、特殊車両通行許可制度と特殊車両通行確認制度の両方に対応しています。
オンラインシステムの操作マニュアル も参考までご覧ください。
国道・県道・高速道路をまとめて申請できるのか?
通常は一つの申請データでまとめて申請することが可能です。たとえば、国道・都道府県道・市区町村道・高速道路のような経路であっても、特車ポータルサイト上で通行経路を設定し、一括して申請することができます。
特殊車両通行許可制度では、道路管理者ごとに別々の申請書を作成するというよりも、申請された経路情報に基づいて、システム内で必要な道路管理者との協議が行われる仕組みとなっていますので、利用者側で「この道路は国管理だから別申請」「この道路は高速道路会社だから別手続き」という具合に、細かく分けて申請するケースは、現在では多くありません。
高速道路も同じ申請でよいのか?
高速道路についても、特車ポータルサイトを通じた申請対象となっています。
たとえば、NEXCO管理道路や都市高速道路を含む経路であっても、許可申請経路として登録し、申請することが可能です。
ただし、道路によっては個別条件が付される場合があり、経路条件や通行条件を十分確認する必要があります。
特に、重量や幅員条件、夜間通行条件、誘導車条件などが付されることもあるため、許可内容の確認は重要です。
特殊車両通行確認制度も利用できる
特車ポータルサイトでは、「特殊車両通行確認制度」の利用も可能です。
特殊車両通行確認制度は、一定の条件を満たす車両について、従来の個別審査を簡略化し、迅速な通行確認を可能とする制度です。
確認制度は、いわゆる「即時確認型」に近い運用が行われており、対象条件を満たす場合には、比較的短時間で確認結果が得られることがあります。
一方で、すべての道路・すべての車両が対象となるわけではありません。
ただし、特殊車両通行確認制度は、一部の「軽度の特殊車両」だけが対象になります。一般的には総重量25t以下、幅2.5m以内、特例8車種に該当しない車両など、道路へ与える負荷が小さいと判断される車両が対象です。詳しくは次の記事もご覧ください。
特殊車両通行許可制度と特殊車両通行確認制度は別の制度?違いは?許可あれば確認は不要?
通行確認制度の対象となる主な条件
特殊車両通行確認制度を利用するためには、一定の条件を満たす必要があります。
- 特殊車両通行確認制度が利用できる要件の代表的なものは次のとおりです。
- ETC2.0搭載車両であること
- 登録車両であること
- 登録経路であること
- 道路情報便覧に収録された道路であること
そのため、確認制度の対象外道路が含まれる場合や、道路情報が未整備の区間が含まれる場合には、通常の特殊車両通行許可申請による審査が必要になることがあります。
「確認制度」と「許可制度」が混在することもある
実際の運用では、経路全体が確認制度だけで完結するとは限りません。
たとえば、高速道路部分は確認制度の対象であっても、一部の一般道路や市管理道路が確認制度対象外となっているケースがあります。
特に、港湾道路・臨港道路・一部市町村道・新設道路・狭小道路・などでは、通常の許可申請が必要となる場合があります。
そのため、実際には「一部は通行確認制度、一部は通常許可制度」という形になることも珍しくありません。
その場合、どのように処理されるのかですが、たとえば、高速道路部分・国道部分は「特殊車両通行確認制度」の対象になっている一方で、一部市道・港湾道路・未収録道路などが対象外だったとします。この場合、経路全体としては、確認制度で処理できる部分と通常の特殊車両通行許可による審査が必要な部分が混在することになりますが、ユーザーである利用者側は通常通り、同じ特車ポータルサイト上で申請作業を行うことができます。
実際は、確認制度だけで完結しないケースは意外とあります。特に、工場までの最後の市道・港湾ヤード周辺・狭小道路・新設道路などが含まれると、そこだけ通常許可扱いになることがあります。この場合でも、申請自体は特車ポータルから申請するのが一般的です。
特車ポータルサイトの利用拡大が進んでいる
道路情報便覧への収録道路が増加しており、特殊車両通行確認制度で対応可能な範囲も拡大傾向にあります。
道路情報便覧とは、特殊車両が道路を通行する際の許可申請(特車申請)において、道路構造や交通規制の情報を集約したデータベースのことです。
また、自治体道路との連携も徐々にすすめられており、以前に比べるとオンラインで処理可能な道路は増えています。
ただし、自治体によって対応状況に差があるため、個別確認が必要となるケースもあります。
まとめ
特殊車両通行許可は、国道・県道・高速道路をまたぐ経路であっても、現在は特車ポータルサイトを利用して一括申請することが可能です。
また、一定条件を満たす場合には、特殊車両通行確認制度を利用し、迅速に通行確認を受けられる場合もあります。
もっとも、すべての道路が確認制度に対応しているわけではなく、道路条件や車両条件によっては、従来どおり個別審査による特殊車両通行許可が必要になることもあります。
通行経路や道路管理者、車両条件を踏まえて、適切な制度選択と経路確認を行うことが重要です。




