新潟県は、全国でも有数の雪国です。冬の間は除雪や雪害対策、春から秋にかけては道路・河川・インフラの工事と、建設機械(建機)を現場へ運ぶ機会が年間を通じてあります。
建機を回送する場合には、特殊車両通行許可(特車申請)必要になりますし、新潟県では、雪による通行止めや運行計画の変更が、特車許可の経路や工程にも影響してきます。
新潟県の建設会社様や運送会社様に向けて、建機・重機などの回送で特車許可が必要になる理由、雪国ならではの注意点、行政書士ができるサポートなどを解説します。
新潟県の冬と建機回送の特徴
大雪による通行止めが現実に起きる
新潟県では、令和2年12月の記録的な大雪で、関越自動車道で最大約2,100台の車両が滞留しました。翌年1月にも短期間で記録的な大雪となり、長岡市、柏崎市、十日町市、上越市、妙高市、糸魚川市では災害救助法が適用されています。
2026年1月にも、NEXCO東日本が21日から25日にかけて、新潟県や長野県北部の高速道路で「予防的通行止め」を実施する可能性があると発表しました。対象として示された区間には、関越道の月夜野IC~長岡IC、北陸道の朝日IC~柿崎IC、磐越道の津川IC~新潟中央JCTなどがあります。
国土交通省の長岡国道事務所は、管内の国道8号・17号・116号でも大雪による通行止めの可能性を発表し、運送事業者や荷主企業に対して、今後の気象予報を確認し運送日を調整するよう呼びかけました。
国道の除雪体制と、冬用装備の義務
新潟国道事務所は、下越地方の国道7号・8号・49号・113号・116号の約242kmの除雪区間で、24時間いつでも出動できる体制をとっています。
また、雪道の備えが足りない車両の立ち往生も問題になっています。令和2年度には、新潟県内の国土交通省管理道路で194台の登坂不能車両が確認されました。新潟県では、積雪や凍結で滑るおそれのある道路で滑り止めの措置を講ずることが、県の道路交通法施行細則で定められています。

建機の回送で特車許可が必要になる理由
道路法と車両制限令では、車両の寸法・重量に一般的制限値が決められています。一つでも制限を超える車両は、道路管理者の許可(または通行可能経路の回答)が必要です。建設機械類は特殊車両の代表例の一つです。
| 項目 | 一般的制限値 |
|---|---|
| 幅 | 2.5m |
| 高さ | 3.8m(高さ指定道路は4.1m) |
| 長さ | 12.0m |
| 総重量 | 20t(重さ指定道路は25t) |
| 軸重 | 10t |
| 隣接軸重 | 輪距が1.8m以上で20t、1.8m未満で18t |
| 輪荷重 | 5t |
| 最小回転半径 | 12.0m |
油圧ショベル、クレーン、ブルドーザなどをトレーラに積んで運ぶと、幅や高さ、総重量が制限値を超えることが起こりやすくなります。
許可を受けずに、または許可の条件に違反して走行すると、道路法違反となります。新潟国道事務所は過去に、特殊車両の合同取締りで、許可証の不携帯、経路違反、連結車違反、総重量違反、通行条件違反などの指導を行っています。
また、国は、無許可や許可内容違反を繰り返す場合に是正指導を行い、それでも違反が確認された場合には名称や違反内容を公表する取組も始めています。
車両制限令からの引用です。
第二章 道路との関係において必要とされる車両についての制限
(車両の幅等の最高限度)
第三条 法第四十七条第一項の車両の幅、重量、高さ、長さ及び最小回転半径の最高限度は、次のとおりとする。
一 幅 二・五メートル
二 重量 次に掲げる値
イ 総重量 高速自動車国道又は道路管理者が道路の構造の保全及び交通の危険の防止上支障がないと認めて指定した道路を通行する車両にあつては二十五トン以下で車両の長さ及び軸距に応じて当該車両の通行により道路に生ずる応力を勘案して国土交通省令で定める値、その他の道路を通行する車両にあつては二十トン
ロ 軸重 十トン
ハ 隣り合う車軸に係る軸重の合計 隣り合う車軸に係る軸距が一・八メートル未満である場合にあつては十八トン(隣り合う車軸に係る軸距が一・三メートル以上であり、かつ、当該隣り合う車軸に係る軸重がいずれも九・五トン以下である場合にあつては、十九トン)、一・八メートル以上である場合にあつては二十トン
ニ 輪荷重 五トン
三 高さ 道路管理者が道路の構造の保全及び交通の危険の防止上支障がないと認めて指定した道路を通行する車両にあつては四・一メートル、その他の道路を通行する車両にあつては三・八メートル
四 長さ 十二メートル
五 最小回転半径 車両の最外側のわだちについて十二メートル

雪国での注意点
許可は「経路ごと」に交付される
特殊車両通行許可は、通行する経路を指定して交付されます。大雪で予防的通行止めや規制が出ると、許可を取った経路でも通れなくなることがあります。通れない場合に、許可のない別経路を通ることはできません。迂回経路の許可や、変更の申請が必要になることがあります。
冬期に通れない道がある
山間部の道路には、冬期に閉鎖される区間があります。経路の検討では、冬期に通行できるかどうかも確認しておく必要があります。
雪で実質の道幅が狭くなる
除雪後も路肩に雪が残ると、実質の道幅が狭くなる場合があります。幅の広い建機や長尺の車両では、すれ違いや交差点の通過が難しくなります。許可条件(誘導車の配置、通行時間帯など)を守って運行できるか、事前に確認しておきましょう。
工期と許可の逆算が重要
雪解け後は、工事が一斉に始まりだします。工事の開始に間に合わせるには、雪が降る前、または工事が忙しくなる前に申請を済ませておくのが無難です。
道路管理者が複数にまたがる
経路には、国道、県道、市町村道が含まれています。新潟県内では、国の事務所(新潟国道事務所、長岡国道事務所など)、県の担当部署、市町村などが関係してきます。窓口の名称や担当区分は、最新の情報を確認しておいてください。
建機回送の特車申請での注意点
- 建機回送の特車申請での注意点は次のとおりです。
- 経路の選定に時間がかかる: 許可が出る経路を見つけるまで試行錯誤になる
- 審査に日数がかかる: 着工直前に申請すると間に合わない
- 車両諸元の記載ミス: 建機とトレーラを組み合わせた寸法・重量の算定が複雑
- 冬期の通行止めへの対応: 許可経路が使えないとき、どう動くか判断が難しい
- 複数の現場に回送する場合の申請管理: 現場が増えるほど、経路や有効期間の管理が煩雑になる

行政書士のできるサポート
経路の検討と申請書類の作成
車両情報(建機と運搬車両の組み合わせ)、積載物の寸法・重量、出発地と目的地をお聞きして、許可が出やすい経路を検討します。特車ポータルサイトを使って申請書類を作成し、オンラインで申請します。
差し戻し・協議への対応
審査で書類の補正を求められたり、道路管理者との協議が必要になったりした場合も、代理で対応致します。
更新・変更の申請と期限の管理
許可には有効期間があります。繰り返し運ぶ経路は、更新の時期を管理し、期限切れで運べなくならないようにしておきます。通行止めなどで経路を変える必要が出たときも、変更の申請をご相談いただけます。
許可条件の整理
交付された許可証の条件(通行時間帯、誘導車の要否など)を確認して、運行管理者・運転手の方が現場で遵守しやすいようにしています。
関連する手続き
建機の運搬では、特車許可のほかに、車両が保安基準を超える場合の基準緩和の認定(運輸支局)や、積載物が制限を超える場合の制限外積載許可(警察署)が必要になる場合があります。どの手続きが必要かを整理するところから、ご相談いただけます。
保安基準を超える場合の基準緩和の認定とは、車の大きさや重さ、構造などが国の定める保安基準を超えている場合に、安全上や公害防止上に支障がないと認められるとき、地方運輸局長から例外的にその基準の適用除外(緩和)を受けるための認定制度です。
基準緩和認定は、車両そのものの構造や保安基準の扱いを決める制度ですが、特殊車両通行許可は、その車両がどの道路を通行できるかを道路管理者から許可してもらう別の制度です。通常、両方の手続きが必要となることが多いです。
行政書士が対応できないこと
雪の状況の判断や、実際の運行可否の判断は、運行管理者や現場の責任者の方が行うものです。気象や道路の状況を見て、運送日を調整することは、運送事業者・荷主の皆さまにお願いしています。当事務所は、許可の取得と手続き面を支えます。
自社申請と行政書士への代行依頼の違い
| 項目 | 自社申請 | 行政書士への代行 |
|---|---|---|
| 書類作成 | 自社で準備 | 専門家が作成 |
| 経路検討 | 担当者の経験に依存 | 過去の知見をもとに検討 |
| 差し戻し対応 | 自社で対応 | 代行で対応 |
| 更新・変更の管理 | 自社で期限を管理 | 期限管理も含めて対応 |
| 日常業務への影響 | 担当者の負担が大きい | 本業に集中できる |
オンラインで全国から対応できます
特車申請は、特車ポータルサイトを使ったオンライン申請が主流です。行政書士法人アラインパートナーズは事務所が新潟県外にありますが、オンラインで新潟県内の申請にも対応しています。打ち合わせなどは電話・メール・オンライン会議で行います。
ご依頼の流れ
- お問い合わせ(フォームまたはお電話)
- 建機・運搬車両・出発地と目的地のヒアリング
- 経路の検討と見積もり
- 申請書類の作成・オンライン申請
- 審査対応(差し戻しや協議への対応)
- 許可証の納品と条件のご説明
料金の目安はこちらをご確認ください。
行政書士法人アラインパートナーズでは、特車申請の代行を全国で承っています。まずはお気軽にご相談ください。

Q&A(よくある質問)
Q1.新潟県外の行政書士でも依頼できますか?
A.はい。特車申請はオンラインで手続きできるため、事務所の所在地に関わらず行政書士法人アラインパートナーズで対応できます。
Q2.冬の間でも申請できますか?
A.申請はいつでもできますが、冬期は通行止めや規制の影響を受けやすいために、運ぶ日程と経路に余裕を持って、早めに行政書士法人アラインパートナーズまで、ご相談ください。
Q3.以前取った許可の経路が通行止めで使えません。どうすればよいですか?
A.特車許可は経路ごとに交付されているため、そのままでは通行できません。迂回経路の検討や変更申請が必要になることがあります。早めにご相談ください。
Q4.許可を取った経路が大雪で通れなくなりました。どうすればよいですか?
A.許可は経路ごとに交付されているため、許可のない別の経路は通行できません。迂回経路の許可や、変更の申請が必要になることがあります。お急ぎの場合は、早めにご連絡ください。
Q5.行政書士は申請後の審査状況も確認してくれますか?
A.行政書士に申請代行を依頼する場合、申請後の進捗確認や必要な補正対応まで依頼できるケースもあります。依頼する場合には、申請書の作成・提出だけでなく、申請後の進捗確認や補正対応まで含まれているかを確認するとよいでしょう。
Q6.補正を求められた場合、行政書士が対応できますか?
A.はい、申請代行を依頼している行政書士であれば、補正内容を確認し、必要な修正や追加資料の準備などに対応できます。
Q7.道路管理者との協議も行政書士に任せられますか?
A.申請内容や委任の範囲によりますが、特車申請の専門行政書士であれば、必要な協議・確認への対応を含めて依頼できる場合があります。依頼前に対応範囲を確認してください。
Q8.急いでいるのですが、行政書士に依頼すれば必ず間に合いますか?
A.許可を出すのは道路管理者であるため、行政書士に依頼したからといって許可取得を保証できるものではありません。
ただし、早い段階から専門家に依頼することで、申請書類の不備を減らし、補正への対応や審査状況の確認などを速やかに行いやすくなります。
Q9.工事開始日まであまり時間がありません。今からでも依頼できますか?
A.まずは現在の申請状況や工事・配送予定日などを行政書士に伝えて相談することをおすすめします。
すでに申請済みの場合は、申請番号などを確認したうえで現在の審査状況を確認し、補正や追加資料が必要かどうかを確認することが重要です。
Q10.オンライン申請なら自社でも簡単にできますか?
A.オンライン申請は利用できますが、車両情報や経路情報を正確に入力し、必要な資料を準備する必要があります。
国土交通省も特殊車両通行許可のオンライン申請システムを提供していますが、オンライン化によって審査そのものが不要になるわけではありません。
Q11.急ぎの案件でも依頼できますか?
A.できますが、審査の期間は道路管理者の状況にも左右されるため、急ぎの案件ほど、早い段階で経路や日程をお知らせください。
Q12.複数の現場に建機を回送する予定です。まとめて相談できますか?
A.はい。現場ごとの経路と有効期間を整理して、申請を計画的に進めます。




