特車申請代行・代理の行政書士法人アラインパートナーズです。国土交通省は、2026年度(令和8年度)中に「特殊車両通行許可制度」の運用ルールを改定して、トレーラーや大型トラックなどの重量超過や無許可通行に対する取り締まり・刑事告発の基準を大幅に厳格化する方針を打ち出したこともあって、最近、問い合わせで一番多いのが、取り締まりや違反・罰則のお問い合わせです。国交省の記者会見などもありましたし、運送業者様、建設業者様も気にされているのだと思います。
特に高速道路のペナルティのETC大口・多頻度割引の停止なども営業に大きな痛手になるとかよく聞きます。
そこで、独立行政法人 日本高速道路保有・債務返済機構は、高速道路において繰り返し道路法(車両制限令)に違反して是正指導を受けた事業者名などを公表しました。
次のリンク先をご覧ください。埼玉県・東京都・神奈川県・栃木県・三重県の事業者が掲載されています。
繰り返し道路法(車両制限令)に違反し是正指導を受けた事業者名等の公表(現地取締り分)令和8年10月1日時点
なお、10月2日には国土交通省小樽開発建設部も取り締まりを公表しました。
特殊車両の取締りを行いました。
あわせて、日本高速道路保有・債務返済機構、特殊車両通行許可、違反・罰則などについて条文を交えて解説もしておきますので、ぜひ一度、目を通してください。

日本高速道路保有・債務返済機構について
独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構は、日本国内の高速道路(高速自動車国道・自動車専用道路)などの施設を保有しています。
その目的は建設債務の返済を行うことですが、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構法にもとづいて、2005年(平成17年)10月1日設立されました。日本道路公団等民営化関係法施行法によって、道路関係四公団の業務を各道路会社とともに承継しました。略称は高速道路機構です。

特殊車両通行許可とは
特殊車両通行許可とは、車両の重量、高さ、長さ、幅などが道路法で定める一般的な制限を超える場合に、道路管理者の許可を得て高速道路等を通行できるようにする制度です。許可を受けた車両は、指定された条件や経路を守って通行しなければなりません。また、許可を必要としない車両でも、通行の可否について事前に確認する「特殊車両通行確認制度」を利用する場合があります。
(参考)

車両制限令違反車両の取締り
高速道路機構では、インターチェンジや本線料金所などで、車両制限令に定める最高限度を超える車両が、道路管理者の許可を受けずに通行したり、許可条件に違反して通行したりしていないかを、高速道路会社と連携して確認しています。特殊車両通行確認制度の回答内容に従わない通行も取締りの対象です。機構が発行した措置命令は、年間1,000件を超えています。
違反が認められた車両には、原則として高速道路から退出するよう命じます。これは行政処分です。さらに、悪質な違反の場合には、道路構造物への負荷を軽減し、交通事故を防ぐため、積荷を減らすことや、許可を取得するまでの間、通行を中止することを命じる場合があります(道路法第47条の14)。
道路法からの引用です。
(車両の通行に関する措置)
第四十七条の十四 道路管理者は、第四十七条第二項の規定に違反し、若しくは同条第一項の政令で定める最高限度を超える車両の通行に関し第四十七条の二第一項の規定により付した条件に違反し、若しくは第四十七条の十第三項の回答の内容に従わないで車両を通行させている者又は道路において第四十七条第四項の規定による政令で定める基準を超える車両を通行させている者に対し、当該車両の通行の中止、総重量の軽減、徐行その他通行の方法について、道路の構造の保全又は交通の危険防止のための必要な措置をすることを命ずることができる。
2 道路管理者は、路線を定めて道路を自動車運送事業のために使用しようとする者又は反覆して同一の道路に車両を通行させようとする者に対して、当該車両が第四十七条第四項の規定による政令で定める基準に適合しない場合においては、当該基準に適合するように、道路に関して必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。
(参考)
自動軸重計による取締り
自動軸重計とは、走行中の自動車のタイヤ(車軸)にかかる重さ(軸重)を自動で測定する装置です。高速道路機構では、高速道路等を走行した車両の軸重を自動的に計測をしています。ここでいう高速道路などには、東日本高速道路、中日本高速道路、西日本高速道路、首都高速道路、阪神高速道路、本州四国連絡高速道路が管理する高速道路が含まれています。
「軸重超過」の違反を繰り返す事業者に対しては、高速道路会社と連携し、後日、警告を行うことがあります(道路法第47条の14)。
許可証等の備え付け
特殊車両通行許可証(許可証)または回答書は、通行中、必ず車両に備え付けておかなければなりません(道路法第47条の2第6項、第47条の10第7項)。
許可証または回答書を車両に備え付けていない場合、取締りの際に係員が国土交通省のシステムで許可や回答の内容を確認することはあります。ただし、内容を確認できた場合でも、許可証不携帯または回答書不携帯として扱われるため注意が必要です。
- 車両には、次の書類一式を必ず備え付けてください。
- 特殊車両通行許可証一式:許可証、条件書、車両内訳書、経路図、経路表
- 特殊車両通行確認制度の回答書一式:回答書、通行経路条件一覧、通行可能経路マップ、経路確認時の車両一覧表
道路法からの引用です。
(限度超過車両の通行の許可等)
第四十七条の二 道路管理者は、車両の構造又は車両に積載する貨物が特殊であるためやむを得ないと認めるときは、前条第二項の規定又は同条第三項の規定による禁止若しくは制限にかかわらず、当該車両を通行させようとする者の申請に基づいて、通行経路、通行時間等について、道路の構造を保全し、又は交通の危険を防止するため必要な条件を付して、同条第一項の政令で定める最高限度又は同条第三項に規定する限度を超える車両(以下「限度超過車両」という。)の通行を許可することができる。
6 前項の規定により許可証の交付を受けた者は、当該許可に係る通行中、当該許可証を当該車両に備え付けていなければならない。
違反者への指導
高速道路機構では、高速道路会社と連携し、重大な違反を行った運行会社などに警告書を発行しています。繰り返し違反する事業者には是正指導を行い、改善が見られない場合には、機構のホームページで是正指導の内容などを公表することがあります。
公表後も改善が見られない場合には、関係機関と調整したうえで、特殊車両通行許可などの取消しや刑事告発を行うことがあります。

罰則(刑事罰)の種類と適用条文
道路法は、違反内容に応じて以下の刑事罰を定めています。
- 100万円以下の罰金(道路法第104条第1項)では以下のいずれかに該当する者
- 道路法第47条第2項(無許可通行)に違反した者、または特殊車両通行許可条件に違反して車両を通行させた者
- 許可証を車両に備え付けなかった者(道路法第47条の2第6項違反)
50万円以下の罰金(道路法第103条)では、通行中の車両に対する道路管理者の通行中止・軽減命令(道路法第47条の4第1項等に基づく措置命令)に違反した者となっています。
- 30万円以下の罰金(道路法第101条第4号・第5号)では以下のいずれかに該当する者
- 通行禁止・制限が行われている区間に違反して通行した者
- 道路管理者・道路監理員の停止命令に違反した者
両罰規定(道路法第107条)
両罰規定とは、法人の代表者や従業員などが、業務に関連して法令違反を行った場合に、実際に違反行為をした本人だけでなく、所属する法人(会社など)や事業主にも罰金刑などを科す規定のことです。
法人の代表者、または法人・個人の代理人・使用人・従業者が違反行為をした場合、行為者を罰するほか、その法人または個人に対しても同額の罰金が科せられます。
つまり、運転者(従業員)が違反した場合でも、事業会社(法人)も同様に最大100万円の罰金を受ける可能性があります。




