「改正トラック法」と「トラック新法」と呼ばれることが多いですが、わかりづらいという声がありますので、違いについて詳しく解説します。
改正トラック法は、改正貨物自動車運送事業法であって、トラック新法は、トラック事業適正化関連法であり、改正と新設法のセットということになります。
「改正トラック法」とは
「改正トラック法」というのは、主として2025年4月1日施行の貨物自動車運送事業法の改正を指しています。
従来の貨物自動車運送事業法を見直して、強化した法改正であり、「トラック運送事業の適正化」と「労働条件・取引の透明化」を主な目的としています。
背景と目的
「改正トラック法」(貨物自動車運送事業法改正)とは、物流業界の2024年問題(人手不足、長時間労働)に対応して、ドライバーの処遇改善と物流の生産性向上・持続可能性確保を目指す、2025年6月成立の大型法改正です。
物流2024年問題、ドライバー不足や長時間労働が深刻化して、物流が滞るリスクに対応するための法律ということになります。適正な運賃や料金の収受などの問題と過酷な労働環境の改善、物流の持続可能な維持や発展を目指しています。
主な改正内容
2025年4月施行の改正貨物自動車運送事業法で導入された内容です。トラック業界の適正取引、労働条件改善や透明性向上を図る内容となっており、「既存法の見直し」となっています。この改正法のみを「改正トラック法」と呼ぶことがあります。
5年ごとの事業許可更新制の導入、多重下請け構造の是正(2次請けまで)、荷主への規制強化(白ナンバー車規制)、荷待ち・荷役時間削減の義務化などが主な内容です。
・運送契約の書面化義務
運送契約締結時に、内容や条件を記載した書面交付を義務化しました。
・実運送体制管理簿の作成・保存義務
誰が実際に輸送しているかを明確にする体制管理が義務付けられています。
・荷待ち時間や荷役作業の記録管理強化
荷主や運送事業者の管理体制を明確化しています。
・元請け・荷主の適正取引に関する努力義務
適正な運賃・契約関係を確保するための努力が求められます。
・軽トラック事業者に対する規制強化
小規模事業者も対象となる管理の強化があります。

「トラック新法」とは(トラック適正化二法)
「トラック新法」は、2025年6月に成立した法制度で、貨物自動車運送事業法の改正法と「貨物自動車運送事業の適正化のための体制の整備等の推進に関する法律」という新法の2本の法律(トラック適正化二法)をあわせたものを指している呼び名です。
改正貨物自動車運送事業法を含んでおり、それを支えるための新しい制度的枠組みや仕組みをセットにして、業界構造を大きく再編する法律の総称となります。
トラック新法は、2025年6月に成立した「貨物自動車運送事業法」などの改正法案の通称であって、物流業界が抱えるドライバー不足や長時間労働、多重下請け構造といった課題を解決するために、5年ごとの許可更新制の導入、適正原価を下回る運賃の禁止(運賃の適正化)、再委託(下請け)の段階制限、無許可事業者(白トラ)への委託禁止と荷主への罰則強化など、運送業界の構造改革を目的とした法制度です。これにより、ドライバーの処遇改善と業界全体の健全化を目指しています。
背景と目的
物流の「2024年問題」への対応、2024年4月からの時間外労働規制強化(2024年問題)への対応と、その先の物流業界の持続可能性の確保が目的です。
物流業界構造の転換規制でもあります。緩和の流れから一転して、業界の構造的な問題解決のため規制を強化する方向へ舵を切ったものとも言えます。運送事業者と荷主の両方に「適正な取引」と「責任」を求める内容となっています。
新法と改正で導入される主なポイント
許可更新制の導入(5年ごと)
これまで無期限だった事業許可に更新制が導入されて、更新時に法令遵守、安全管理体制、財務状況等が審査対象となります。違反があれば許可が取消されることもあります。
運送事業者は5年ごとに許可更新を受ける必要があり、その時に安全・労務・財務状況などが審査されます。
再委託(多重下請け)構造の制限
原則再委託は2次までに制限する努力義務が明記されています。
運送業務の再委託(下請け)は2次下請けまでに制限されて、違反した荷主にも罰則が適用されます。
適正原価制度(法的下限運賃)の導入
国が告示する「適正原価」を下回る運賃契約が禁止されています。価格ダンピングによる不当な低運賃競争を抑制します。
国が示す「適正原価(ドライバーの賃金、燃料費、車両維持費などを含む)」を下回る運賃での契約は禁止され、荷主も協力義務が課されています。
「白トラ」(無許可車両)規制
無許可の白ナンバー車両に運送を委託することが原則禁止となり、荷主にも責任が生じ、違反時は罰則対象となります。
無許可業者への委託が明確に禁止されて、違反した荷主には罰金などが科される可能性があります。
ドライバー処遇・賃金の改善
労働環境・賃金体系の適正化義務化の方向付けがなされています。
事業者には、適正な賃金や労働条件を確保する法的義務が課され、努力義務だったものが義務化されました。

まとめ:2つとも背景と目的が重要
これらをまとめますと、両方とも、重要なことは、これらは長時間労働の是正とドライバー不足、いわゆる「物流2024年問題」への対応であり、多重下請けによる不透明な取引と過度な運賃切り下げの是正、労働条件と安全性の確保、 運送事業者・荷主間の透明性と信頼性向上を踏まえて、持続可能で健全な物流インフラの構築が法改正の目的です。
物流の「2024年問題」への対応としては、2024年4月からの時間外労働規制強化(2024年問題)への対応と、その先の物流業界の持続可能性と確保が重要でした。
物流業界が社会問題化されたこともあって、政府も危機感を感じて、規制緩和の流れから一転して、業界の構造的な問題解決のために、規制を強化する方向へ舵を切ったというわけです。



