特車申請を急ぐ!特車通行確認制度を使えばいいの?代行代理申請もできる?

コラム

特車申請を急ぐ場合に特車通行確認制度を使うという手もあります。特殊車両通行確認制度は、あらかじめ登録した車両について、道路情報が電子化された道路を対象に、オンラインで通行可能経路を確認できる制度です。

条件を満たす経路であれば、確認後すぐに通行できます。国土交通省も「早い、簡単、便利」な制度として案内しています。

ただし、確認制度で検索できるのは、道路情報が電子化され、道路情報便覧に収録されている道路だけです。出発地や目的地が物流施設、工場、建設現場などの場合、そこまでの最後の区間に未収録道路が含まれていることがあります。

  • 特車申請を急ぐ場合は次のことを確認することが重要です。
    • 確認制度を利用できる経路なのか
    • 未収録道路が含まれていないか
    • 通行確認ではなく通常の通行許可申請が必要なのか
    • 行政書士に代行・代理申請を依頼したほうがよいのか

特車通行確認制度がどのような場合に使えるのか、未収録道路がある場合はどうするのか、そして急ぎの特車申請を行政書士に代行・代理申請してもらえるのかを解説します。

*未収録道路とは、特殊車両(特車)の通行許可申請で参照されるデータベース「道路情報便覧」に、まだ登録・収録されていない道路のことです。

特車申請が間に合わない場合の確認制度

従来の特車許可制度である特殊車両通行許可の標準処理期間は、道路情報便覧に収録された道路のみを通る経路で、他の道路管理者との協議が不要な場合、新規申請・変更申請でおおむね3週間以内、更新申請でおおむね2週間以内とされていますが、経路に未収録道路が含まれる場合や、個別審査(限度算定要領の基準を超える場合など)が必要な場合は標準処理期間の対象外となり、他の道路管理者との協議に時間を要するため、2か月程度かかることもあります。

そこで、急ぐ時の「特殊車両通行確認制度」ですが、オンラインシステムによって、自動で経路を判定し、即時に通行可否が回答されるため、うまく使えれば申請から結果まで数分~数時間で終わってしまいます。ただし、この制度にはいくつもの適用条件があり、「急いでいるからとりあえず確認制度を使えばいい」という単純な話ではありません。

特殊車両通行確認制度

特殊車両通行確認制度は、道路法等の一部改正(令和2年法律第31号)により創設され、2022年4月1日から運用が始まった制度です。従来の「許可制度」とは別の枠組みで、次のような特徴があります。

・あらかじめ車両情報とETC2.0車載器を登録する必要がある(車両登録手数料は1台あたり5,000円・5年間有効、トレーラは手数料不要)

・積載貨物情報や出発地・目的地を入力すると、システムが自動で通行可能経路を検索し、即時に地図上で回答する

・経路確認自体にも手数料がかかり、2地点間を双方向2経路検索する場合は確認1件につき600円、都道府県単位でのマップ検索の場合は都道府県あたり400円などの区分がある

・対象となるのは、道路情報が電子データ化されている道路(いわゆる「収録道路」)に限られる

    制度の詳細や登録手続きは、国土交通省と登録確認機関である特車登録センターの公式サイトで案内されています。

    確認制度のメリット

    確認制度のメリットは、即時回答と審査待ちなしです。

    確認制度の最大の利点は、申請ではなく「確認」という制度なので道路管理者による個別審査を経ずに、システム上で即座に通行可否がわかる点にあります。

    従来の特車許可制度では新規・変更で3週間以内、更新でも2週間以内という標準処理期間がかかりましたが、確認制度では車両登録さえ済ませておけば、経路検索・確認自体は短時間で完了します。急な配送依頼や工事日程の変更にも対応しやすいというのは事実です。

    実は「使えない」ケースのほうが多い?

    ただし、確認制度には限界があり、見落とされがちな制約があります。

    対象道路が「収録道路」に限定

    確認制度が使えるのは、道路の幅員や交差点の折進条件などの詳細情報が「道路情報便覧」にデータとして収録されている道路だけです。

    高速道路や国道など主要な幹線道路では収録がすすんでいますが、都道府県道・市町村道、特に生活道路や工事現場・倉庫の出入口に近い枝道などでは、いまだデータ化されていない「未収録道路」が数多く残っています。

    未収録道路を1区間でも含むと確認制度は使えない

    出発地から目的地までの経路のうち、たとえ一部区間でも未収録道路(未採択道路)が含まれていれば、その経路は確認制度の対象外となり、道路管理者との個別協議(従来の許可制度)が必要になります。

    実際、未収録道路を含む場合や個別審査となる場合は標準処理期間の適用対象外となり、2か月程度かかることもあると国土交通省の資料でも案内されています。

    実際の運行では、幹線道路を降りてから現場や倉庫までの「ラストマイル」区間が未収録であるケースが非常に多いので、急ぐからといって、確認制度を使えない最大の原因です。

    「幹線道路なら使える」と考えるのは危険

    確認制度について、「国道などの幹線道路なら使える」「一般道なら使えない」と単純に考えるのも正確ではありません。その道路が道路情報便覧に収録されているかどうかが重要です。

    国土交通省は道路情報の電子化を進めており、国道や主要地方道だけでなく、一般都道府県道、市町村道についても電子化をすすめていますが、国土交通省の資料では、物流施設や港湾などにつながる「ラストマイル」の道路に未収録道路が残っていることが課題として示されています。

    幹線道路は収録されているが、目的地直前の道路が未収録というケースが問題になります。

    たとえば、高速道路・国道→主要地方道→市道→工場・建設現場というルートの場合、最後の市道などが未収録だと、確認制度だけでは目的地までの経路を完結できない可能性があります。

    対象車両・対象貨物にも条件がある

    確認制度を利用できるのは、ETC2.0車載器を登録した車両で、かつ特例8車種など一定の車種・積載貨物に該当する場合が中心です。分割不可能な建設機械やプラント機材など、特殊な形状・重量の貨物を積む車両では対象外となることもあります。

    橋梁照査など個別の構造確認が必要な経路も対象外

    橋梁やトンネルの構造上、個別に強度確認(橋梁照査)が必要な区間は、システムによる自動判定になじまないため、確認制度の対象から外れます。

    幹線道路のみを走る一部の運行を除けば、実際の申請では確認制度を検討したが未収録道路が含まれていて使えず、結局は通常の許可申請に切り替えたということも多くあります。

    確認制度が使えない場合

    確認制度の対象外とわかった場合は、従来からの「特殊車両通行許可制度」で申請するほかありません。

    特車許可制度は全国のすべての道路・すべての特殊車両に対応していますが、道路管理者ごとの個別審査が必要なため、標準処理期間(新規・変更で3週間以内、更新で2週間以内、他道路管理者との協議が必要な場合はそれ以上)を踏まえたスケジュール管理が必要になります。

    手数料は、国が道路管理者となる場合は一通行経路ごとに200円(車両制限令第16条)、地方公共団体が道路管理者となる場合はそれぞれの条例で定める額となります。

    急いでいるから確認制度と考えていたのに、経路の一部が未収録道路だったために結局は通常の許可申請となり、スケジュールが後ろ倒しになる、というのはよくある事例です。

    特車申請の代行・代理は行政書士に依頼できる

    特殊車両通行許可・確認制度どちらの手続きも、行政書士に代行・代理を依頼することができます。経路上のどこが未収録道路にあたるか調べたい、確認制度と許可制度のどちらで申請すべきか判断したい場合、個別審査(許可制度)に切り替わった場合の書類作成・道路管理者とのやり取りを任せたい場合に行政書士に依頼することで判断ミスによるスケジュール遅れを防ぎやすくなります。

    行政書士法人アラインパートナーズでも、確認制度の車両登録代行から、未収録道路を含む経路の従来型許可申請まで、事業者の運行実態に合わせたサポートを行っています。

    Q&A(よくある質問)

    Q1.特車通行確認制度なら、すぐに特車を走らせられますか?

    A.条件を満たす経路であれば、確認後すぐに通行できますが、道路情報が電子化されている道路が対象であり、未収録道路は検索対象外です。

    Q2.確認制度は国道などの幹線道路だけが対象ですか?

    A.いいえ、幹線道路かどうかだけで決まるわけではありません。

    一般都道府県道や市町村道でも、道路情報が電子化されて収録されていれば対象となり得ます。未収録道路は確認制度の検索対象になりません。

    Q3.未収録道路があると、確認制度は使えませんか?

    A.未収録道路を含む経路について、その道路を確認制度で検索することはできません。国土交通省のFAQでも、未収録道路は検索されないと明記されています。

    Q4.未収録道路がある場合、特車を通行させることはできませんか?

    A.いいえ、通常の特殊車両通行許可制度によって対応できる場合があります。

    確認制度が利用できないから特殊車両の通行ができないということはありません。経路や車両条件について道路管理者の審査を受け、許可を得れば通行できます。

    Q5.特車通行確認制度を行政書士に代行・代理申請してもらえますか?

    A.代理人による手続きができます。国土交通省の確認システムには代理人申請の仕組みがあります。

    また、特殊車両通行許可についても、国土交通省の資料で行政書士等の代理人による申請が案内されています。

    Q6.行政書士に依頼すれば、特車の許可が早くなりますか?

    A.行政書士に依頼したからといって、道路管理者による審査そのものが短縮されるとは限りませんが、車両情報の整理、経路確認、申請書類の作成、オンライン申請、補正対応などを任せられるため、申請者側の手続き負担を減らし、申請準備をスムーズにすすめられるというメリットがあります。

    Q7.特車申請を急いでいる場合、何を行政書士に伝えればいいですか?

    A.車検証の情報・車両諸元・積載物・出発地・目的地・希望する通行経路・通行予定日
    往復か片道かなどを伝えます。

    経路や車両によって必要となる資料は異なるため、早めに相談することをおすすめします。

    Q8. 特殊車両通行確認制度と従来の許可制度、どちらが早いですか?

    A.対象道路・対象車両の条件を満たせば確認制度のほうがかなり早く、即時に通行可否がわかります。

    従来の許可制度は標準処理期間だけでも新規・変更で3週間以内、更新で2週間以内かかり、未収録道路を含む場合はさらに長期化します。ただし確認制度の条件を満たさない場合は、そもそも確認制度自体が使えません。

    Q9. 自分の運行経路が確認制度の対象かどうか、調べる方法はありますか?

    A.特車登録センターのウェブサイトでは、車両登録前でも試しに経路検索ができる「お試し経路検索」機能が用意されています。本申請の前に一度確認しておくと安心です。

    Q10. 未収録道路とは具体的にどんな道路ですか?

    A.道路の幅員や交差点の折進条件などの詳細情報が、国が管理する「道路情報便覧」にデータとして登録されていない道路のことです。都道府県道・市町村道や、現場・倉庫周辺の生活道路に多く見られます。

    Q11. 確認制度が使えないとわかった場合、最初から申請し直しになりますか?

    A.確認制度用に登録した車両情報自体は許可制度でも参考になりますが、申請の手続き自体は道路管理者への許可申請として改めて行う必要があります。

    未収録道路を含む場合は標準処理期間の対象外となり2か月程度かかることもあるため、早めに切り替えを判断するほどスケジュールへの影響を抑えられます。

    Q12. 確認制度・許可制度どちらの手続きも行政書士に任せられますか?

    A.できます。経路調査の段階からどちらの制度に該当するかを見極めたうえで、車両登録や許可申請書類の作成、道路管理者とのやり取りまで一括して依頼できます。

    参照先

    国土交通省「特殊車両通行制度について」
    国土交通省「手続における案内情報(特殊車両通行許可申請)」(手数料:一通行経路ごとに200円 等)
    国土交通省近畿地方整備局「受付から許可証発行までに要する期間について」(標準処理期間:新規・変更3週間以内、更新2週間以内/未採択道路や個別審査の場合は2か月程度)
    国土交通省九州地方整備局「特殊車両通行確認制度」(車両登録手数料・経路確認手数料の詳細)
    特車登録センター(一般財団法人道路新産業開発機構)

    公益社団法人全日本トラック協会

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