車両を入れ替えたら特殊車両通行許可はどうなる?変更申請を行政書士が解説

コラム

特車許可を持つ運送会社や建設会社では、トラックやトラクタ(ヘッド)を買い替えたり、入れ替えたり、新しいトレーラーを追加する場合がありますが、現在の特車許可がそのまま使えるのか、それとも変更申請が必要なのかというご質問があります。

現在の許可証をそのまま使えない場合があります。

車両の交換であれば「変更申請」をしなければならないことがあり、車両の追加は、トラクタ・単車の追加など、内容によっては新規申請として扱われる場合があります。

また、新しい車両の重量・寸法・軸数などの諸元が以前の車両と違う場合には、同じ扱いにはなりません。車両の入れ替え・追加を行った場合の特車申請について具体的に解説します。

車両を入れ替えたら特殊車両通行許可の変更申請が必要か?

現在の特殊車両通行許可の車両を、新しい車両に入れ替える場合、国交省の資料では、車両の交換(車両の買い替え等)は変更申請に該当する例となっています。

古いトラックを廃車して新しいトラックに交換、古いトラクタを新しいトラクタに交換した場合、トレーラを新しいトレーラに交換した場合などは、変更申請を検討することになります。

<ポイント>

重要な点は新しい車両の「諸元」です。単純にナンバーだけが変わった場合と、車両の重量や寸法などが変わった場合では、申請が異なります

車両を買い替えただけのだから、今の許可証をそのまま使えるとは判断できません

車両の「入れ替え」と「追加」

特車通行許可では、車両の交換と車両の追加を同じではありません。国土交通省の資料でも、変更申請の範囲として車両の交換・減少のほかに一定の条件を満たすトラクタ・単車やトレーラの追加も示されています。

また、車両台数を増やす場合には、申請する車両の種類や諸元によって新規申請となる場合もあります。

ただし、この場合でも、既存の許可車両と新たに追加する車両の諸元などについて一定の条件を満たす必要があります。

車両を追加するから変更申請と単純に判断するのではなく何の車両を追加するのか、既存車両と諸元が同じなのか、既存の許可内容を維持できるのかを確認する必要があります。

車両を買い替える場合の確認

車両を入れ替える場合は車両諸元を確認すべきです。

  • 車両を買い替える場合の確認事項は次のとおりです。
    • 車両総重量
    • 最大積載重量
    • 車両の長さ
    • 車両の幅
    • 車両の高さ
    • 軸数
    • 軸重
    • 軸距
    • 車種区分
    • トラクタ・トレーラの組み合わせ
    • 自動車登録番号など

<ポイント>

新しい車両が古い車両と同じようであっても車両諸元が違うことがあります。トレーラーは、トラクタとの組み合わせによって連結時の諸元が変わるため、車両単体だけで判断しないようにします。

車両の諸元が変わらない場合

もちろん、新しい同等車両に入れ替えたとしても新しい車両が寸法・重量・軸数・軸重、その他の許可に関係する諸元などが既存の許可内容と同じであれば、車両交換として変更申請を行える可能性があります。

国土交通省の資料でも諸元変更なしの車両の交換は変更申請の対象として書かれています。

また一定の条件を満たす場合には軽微な変更申請として優先処理の対象となる場合がありますが、軽微な変更に該当するかどうかは、許可内容や車両の種類などを確認する必要があります

軽微な変更と通常の変更申請の違い

  • 特車申請の軽微な変更では次の例があげられます。
    • 許可を受けた車両の諸元(寸法・重量など)が変わらない範囲でのナンバー変更(同型車両への入れ替え)
    • 申請者(会社名・代表者名・住所など)の変更
    • 単車・トラクタ・トレーラの「台数追加」

これらは車両の走行性能や道路への影響が実質的に変わらないため、審査を簡略化した優先審査の扱いとなり、通常の新規申請よりも短期間で許可証が発行される運用になっています。単車・トラクタ・トレーラの台数追加についても軽微な変更申請として優先的に処理される制度運用がすすめられてきました。

  • 特車申請の通常の変更申請が必要な場合は次の例があげられます。
    • 車両の長さ・幅・高さ・総重量・軸重など、走行性能に関わる諸元そのものが変わる入れ替え
    • 通行経路の変更(災害等による迂回を含む)
    • 連結する車両の組み合わせが変わり、最小回転半径や軌跡が変わる場合

この場合、新規申請とほぼ同様の審査(通行経路上の道路構造やトンネル・橋梁の条件との照合など)が必要になるため、国交省の資料でも標準的な処理期間の目安が示されています。

車両の諸元が変わる場合

新しく購入した車両が以前の車両よりも大きいとか、重いなど、許可に関係する諸元が変わっている場合、単純な車両番号の変更として処理できるとは限りません。

許可を受けた車両の諸元と新しい車両の諸元を比較して、現在の許可内容で新しい車両を走行させることができるのかを確認する必要があります。場合によっては、変更申請ではなく新規申請として手続きを行う必要があります。

トラクタ(ヘッド)を追加した場合

トラクタ(ヘッド)を増車する場合、簡単に現在の許可証へ車両番号を追加すればよいとは限りません。

国土交通省の「特殊車両通行ハンドブック」では、諸元変更のないトラクタ・単車の追加について、変更申請として扱う場合の条件が示されています。

既に2台の許可を受けていて1台を追加する場合、申請書には既存2台と追加する1台を合わせた車両台数を記載するなど、所定のルールがあります。

また、既存の許可証に記載された車両諸元と、新たに追加する車両の諸元が同一であることなども確認する必要があります。増車は、何でも変更申請できるわけではありませんので注意が必要です。

トレーラーを追加した場合

トレーラーは、一定の条件を満たす場合には追加の手続きを簡略化できる場合があります。

国土交通省の資料では、既に許可を受けた通行経路について、同一車種のトレーラを追加し、追加後の車両諸元が既存の許可値と同一である場合などについての軽微な変更申請として扱う仕組みが示されています。

ただし、追加するトレーラの車両諸元・既存の許可証に記載された諸元・通行経路・許可期間・車種・車両番号などを確認する必要があります。条件から外れる場合は、通常の変更申請や新規申請が必要になる可能性があります。

「車両交換」と「車両追加」の違い

車両に変更があった場合は、次のように考えると分かりやすくなります。

ケース手続きの考え方
古い車両を新しい車両に交換変更申請となるケースがある
車両を減らす変更申請となるケースがある
トラクタ・単車を追加条件によって変更申請または新規申請
トレーラを追加条件によって変更申請・軽微な変更など
新車の諸元が以前と異なる現在の許可内容で走行できるか要確認
経路も変更する車両変更とは別に経路変更の確認が必要
許可期間だけ更新する更新申請

国土交通省の資料でも、更新は許可期間のみを更新する場合で、変更は更新以外の一定の変更とされています。

したがって、車両交換と同時に経路や重量などにも変更がある場合は、単純な「車両交換」として考えないほうが安全です。

車両交換の変更申請で準備するもの

  • 変更申請をする場合、次のような資料を準備します。
    • 現在の特殊車両通行許可証
    • 新しい車両の車検証
    • 車両諸元が分かる資料
    • 車両の登録番号
    • 現在の通行経路
    • 現在の許可番号
    • その他、変更内容を確認できる資料

国土交通省の特殊車両通行許可申請書類作成要領でも、変更申請では変更内容に応じた書類を提出することとされています。

実際に必要となる書類は、変更内容や申請先によって異なるため、事前に確認しておくと安心です。

オンラインでの特車許可の変更申請

オンライン申請では、変更申請を選択して変更内容を入力する仕組みになっていますが、すべての変更を同じ方法で処理できるわけではありません。

また、申請内容によっては道路管理者との確認や協議が必要になる場合もあります。

国土交通省のオンライン申請関連資料では、車両交換、車両台数の減少、トレーラ台数の増加、通行経路変更など、変更申請で扱える内容が記載されています。

車両交換と同時に経路を変更する場合

車両の買い替えと同時に、新しい車両を購入して、通行ルートも変更したい場合などです。
この場合は、単純な車両交換だけではありません。車両の諸元変更に加えて、通行経路についても道路条件を確認する必要があります。

特に重量や寸法が大きくなった場合、以前は通行できた経路でも、新しい車両では通行条件が変わる可能性がありますので、車両変更では新しい車両の諸元確認して、通行経路の再確認という順番でチェックします。

行政書士へ相談する

車両の買い替えは、納車されてから特車申請を考えるのではなく、購入・入れ替えが決まった段階で行政書士に相談した方がよいでしょう。

あらかじめ現在の許可証と新しい車両の諸元を確認しておけば、必要な申請を早めに準備できます。

行政書士法人アラインパートナーズは、特殊車両通行許可申請を専門に扱う行政書士法人です。車両の買い替えや増車など、現在取得している特車許可に変更が生じた場合についてもご相談いただけます。

  • 行政書士法人アラインパートナーズは次の特車申請に関する手続きを全国対応でサポートしています。
    • 車両交換に伴う変更申請
    • 車両追加に伴う申請
    • トレーラーの追加
    • 車両の減少
    • 通行経路の変更
    • 特殊車両通行許可の更新
    • 新規の特殊車両通行許可申請など

ご依頼では車検証や現在の許可証などの資料をお送りいただき、車両や経路の内容を確認したうえで、必要な申請方法をご案内します。書類のやり取りから申請までオンラインですすめることもできます。

現在の許可証と新しい車両の車検証をご用意いただき、車両の入れ替えや追加の内容を確認し、必要な手続きを行政書士がご案内します。

車両交換・増車に伴う特殊車両通行許可の変更について分からない場合は、特車申請を専門に扱う当事務所にご相談ください。

Q&A(よくある質問)

Q1)トラックを買い替えたら特殊車両通行許可は取り直しになりますか?

A1)いいえ。必ずしも新規申請になるわけではありません。国土交通省の資料では、車両の交換は変更申請に該当する例として整理されています。ただし、新しい車両の諸元や変更内容によって扱いが変わるため、現在の許可証と新しい車両の諸元を確認する必要があります。

Q2)古いトラックと同じ車種なら、特車許可はそのまま使えますか?

)いいえ。車種が同じというだけでは判断できません。車両総重量、軸数、軸重、長さ、幅、高さなど、許可に関係する車両諸元を確認する必要があります。

Q3)トラクタを1台増車した場合は変更申請ですか?

)条件によって変更申請として扱える場合があります。国土交通省の資料では、諸元変更のないトラクタ・単車の追加について変更申請の範囲が示されています。ただし、既存の許可内容と追加車両の諸元などが一定の条件を満たす必要があります。

Q4)トレーラを1台追加した場合はどうなりますか?

)一定の条件を満たす場合、トレーラの追加を変更申請として扱える場合があります。特に、既に許可を受けている車両と同一車種で、追加後の車両諸元が既存の許可値と同一である場合などには、軽微な変更として扱われる仕組みがあります。

Q5)新しいトラクタのほうが以前の車両より重い場合は?

)注意が必要です。単純な車両交換として処理できるとは限りません。新しい車両の諸元によっては現在の許可内容では対応できず、新規申請が必要になる可能性があります。

Q6)車両を入れ替えると同時に通行経路も変更できますか?

)可能ですが、車両交換だけの場合とは異なり、変更する経路についても確認が必要です。特に車両の重量や寸法が変わる場合は、新しい車両でその経路を通行できるかを確認する必要があります。

Q7)車両を買い替えたら、いつから新しい車両で走れますか?

)必要な変更手続きがある場合は、手続きを確認したうえで運行を開始することが重要です。現在の許可証に記載されている車両とは別の車両について、以前の許可証だけを根拠に走行できると自己判断するのは避けましょう。

Q8)車両変更の申請はオンラインでできますか?

)特殊車両通行許可にはオンライン申請システムがあり、変更申請にも対応しています。ただし、変更内容によって手続き方法や必要書類が異なる場合があります。

Q9)車両を入れ替える前に行政書士へ相談できますか?

)はい。むしろ、車両の納車・入れ替え前に相談することをおすすめします。新しい車両の車検証や諸元資料、現在の特殊車両通行許可証などを確認することで、必要な申請を事前に判断できます。

Q10)車両変更の特殊車両通行許可申請を行政書士に依頼できますか?

)はい。行政書士法人アラインパートナーズでは、特殊車両通行許可を専門に、車両交換・車両追加・経路変更・更新・新規申請などの手続きを全国対応でサポートしています。車検証や現在の許可証などをオンラインでお送りいただき、申請内容を確認することも可能です。

Q11)同じ型式のトラックに買い替えただけでも変更申請は必要ですか?

)車検証上の型式・諸元(長さ・幅・高さ・重量など)が一致する同型車両への入れ替えであっても、許可証に記載されているのは車両そのもの(車台番号・登録番号等)であるため、原則として変更申請(多くの場合は軽微な変更)が必要です。

Q12)増車の場合、既存の許可をそのまま使うことはできますか?

)できません。包括申請で複数車両を許可対象としている場合でも、追加する車両を許可対象に含めるには変更申請(台数追加)の手続きが必要です。台数追加は軽微な変更として優先的に処理される運用となっていますが、手続き自体は省略できません。

Q13)変更申請中に、車両入れ替え前の許可証で走行を続けても問題ありませんか?

)入れ替え前の車両で、入れ替え前の許可証の有効期限内に走行する分には問題ありませんが、入れ替え後の新しい車両は、変更後の許可証(または確認番号)が発行されるまでは、対象の許可経路を走行することはできません。

Q14)連結するトレーラーだけを別のものに変えた場合も変更申請は必要ですか?

)必要です。けん引車・被けん引車の組み合わせが変わると、連結時の長さや最小回転半径などが変わる可能性があり、通行条件の再確認が必要になるため、通常は新規申請に準じた審査を伴う変更申請の対象となります。

Q15)変更申請は自社でできますか?

)できますが、軽微な変更に該当するかどうかの判断や、通行条件が変わる場合の書類作成には専門知識を要するため、判断に迷う場合や、車両入れ替えの頻度が高く手続きの手間を減らしたい場合は、当事務所などにご相談ください。

参照先

国土交通省「特殊車両通行許可申請書類作成要領」
車両交換、車両台数の増加、変更申請・新規申請などの基本的な区分について確認できます。

国土交通省 中部地方整備局「特殊車両通行ハンドブック」
車両の交換・追加・減少、軽微な変更申請などについて、具体的な説明があります。

国土交通省「申請者向け 特殊車両オンライン申請」
トレーラ追加などの軽微な変更申請について確認できます。また、特殊車両通行許可のオンライン申請や変更申請に関する情報を確認できます。

全日本トラック協会「特殊車両通行許可制度等について」
特殊車両通行制度、国土交通省の関連資料などをまとめて確認できます。

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