特殊車両通行許可制度と特殊車両通行確認制度は別の制度?違いは?許可あれば確認は不要?

コラム

特殊車両通行許可制度と特殊車両通行確認制度は別の制度です。確認制度は「許可制度の代わりになる簡易版」ではなく、条件を満たす車両だけが利用できる別の制度です。詳しく解説します。

両制度は別の制度

特殊車両通行許可制度は、道路法に基づく原則の制度です。ほぼすべての特殊車両が対象になりますが、特殊車両通行確認制度は2024年に創設された特定条件の車両だけ使える簡易制度です。

確認制度が制度としてつくられても、許可制度は廃止されていません。確認制度は許可制度の代替ではなく、対象が非常に限定されているからです。

2つの制度の主な違い

制度の目的が違う

特殊車両通行許可制度は、道路に過度な負荷がかかる車両を事前審査するための「原則の制度」です。すべての道路管理者から許可を得ることを目的としています。

特殊車両通行確認制度は、ETC2.0の走行データを利用して、道路に大きな影響を与えない軽度の特殊車両のみが対象となっています。許可を簡素化する制度という位置づけです。許可ではなく適合しているかの確認が目的になります。

対象車両が違う

許可制度は、ほとんどすべての特殊車両が対象になります。重量物運搬トレーラー、大型セミトレーラー、特殊な重機積載車など、基準を超える車両全般が対象です。

確認制度は、ごく一部の「軽度の特殊車両」だけが対象になります。一般的には総重量25t以下、幅2.5m以内、特例8車種に該当しない車両など、道路へ与える負荷が小さいと判断される車両が対象になるだけです。

特例8車種とは、通常の制限値を超える車両制限令の特例が適用される連結車のことです。特例5車種と追加3車種を合わせたもので、具体的にはバン型、タンク型、幌枠型、コンテナ用、自動車運搬用(特例5車種)と、あおり型、スタンション型、船底型(追加3車種)を指しています。

国土交通省の資料からの抜粋です。
https://www.mlit.go.jp/kisha/kisha03/06/061001_2/02.pdf

特殊車両(特例8車種)とは、以下の種類のセミトレーラ連結車及びフルトレーラ連結車をいいます。
1)バン型(オープントップ型を含む)
2)タンク型(ミキサー車、粉粒体運搬車等を含む)
3)幌枠型
4)コンテナ用
5)自動車の運搬用
6)あおり型(貨物の落下を防止するために十分な強度のあおり及び固縛装置を有するものに限る)
7)スタンション型(貨物の落下を防止するために十分な強度のスタンション及び固縛装置を有するものに限る)
8)船底型(貨物の落下を防止するために十分な深さ、強度を有する貨物の支え台及び固縛装置を有するものに限る)

手続きの方法が異なる

特殊車両通行許可制度と特殊車両通行確認制度では方法が違っていますのでまとめました。

  • 特殊車両通行許可制度の手続き方法は次のとおりです。
    • 経路図を作成
    • 車両諸元を細かく入力
    • 道路管理者複数から順に審査
    • 許可証が発行
    • 申請から1~3ヶ月かかることもある
  • 特殊車両通行確認制度の手続き方法は次のとおりです。
    • 経路申請不要
    • ETC2.0プローブ情報をもとに自動判定
    • 許可証は発行されず「確認結果通知」のみ
    • 手続きが数分~数日で完了

ETC2.0プローブ情報とは、ETC2.0対応の車載器を搭載した車両が、路側機(ITSスポット)の下を通過する際に自動的に収集される走行データです。具体的には、車両の位置、速度、急ブレーキ、急ハンドルなどの「走行履歴」と「挙動履歴」が含まれます。このデータは、渋滞の分析や道路交通管理、安全対策などに活用されます。

法的に異なる

特殊車両通行許可制度と特殊車両通行確認制度では方法が違っていますのでまとめました。法的など制度上の建て付けが異なっています。

  • 特殊車両通行許可制度の法制面の特徴は次のとおりです。
    • 道路管理者の「行政処分」
    • 許可証の携行義務あり
    • 違反すれば「通行禁止違反」として罰則の対象
  • 特殊車両通行確認制度の法制面の特徴は次のとおりです。
    • 行政処分ではなく制度上の確認
    • 許可証はない
    • 確認結果が適合であれば通行可能

確認制度は「法律上の許可」ではありません。

制度の位置づけ

特殊車両通行許可制度は、今後もずっと続く予定の従来どおりの制度ですが、確認制度は軽度の特殊車両だけが利用できる簡素化された制度です。

確認制度ができたからといって許可制度がなくなるわけではなく、むしろ「適用できる車両はかなり限定されるため、多くの車両は従来の許可制度を利用ということになります。

まとめ

制度名内容対象手続き法的性格
特殊車両通行許可制度原則制度。道路への影響が大きい車両を許可制で管理ほぼ全特殊車両経路申請・許可証発行・審査必要行政処分(許可)
特殊車両通行確認制度軽度の特殊車両のみ対象の簡易制度一部の軽度特殊車両(ETC2.0搭載)経路申請不要。過去走行データで判定行政処分ではない(確認)

特殊車両通行許可があれば、特殊車両通行確認は不要か?

特殊車両通行許可があれば、特殊車両通行確認制度の手続きは不要です。ただし条件があります。

原則としては許可制度と確認制度はどちらか一方でよい

許可制度は、従来どおりの通行許可であり、原則の制度ですが、確認制度は、一部の軽度特殊車両だけが使える簡易制度です。既に特殊車両通行許可を取得している経路については、確認制度の手続きを追加で行う必要はありません

確認制度で通行できている車両・経路には、許可制度の経路申請を行わなくても走行できます。

確認制度は「許可制度の代わりに使える仕組みなので、特定条件を満たす軽度の特殊車両に対し、「許可」ではなく「確認」に置き換えて、通行を認める制度です。

すでに許可を取得している場合は、その許可に従って走行すればよいので、追加で確認制度に申請する必要はありません。

実務上の注意点

  • 特殊車両通行許可制度のほうが対象が広いので、次のような場合は確認制度は使えません。
    • 特例8車種に該当する車両
    • 総重量25tを超える
    • 幅2.5m超、高さ3.8m超、長さ12m超
    • ETC2.0を搭載していない
    • 過去のプローブ情報が不足している

これらの車両は従来の許可制度を利用する必要があります。

大型平トレーラー、重量が軽めの特殊車両、ETC2.0搭載車、過去の運行実績が多いといった条件の車両は、確認制度での運用が適する場合があります。