令和7年(2025年)の特殊車両通行許可(特車)制度の主な(法)改正点まとめ

コラム

2025年も終わりを迎えて令和7年(2025年)の特殊車両通行許可(特車)制度の主な改正点について、まとめて詳しく解説します。

今年は物流業界における2024年問題への対応や、深刻な人手不足、そして脱炭素社会の実現に向けた効率化などが今回の改正の背景となりました。

特車の対象拡大

特車の対象が拡大されて、ダブル連結トラックが「特車確認制度」になりました。今年の改正で最も注目すべき点は、ダブル連結トラック(全長最大25m)が特殊車両通行確認制度(特車PR)の対象に含まれたことです。

背景と制度区分

従来の特車制度は、通行許可制度が中心で、道路法の車両制限令に該当する車両について道路管理者に通行許可を得る必要がありました。

特殊車両通行確認制度は、2022年4月から始まった新しい特殊車両通行手続きで、あらかじめ登録した車両が、電子化された道路データに基づいて出発地と目的地を入力するだけで通行可能な経路をオンラインで即時に確認して許可できる制度です。従来の許可制度より迅速で便利ですが、対象は国土交通省のデータベースに収録された主要道路に限られ、車両登録(5年有効)と確認手数料(1年有効)が必要で、ETC2.0や重量記録による確認が伴います。

今後、期待される効果としては、許可待ちによる待機時間の削減です。1台で通常のトラック2台分の輸送ができるダブル連結トラックの導入が促進されてドライバー不足の解消に寄与することが期待されています。

2025年の対象拡大の内容

2025年の制度改正で、これまで通行許可でしか申請できなかったダブル連結トラック(全長20m超~25m程度の長尺車両)が、通行確認制度の対象となって申請者がオンライン上で「ダブル連結トラック」の通行可能性を確認できるようになりました。

これによって、許可申請と確認制度の二重手続きが簡素化されました。従来は許可申請を都度提出する必要があった区間でも、一定要件下で確認制度で確認できるようになりました。

あわせて審査も早くなりました。許可制度では道路管理者の審査に時間がかかりましたが、確認制度はシステムでデータ審査できるため、迅速な可否答申が可能になりました。

システム改良:道路データ拡充と利便性向上

システムが改良されて道路データが拡充されて利便性も向上しました。

オンラインシステムの強化

2025年3月、特車通行確認システムおよびオンライン申請システムの改良が行われました。改良は、申請・確認の利便性向上と道路データの充実を目的としています。

道路情報データの拡充

道路管理者から提供される道路形状・制限情報データが増強されて、より多くの道路区間で正確な通行可否判定が可能になりました。これまで「データ未整備」としてルートから外れていた道路や、新設された道路のデータが大幅に拡充されました。

システムの道路データ拡充により、これまで通れなかった近道が通れるようになっている可能性があります。

利便性向上のためのUI/UX改修

申請画面がより直感的になり、地図上でのルート指定や車両情報の入力が簡略化されました。

自動審査範囲の拡大

AIやシステムの高度化により、人の手を介さずにシステムが自動で通行の可否を判断できる範囲が広がり、全体的な審査期間の短縮が図られています。

通行ルート選択機能の強化

出発地・目的地に応じた経路探索機能が改善されて、利用者が選択できる通行経路候補が拡大しました。

ダブル連結トラック関連機能追加

ダブル連結トラックの通行手続き受付機能や、回答書の発行機能がオンライン上で可能になりました。

リフトアクスル車両自動入力

特殊装置付き車両の車両情報自動入力機能が追加されました。リフトアクスル車両とは、トレーラーなどの大型車両で、荷物が軽い時や空荷の場合に、補助的な車軸(アクスル)を自動で持ち上げて(リフト)走行する機能を持つ車両のことです。

誘導車条件緩和:台数削減・配置条件の見直し

誘導車の条件が緩和されて台数が削減され、配置条件の見直しが行なわれました。

目的と概要

物流業界の効率化・人手不足対応の観点から、誘導車の配置条件の合理化がすすめられました。

国土交通省などが誘導車配置条件の緩和措置の試行として以下を実施しました。

誘導車の台数削減

従来は特殊車両の前後に複数台必要だった誘導車が、原則として前方または後方の1台で足りる運用となる方向ですすめられることによって、誘導車確保の負担が軽減されます。

誘導車運転者の講習義務

ただし、誘導車運転者には国交省が定める講習修了者であることの確認が必要です。

2021年時点で改正された内容を基に、2025年以降も継続的に運用、周知がすすめられているものです。申請書類に誘導車台数・運転者情報と講習修了の証明を添付して道路管理者に提出することになっています。

配置条件の試行

リモート・テクノロジーを活用して、将来的には、誘導車そのものを減らすための「遠隔監視」や「高度な安全支援装置」を備えた車両による、配置条件緩和の試験運用(試行)もすすめられています。