低床トレーラーとは?寸法・積載量から特例8車種・規制緩和・特車申請(代行)まで解説

コラム

トレーラの中でも建設重機や大型工作機械など、背の高い荷物や重量物の運搬に欠かせないのが低床トレーラーです。特殊な形状なために、運行には特殊車両通行許可(特車申請)などの法規制が関係してきます。低床トレーラーの種類や寸法、最大積載量といった基本スペックから、特例8車種の仕組み、特車申請などの規制緩和までを分かりやすく解説します。

低床トレーラーとは?

低床トレーラーとは、荷台部分(床面)が通常のトレーラーよりも低く設計された車両のことです。ブルドーザーやショベルカーなどの建設機械を自走で積み込みやすいよう、後部に「あゆみ(スロープ)」を備えている重機運搬に特化車両が多くなっています。低重心になるために、重量物を積載した場合でも走行の安定性が高まります。

基本的に高さ制限を回避するためにつくられています。床面を低くすることで、背の高い貨物を積んでも道路の高さ制限(一般的に3.8m~4.1m)をクリアしやすくなっています。

そのため、安定性があります。低重心になるために、重量物を積載した際も走行の安定性が高まるように設計されています。

低床トレーラーの種類と構造

用途に合わせて、主として3つのタイプに分けられています。

低床セミトレーラーは、荷台全体が低いタイプです。タイヤが小さく、床面を一律に下げています。一般的な重機、背の高い資材などを載せます

中落ち(凹型)トレーラーは、前後の車輪部分より、中央の荷台部分が一段低くなっているタイプです。超高背貨物や工作機械などを載せます

伸縮式トレーラーは、荷台の長さを伸縮できるタイプです。長尺物(橋桁やポールなど)を載せます

低床トレーラーの寸法と最大積載量

低床トレーラーは、運ぶ荷物の重さに耐えるため、軸数(タイヤの数)が多く設計されています。

寸法の目安

  • 低床トレーラーの寸法の目安ですが、次のとおりとなります。
    • 車両幅: 2,490mm ~ 3,200mm(幅広タイプも多い)
    • 荷台地上高: 500mm ~ 850mm程度(通常トレーラーは1,000mm以上)
    • 連結全長: 12,000mm ~ 18,000mm(伸縮時はさらに延長)

最大積載量の目安

  • 低床トレーラーの積載量は軸数によって大きく変わりますが、次のとおりです。
    • 2軸(8輪): 約15t ~ 25t
    • 3軸(12輪/16輪): 約25t ~ 40t
    • 多軸(ステアリング機能付): 50t以上を運べる特殊仕様もあります。

トレーラーの車軸(アクスル)数は、積載する重量に合わせて主に1軸~3軸が用いられ、これにトラクター(牽引車)の1~2軸を加えて合計4~5軸で総重量を支える構造です。軸数が多いほど重量を分散できるので、より重い荷物を積載できる(3軸なら最大約22t)ため、重量物運搬には2~3軸が主流です。

4. 特例8車種と規制緩和の仕組み

トレーラーには、特定の形状に限り「一般的制限値」を超えても緩和措置が受けられる「特例8車種」という枠組みがあります。

国土交通省の「特例8車種」の解説URLです。https://www.mlit.go.jp/kisha/kisha03/06/061001_2/02.pdf

特例8車種とは?

特例8車種とは、バン型、タンク型など従来の「特例5車種」に、あおり型、スタンション型、船底型の「追加3車種」を加えた計8種の特殊用途セミトレーラ(およびフルトレーラ)のこと。高速道路等で、一定の条件下(重さ指定道路など)において車両総重量(最大44トン)や長さ(17~18m超)の制限が緩和される対象車両です。

特例8車種では以下の8つの形状のセミトレーラーを指します。

  1. バン型
  2. タンク型
  3. 幌枠型
  4. コンテナ用
  5. 自動車運搬用
  6. あおり型
  7. スタンション型
  8. 船底型

低床トレーラーの多くは「あおり型」や「スタンション型」に該当するため、この特例の恩恵を受けられます。2025年の法改正により、スタンション型の定義が明確化されるなど、より実務に即した運用がすすんでいます。

特例8車種(旧特例5車種)は、構造上寸法・重量が一般制限値を超えやすい特殊車両の通行許可申請を簡素化するために、国土交通省が指定した車両群です。昭和53年の「2車種」から、平成5年の「5車種」、そして2025年の「8車種」へと拡大されることになって、通行確認制度と連携して物流効率化と安全確保の両立を目指して見直されてきました。

2025年(令和7年)特例8車種となりました。従来5車種に加え、さらなる技術・法改正に伴い実務上のあいまいさを解消するために、対象を8車種(バン型、コンテナ型、タンク型、幌枠型、自動車運搬用、その他高機能・安全性の高い特殊構造車を含む)に拡大されたわけです。これによって、構造上、一般的制限値を超えやすい車両の申請・確認手続きが明確化されました。

規制緩和の内容

特例8車種に該当する場合、車両総重量(GCW)が最大36t(駆動軸重等の条件により最大44t)まで、全長は13m(キングピンから後端まで)まで認められるなど、一般的な大型トラックよりも大幅に緩和されています

特殊車両通行許可(特車申請)の必要性

低床トレーラーは、その寸法や重量が「一般的制限値」を超えることが多いために、特殊車両通行許可の取得がほぼ必要になります。

特殊車両通行許可とは、幅、長さ、高さ、総重量の「一般的制限値」を超える特殊な車両が、道路を通行する際に道路管理者(国、自治体など)から許可を得る制度です。道路の構造保全、交通の安全・円滑化を目的とし、無許可通行は違反となります。行政書士で、特車申請の代行も行っています。行政書士法人アラインパートナーズは、特殊車両通行許可申請を専門に扱う特車申請代行の行政書士事務所です。ぜひ、ご相談ください。

一般的制限値とは?

  • 特車申請では、これを超えると「特殊車両」扱いとなって、許可なく公道を走ることはできません。申請が必要になります。
    • 幅: 2.5m
    • 高さ: 3.8m(指定道路は4.1m)
    • 長さ: 12.0m
    • 総重量: 20.0t(道路の種類により最大25t)

低床トレーラーは幅が2.9m~3.2mあったり、重量が30tを超えたりすることが一般的であるため、事前に通行ルートを申請し、道路管理者の許可を得る必要があります

特殊車両通行許可の申請方法

申請に必要な主な書類

  • 特車申請に必要な主な書類は一般的に次のとおりです。
    • 特殊車両通行許可申請書(様式第1・第2)
    • 車両の諸元に関する説明書(車検証の写しなど)
    • 通行経路表・経路図(出発地、目的地、経由地)
    • 車検証の写し
    • (特殊な車両の場合)軌跡図、適合証明書

手続きの流れ

今ではオンライン申請が主流となっており、手続きは次の流れですすみます。

  1. 車両情報の確認で車検証に基づき、軸重や隣接軸重などの数値を整理します。
  2. 通行経路を策定します。出発地から目的地までのルートを特定します。
  3. オンラインで申請します。「特殊車両通行許可オンライン申請システム」からデータを送信します。

審査と手数料納付ですが、道路管理者による審査が行われます。手数料は「車両台数 × 経路数 × 200円」が基本です。

許可証の交付されますが、許可証を車両に備え付け、指定された条件(先導車の配置や通行時間帯など)を守って運行します。

申請先(窓口)

通行経路のすべての道路を管理する「道路管理者」へ申請します。特殊車両の通行許可申請は、走行経路上の「道路管理者」(国、都道府県、市町村)が提出先です。

オンライン申請(国管理の道路)か、道路管理者の窓口への直接申請の2通りがありますが、複数の道路にまたがる場合は、いずれか一つの窓口での一括申請もできます。

オンライン申請では、特殊車両通行許可オンラインシステムを利用します。原則として国が管理する国道を通行する場合に利用可能です。

  • 特車通行許可申請の窓口申請では次の道路管理者へ直接提出します。
    • 国土交通省の国道事務所: 国道を通行する場合。
    • 都道府県・政令指定都市の土木事務所・建設事務所: 都道府県道や市道を通行する場合。
    • 市区町村役場: 市町村道のみを通行する場合。

なお、複数の異なる道路管理者が混在する場合、いずれか一つの「道路管理者の窓口」で一括申請できます。車検証、車両の図面、通行経路図などが必要になります。