道路情報便覧と特殊車両通行許可について法令・実務を解説

コラム

大型トラックや重機の輸送に必要な特殊車両通行許可ですが、この制度を支えているのが道路情報便覧です。道路情報便覧とは何か?法定協議との関係は?デジタル地図や自動申請との違いは?について詳しく解説します。

道路法・関係法令および国土交通省の運用や国交省の特殊車両ハンドブックに基づき、道路情報便覧と特殊車両通行許可の仕組みを体系的に解説します。

特殊車両通行許可(特車許可)とは

特殊車両通行許可とは、一般的制限値を超える車両が道路を通行するために必要な許可制度です。

根拠法令は、道路法 第47条(車両の通行の制限)・道路法施行令 第3条(一般的制限値)・道路法 第47条の2(特殊車両の通行の許可)となります。

  • 特車許可の一般的制限値の例は次のとおりです。
    • 幅:2.5m
    • 高さ:3.8m(条件により4.1m)
    • 長さ:12m
    • 総重量:20t(条件により25t等)

これを超える場合、道路管理者の許可が必要となります。

  • 特車許可の審査では主に以下がチェックされます。
    • 橋梁の耐荷重
    • 道路幅員
    • 交差点の通行可否
    • トンネル高さ制限

これらの判断の基礎データが「道路情報便覧」です。

道路情報便覧とは

道路情報便覧とは、道路構造や通行制限情報を集約したデータベースのことです。正式には、道路管理者が保有する道路情報を体系化した資料であり、特殊車両通行許可の審査基礎となります。

  • 道路情報便覧の主な収録情報は次のとおりです。
    • 幅員
    • 橋梁の耐荷重
    • トンネル高さ
    • 曲線半径
    • 通行規制情報

道路情報便覧の法的位置付けですが、明確に「道路情報便覧」という名称が法律に定義されているわけではありませんが、以下が制度に基づく実務資料です。

  • 道路情報便覧の関係法令は次のとおりです。
    • 道路法 第28条(道路台帳)
    • 道路法施行規則(道路台帳の整備)
    • 特殊車両通行許可制度要綱(国土交通省)

つまり、道路台帳をベースに実務用に整理されたデータ群といえます。

道路台帳とは

道路台帳とは、道路管理者が整備する法定帳簿です。

道路台帳の根拠法令は、道路法 第28条です。

道路法からの引用です。

(道路台帳)

第二十八条 道路管理者は、その管理する道路の台帳(以下本条において「道路台帳」という。)を調製し、これを保管しなければならない。
2 道路台帳の記載事項その他その調製及び保管に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。
3 道路管理者は、道路台帳の閲覧を求められた場合においては、これを拒むことができない。

  • 道路台帳の記載内容は次のとおりです。
    • 路線名
    • 延長
    • 幅員
    • 構造
    • 占用状況

道路情報便覧との違い

道路台帳と道路情報便覧との違いをまとめると次のようになります。

項目道路台帳道路情報便覧
法的根拠明確に規定あり明確な規定なし(実務資料)
用途管理・記録許可審査
内容基本情報通行可否判断に特化

道路情報連絡業務

道路情報連絡業務とは、国・都道府県・市町村などの各道路管理者間で道路情報を共有する仕組みのことです。特殊車両は複数の管理者の道路を通行するため、情報の統一が不可欠です。

実務上の重要性としては、許可審査の迅速化、データの一元化、重複審査の防止などがあります。

法定協議

複数の道路管理者にまたがる場合、主たる道路管理者が他の管理者と協議を行います

  • 根拠法令は次のとおりです。
    • 道路法 第47条の2
    • 特殊車両通行許可制度要綱

法定協議の実務での流れは次のとおりです。

  1. 申請者が経路を指定
  2. 主たる道路管理者が受理
  3. 他管理者へ協議(法定協議)
  4. 一括許可

事前協議との違いですが、まとめると次のようになります。

項目法定協議事前協議
法的根拠あり任意
実施主体道路管理者申請者
目的許可処理事前確認

未収録道路や橋梁の強度が不足している箇所を通る際、この「協議」に数週間から数ヶ月を要することがあります。行政書士法人アラインパートナーズなどの行政書士は、この法定協議の進捗を予測してスケジュールを組みます。

道路情報便覧システム

道路情報便覧は現在、電子化され「道路情報便覧システム」として運用されています。

主な機能としては、道路情報の検索・通行可否判定・経路設定支援・データ更新管理などがあります。

管理主体ですが、国土交通省・各地方整備局・都道府県・市町村となります。

収録道路の状況としては、収録範囲として、道路情報便覧に収録されているのは主に国道・都道府県道・一部市町村道です。

未収録道路も存在し、最新情報が反映されていない場合もありますし、地方自治体ごとの差異がありますので注意が必要です。

デジタル地図経路作成システム

デジタル地図を利用した経路作成システムが導入されています。たとえば、特車ゴールド制度や自動経路生成システムです。

特車ゴールド制度(正式名称:ETC2.0装着車への特殊車両通行許可簡素化制度)は、業務支援用ETC2.0車載器を搭載した車両を登録することで、特殊車両通行許可の更新手続きをワンクリック化し、大型車誘導区間内での自由な迂回経路選択を可能にする制度です。

自動経路生成システムは、長さ、幅、重量などが制限値を超える特殊車両に対し、通行可能な道路を自動で検索・生成し、道路管理者への通行許可申請を効率化・オンライン化するシステムです。

デジタル地図経路作成システムメリットは、申請時間の短縮・ヒューマンエラー防止・許可取得の迅速化などがあります。

ただし、注意点として、すべての経路が対応しているわけではないので、特殊条件は個別審査となります。

最後に

特殊車両通行許可を早く取得するポイントは、いかに「道路情報便覧の収録道路」を軸に経路を構成するか、そして未収録道路が含まれる場合に「道路台帳」に基づいた的確な説明ができるかにかかっています。

複雑な経路や大型車両の申請でお困りの際は、ぜひ特車申請代行専門の行政書士法人アラインパートナーズにご相談ください。

Q&A

まとめを兼ねてQ&Aをつくりました。参考にしてください。

なお、当事務所の行政書士法人アラインパートナーズは、特殊車両通行許可申請代行(特車申請代行)を専門に扱っております。全国からのご依頼に対応しており、特車申請の申請件数・対応台数も豊富です。当記事のご質問やご相談・ご依頼をお待ちしておりますのでよろしくお願いいたします。