鳥取県で、トレーラー・クレーン、重機、建設資材・大型機械・橋梁部材・長尺物などを運ぶ運送事業者様、建設事業者様向けに書きました。
車両の幅・長さ・高さ・重量などが一般的制限値を超える場合は、特殊車両通行許可申請、または条件に応じて特殊車両通行確認制度の利用を検討する必要があります。
鳥取県では、鳥取自動車道、米子自動車道、山陰道などの高規格道路の整備がすすんでおり、県内の東部・中部・西部を結ぶ物流ネットワークが形成されていますが、建設現場や工場、港湾、資材置場の周辺では、県道・市町村道、橋梁、交差点、狭い進入路などを通行することがありますので、山陰道を利用できるかどうかだけでなく、出発地から目的地までの実際の走行経路全体について、車両・積載物・道路条件を確認することが重要になります。
特車申請が必要になる車両
道路は、一定の寸法・重量の車両が安全に通行できるよう設計されています。一般的制限値を超える車両は、道路の構造や交通に支障を及ぼすおそれがあるため、原則としてそのまま通行できません。
国土交通省は、車両の構造または積載する貨物が特殊で、道路管理者が必要と認める場合に、道路保全や交通安全のための条件を付して通行を可能にする制度として、特殊車両通行制度を設けています。
特車申請の代表的な一般的制限値は、次のとおりです。
| 項目 | 一般的制限値の目安 |
|---|---|
| 幅 | 2.5m |
| 長さ | 12.0m |
| 高さ | 3.8m |
| 総重量 | 20.0t |
| 軸重 | 10.0t |
高さ指定道路では、高さ4.1mまで認められる場合があります。また、隣接軸重、輪荷重、最小回転半径なども確認対象になります。
- 鳥取県の建設・運送事業で、特車申請を検討することが多い車両には次のようなものがあります。
- 低床トレーラー、セミトレーラー
- 重機運搬車
- ラフタークレーン、オールテレーンクレーン
- 建設機械を積載した大型車
- 橋梁部材、鉄骨、コンクリート製品の運搬車
- 大型発電機、変圧器、タンクなどの設備輸送車
- 幅・高さ・重量の大きい特殊貨物を運ぶ車両
国土交通省関東地方整備局は、一般的制限値を超える車両の例として、トラッククレーン、トレーラ連結車、重量物運搬用セミトレーラなどをあげています。
ただし、車両の種類だけで申請の要否を判断することはできません。車検証上の諸元、連結状態、積載物を含めた寸法・重量を確認する必要があります。

鳥取県の道路・物流事情
鳥取県では、県東部の鳥取市周辺、中部の倉吉市・琴浦町周辺、西部の米子市・境港市周辺を結ぶ道路整備がすすめられています。
鳥取県は、山陰道、鳥取自動車道、米子自動車道などの高規格道路について、物流・産業・観光・災害対応などを支える道路ネットワークとして位置付けています。
日本海国土軸をつなぐネットワークの整備に向けた県の取り組み
鳥取県の令和7年度資料でも、高速道路ネットワークの整備により、物流の効率化、産業振興、地域間連携、大規模災害時の代替路確保を図る方針が示されています。
建設現場や工場の所在地は、必ずしもインターチェンジの近くとは限りません。むしろ、離れた場所のほうが多いと思います。
- 山陰道を降りた後に、次のような道路を通行するケースがあります。
- 国道9号、29号、53号、178号、179号、181号、183号など
- 県道・市町村道
- 港湾内の道路や臨港道路
- 山間部の集落を通る道路
- 工場・資材置場へ入る狭い進入路
- 橋梁やトンネルを含む道路
山陰道を利用するから特車申請は不要とは限りません。高速道路と一般道を含む輸送経路全体について、制度と道路条件を確認する必要があります。
山陰道周辺の重量物輸送
山陰道の役割
山陰道は、鳥取県鳥取市を起点に山口県下関市へ至る高規格道路です。鳥取県内でも、鳥取西道路、北条道路、米子道路などの整備がすすめられています。
鳥取県は、県内の高規格道路ネットワークについて、物流の効率化や企業誘致、災害時の代替路確保に寄与する道路として整備を進めています。
- 山陰道を利用する重量物輸送では、次のような運行が考えられます。
- 鳥取市内から中部・西部の工事現場へ重機を運ぶ
- 倉吉市・琴浦町周辺から工場や建設現場へ大型資材を輸送する
- 米子市・境港市周辺から県内外へ重量物を搬出する
- 山陰道沿線の工業団地・物流施設へ大型機械を搬入する
- 高速道路を使って広島・岡山・兵庫方面から建設資材を運ぶ
高速道路区間では走行しやすい場合でも、インターチェンジの出入口、一般道への接続部、目的地付近の交差点や進入路で問題が生じることがあります。
北条道路の整備
北条道路は、東伯郡湯梨浜町はわい長瀬から東伯郡琴浦町槻下までを結ぶ延長13.5kmの自動車専用道路です。中国地方整備局によると、鳥取県内最後の山陰道整備区間として平成29年度に事業化されました。
北条道路の整備区間では、国道9号に通過交通と生活交通が混在し、通行止め時の代替路が不足していることなどが課題とされています。整備によって、通過交通と生活交通の分離、安全性の向上、高速道路ネットワークの連続性確保などが期待されています。
鳥取県の令和7年度資料では、北条道路のうち、はわいICから北条IC(仮称)までの区間について令和8年度開通予定とされています。一方、北条IC(仮称)から大栄東伯ICまでの区間は工程精査中とされているため、運行計画では最新の供用状況を確認する必要があります。
なお、道路が新たに開通しても、すべての重量物輸送にとって最適な経路になっているとは限りません。車両の高さ、重量、通行条件、目的地への接続道路などを個別に確認してください。
建設現場への重量物輸送
鳥取県内の建設現場では、道路・橋梁・河川・砂防・治山・造成・工場建設などに伴い、重機や資材を搬入することがあります。
- 鳥取県内の建設現場への輸送例は次のとおりです。
- 油圧ショベル、ブルドーザー、ホイールローダーの回送
- クレーン車による橋梁・建築現場への移動
- 鉄骨、鋼材、コンクリート製品の輸送
- トンネル・道路工事用機械の搬入
- 発電機、変圧器、プラント設備の搬入
- 河川・砂防工事用の大型資材輸送
- 災害復旧現場への重機回送
建設現場への輸送では、現場の住所だけでなく、実際の搬入口がどこにあるかが重要です。現場付近で国道から県道、県道から市町村道へ切り替わる場合もあり、道路管理者が複数にまたがることがあります。
- 建設現場輸送で確認する項目は次のとおりです。
- 現場入口の正確な位置
- 進入路の幅員
- 高架、看板、電線、樹木などの上空障害物
- 急カーブ、急勾配、狭い交差点
- 橋梁・トンネルの高さ・重量制限
- 現場内での旋回・待機スペース
- 搬入・荷下ろしの時間指定
- 工事による通行規制
- 雨・雪・凍結時の運行可否
鳥取県は、橋梁・トンネル・大型構造物について、長寿命化修繕計画に基づく補修や耐震化を進めています。 道路施設の工事や補修によって、通常の運行経路に規制・車線変更・通行時間の制限が生じることもあるため、運行前に最新情報を確認しましょう。

鳥取港・境港周辺の重量物輸送
鳥取県内の重量物輸送では、山陰道周辺の建設現場だけでなく、鳥取港や境港からの輸送も重要です。
鳥取県は、鳥取港、田後港、米子港、赤碕港、境港などについて、海陸交通の結節点、物流拠点、地域産業を支える港としての役割を説明しています。
境港
境港は、国際海上コンテナ、原木、外航クルーズの日本海側拠点港に選定されています。鳥取県は、境港を北東アジアとの物流・人流の拠点として位置付け、施設整備や取扱貨物の増加に取り組んでいます。
- 境港を起点とする特車申請では、次のような輸送が想定されます。
- コンテナ貨物の輸送
- 原木・木材関連貨物の輸送
- 港湾施設・物流施設向けの大型機械搬入
- 境港から米子市・県内工場への重量物輸送
- 港湾工事・倉庫建設に伴う重機回送
港湾から山陰道や米子道へ進む経路だけでなく、港湾施設から一般道へ出るまでの区間、工場・倉庫の入口までを含めて確認することが必要です。
鳥取港
鳥取県は、鳥取港についてコンテナ貨物取扱いの可能性を調査し、試験輸送も実施しています。
鳥取港から県内の工場・倉庫・建設現場へ重量物を運ぶ場合、港湾内の道路、国道9号、鳥取自動車道への接続、目的地周辺の県道・市道などを一連の経路として確認します。
港湾周辺では、荷役スケジュールや入場時間が指定されることもあります。特車許可の取得だけでなく、港湾側・荷主側の搬入条件もあわせて整理してください。
冬期・大雪時の運行に注意
鳥取県では、山間部や県西部を中心に、積雪・凍結による道路規制が輸送計画に影響することがあります。
鳥取県は、冬期道路交通確保計画に基づき、県管理道路で除雪を行い、安全な交通を確保する取組を進めています。また、積雪、地吹雪、路面凍結、圧雪、堆雪などによって危険がある場合には、通行規制を実施できるとしています。
大雪時には、高速道路の通行止めと同時に、並行する国道を通行止めにする場合もあります。鳥取県は、米子自動車道が通行止めとなった場合、国道180号・181号・482号についても通行止めとする取組を案内しています。また、鳥取自動車道の一部が通行止めとなった場合に国道373号を通行止めとする場合についても説明しています。
- 鳥取県の大雪時規制は特車許可があっても運行当日は次の情報を確認してください。
- 鳥取県の通行規制情報
- 国土交通省・中国地方整備局の道路情報
- 高速道路会社の通行止め情報
- 冬期閉鎖区間
- 除雪・凍結・チェーン規制
- 災害や事故による通行止め
許可証の経路と実際に通行できる道路が異なる場合、運行前に代替経路の扱いを確認することが必要です。
特殊車両通行許可と通行確認制度
特殊車両の通行に関しては、従来の「特殊車両通行許可制度」に加え、令和4年4月から「特殊車両通行確認制度」が運用されています。
| 制度 | 概要 | 向いているケースの例 |
|---|---|---|
| 特殊車両通行許可制度 | 道路管理者に申請し、審査を経て許可を受ける制度 | 個別審査が必要な経路、確認制度の対象外となるケースなど |
| 特殊車両通行確認制度 | 登録車両について、電子化された道路を対象に、出発地・目的地から通行可能経路をオンラインで確認する制度 | 対象道路・登録車両・利用条件に合い、迅速な経路確認を行いたいケース |
国土交通省によると、通行確認制度では、あらかじめ登録された車両について、道路情報が電子化された道路を対象にオンラインで即時の通行が可能であり、出発地・目的地を入力すると複数の通行可能経路が表示されます。
ただし、鳥取県内のすべての道路・すべての車両・すべての輸送が通行確認制度の対象になるとは限りません。山陰道から県道・市町村道へ接続する経路、山間部の工事現場、港湾内道路などでは、従来の許可申請が必要になることもあります。

行政書士へ依頼するメリット
オンラインで申請できる制度であっても、申請前には車両・積載物・経路の整理が必要です。運送会社や建設会社が本業と並行して行うには、負担が大きくなることがあります。
- 行政書士へ特車申請代行・代理を依頼するメリットは次のとおりです。
- 特車申請の要否を初期段階で整理できる
- 新規・更新・変更・車両追加の区分を検討できる
- 車検証・諸元表・積載物の情報を申請内容に反映できる
- 山陰道・国道・県道・市町村道を含む経路を整理できる
- 港湾・工場・建設現場への輸送条件をまとめられる
- 複数車両・複数経路の申請負担を軽減できる
- 許可条件や誘導車などの確認を進めやすくなる
- 車両入替・現場変更・運行先変更に対応しやすくなる
特車申請を依頼する場合は、事務所の所在地だけではなく、特殊車両通行許可の取扱経験、相談のしやすさ、資料確認の丁寧さ、運送業・建設業の案件への理解などを確認することをおすすめします。
特殊車両通行許可はオンラインで申請できるため、自社で申請することもできますが、特車申請で時間がかかるのは、申請書を提出する作業だけではありません。
例えば、車両諸元の確認、トラクタ・トレーラーの組み合わせ確認、積載物の確認、出発地・目的地の整理、通行経路の選定、道路情報の確認、必要書類の準備、許可条件の確認など、申請前の準備があります。
また、輸送する貨物や現場によって条件が変わる場合がありますので、普段から運送や建設などの業務を行っている事業者が、特車申請を行政書士に依頼するケースがあります。

申請前に準備する資料
- 特車申請の代行・代理は次の資料があると、申請の要否や必要な手続を検討しやすくなります。
- 自動車検査証
- 車両諸元表
- トラクタ・トレーラー双方の車両情報
- 連結時の車両寸法・重量
- 積載物の名称、寸法、重量
- 積載状態が分かる資料
- 出発地・目的地・経由地
- 運行予定日・運行時間帯
- 既存の特殊車両通行許可証
- 車両入替・現場変更の内容
- 港湾・工場・現場の搬入口情報
- 現場入口や経路の写真・地図
建設現場の場合は、住所だけでなく、工事車両が実際に入る入口の位置をお知らせください。港湾・工場案件では、岸壁やヤードから公道へ出る場所、納入先の門・構内道路も確認できると、運行計画を立てやすくなります。
鳥取県の特車申請の経路確認
鳥取県で、山陰道周辺の建設現場、工場、港湾、山間部へ重量物や重機を運ぶ場合、車両の寸法・重量だけでなく、実際の走行経路全体を確認する必要があります。
- 鳥取県で特車運送の経路で注意したいのは次の点です。
- 山陰道を使う場合でも、インターチェンジから目的地までの道路確認が必要
- 北条道路などの整備・開通状況によって、利用できる経路が変わる可能性がある
- 境港・鳥取港などの港湾から工場・現場までの輸送では、港湾内道路も確認する
- 山間部では、橋梁・トンネル・急カーブ・狭い進入路に注意する
- 大雪・凍結・冬期閉鎖・災害時の道路規制を確認する
- 許可証に付された通行条件を守って運行する
特殊車両通行許可の新規申請、更新、変更、車両追加、経路追加などでお困りの場合は、車検証・車両諸元・積載物・出発地・目的地をご準備のうえ、早めにご相談ください。

Q&A(よくある質問)
Q1:鳥取県内を走る大型トラックは、すべて特車申請が必要ですか?
A:いいえ。大型車であっても、幅・長さ・高さ・重量などが一般的制限値の範囲内であれば、必ずしも特車申請が必要とは限りませんが、一般的制限値を一つでも超える車両や特殊な貨物を積載する車両は、特殊車両通行許可または通行可能経路の確認が必要になる可能性があります。車両の種類だけで判断せず、積載状態を含めて確認してください。
Q2:山陰道を走行する場合、特車申請は不要ですか?
A:いいえ。山陰道を利用する場合でも、車両の寸法・重量などが制限値を超えれば、必要な手続を確認する必要があります。
また、山陰道のインターチェンジから建設現場・工場・港湾までの一般道についても、経路全体を確認しなければなりません。
Q3:鳥取市から倉吉市・米子市方面へ重機を運びます。何を確認すればよいですか?
A:車両の車検証・諸元表、積載する重機の寸法・重量、出発地、目的地、希望運行日をご準備ください。
山陰道を利用するか国道9号を利用するかだけでなく、インターチェンジから現場までの県道・市道、現場入口の幅員、交差点、橋梁などを確認します。
Q4:北条道路が開通すれば、これまでの許可証をそのまま使えますか?
A:必ずしもそのまま使えるとは限りません。許可証は、通常、車両・経路・期間・通行条件などを前提に交付されます。道路が開通して経路を変更する場合は、既存許可の対象経路に含まれるかを確認し、必要に応じて変更・追加申請を検討してください。
北条道路の供用状況や開通区間は、国土交通省・中国地方整備局などの最新情報を確認してください。
Q5:境港から大型機械を工場へ運ぶ場合、港から山陰道までの区間も申請対象ですか?
A:申請の必要性は車両・積載物・経路によって異なりますが、港湾から目的地までの実際の公道走行経路を一体として確認する必要があります。
境港内の道路、一般道、山陰道、県道・市道、工場入口までを含めて、車両の寸法・重量や道路条件を整理してください。
Q6:建設現場が山間部にあります。住所だけで申請できますか?
A:住所だけでは不十分な場合があります。山間部では、同じ住所でも現場入口や搬入路が複数あり、地図上の代表地点と実際の進入地点が異なることがあります。
現場入口の位置、搬入路の写真、工事業者から指定された経路、資材搬入口の案内図などをご準備ください。
Q7:冬に鳥取県西部や山間部へ重機を運べますか?
A:運行できるかどうかは、車両、経路、天候、道路規制などによって異なります。鳥取県では、積雪・地吹雪・凍結・圧雪・堆雪などにより危険がある場合、県管理道路の通行規制を実施することがあります。
特車許可があっても、道路が通行止めや冬期閉鎖になっている場合は通行できません。運行当日の道路規制情報を必ず確認してください。
Q8:既に許可を取得していますが、車両を入れ替えた場合はどうなりますか?
A:新旧車両の幅、長さ、高さ、総重量、軸数、連結状態などが異なる場合、既存許可証をそのまま使えるとは限りません。
車両入替前に、既存許可証と新しい車両の諸元を比較し、変更申請や新規申請の必要性を確認してください。
Q9:許可が出れば、誘導車なしで走行できますか?
A:許可には、道路の構造保全や交通安全のため、誘導車の配置、通行時間帯、徐行などの条件が付される場合があります。許可証に付された条件を確認し、その条件に従って運行してください。
Q10:特車申請はどのくらい前に依頼すればよいですか?
運行予定が決まった段階で、できるだけ早くご相談ください。車両・積載物・経路の確認、道路管理者間の協議、個別審査などに時間を要する場合があります。
- 鳥取県の特車申請では特に次の案件は余裕を持った準備がおすすめです。
- 長大物・重量物の輸送
- 山陰道から山間部へ入る経路
- 港湾から工場・建設現場へ運ぶ経路
- 複数の道路管理者にまたがる経路
- 車両入替や現場変更を伴う申請
- 冬期に運行する大型車両



