鹿児島県の行政書士による港湾・離島航路・山間部の現場への大型車両特車申請代行

コラム

鹿児島県で重機・建設資材・大型機械・長尺物・重量物を運ぶ運送事業者様、建設事業者様向けに書きました。

車両の幅・長さ・高さ・重量などが一般的制限値を超える場合、原則として道路管理者の「特殊車両通行許可」、または条件に応じて「特殊車両通行確認制度」の利用を検討する必要があります。

鹿児島県は、本土と種子島・屋久島・奄美諸島などの離島を結ぶ港湾・航路、山間部の建設現場、台風や豪雨の影響を受けやすい道路などが混在している地域ですので、大型車両の運行では、鹿児島県内を走るということだけでは判断できず、港湾から現場までの実際の走行経路全体を確認することが重要になります。

国土交通省・鹿児島県などの公開情報をもとにした一般的な解説です。個別の通行可否、許可の要否、通行条件は、車両・積載物・経路・運行日時により異なります。

なお、特殊車両通行確認制度とは、一般的な大きさや重さの制限を超える特殊車両が道路を通行する際、インターネットを通じて即時に通行可能な経路を確認できる国土交通省の制度です(2022年4月本格運用)。

特車申請が必要になる車両

道路には、道路構造の保全と交通の安全を確保するため、車両の幅・長さ・高さ・重量などに一般的制限値が定められています。この制限値を超える車両は、原則として通行できません。

国土交通省は、一般的制限値を超える車両について、社会経済活動上必要な場合に限り、道路管理者が道路保全や交通安全のための条件を付して通行を可能にする制度を設けていると説明しています。

代表的な一般的制限値は、次のとおりです。

項目一般的制限値の目安
幅2.5m
長さ12.0m
高さ3.8m
総重量20.0t
軸重10.0t

高さについては、高さ指定道路では4.1mまで認められる場合があります。また、隣接軸重、輪荷重、最小回転半径なども確認対象です。

(参照)国交省ホームページ

  • 鹿児島県内で特車申請を検討することが多い車両には、次のような車両があります。
    • セミトレーラー、フルトレーラー
    • 低床トレーラー、重機運搬車
    • ラフタークレーン、オールテレーンクレーン
    • 建設機械を積載した大型車
    • 橋梁部材、鉄骨、コンクリート製品などの長尺物輸送車
    • 発電設備、変圧器、プラント設備などの大型設備輸送車
    • 幅・高さ・重量の大きい特殊貨物を運ぶ車両

ただし、「トレーラーだから必ず申請が必要」「大型車だから必ず許可が必要」とは限りません。車検証上の数値だけでなく、連結状態や積載物を含めた寸法・重量を確認する必要があります。

鹿児島県の輸送で注意したい道路事情

鹿児島県は、南北に長くて、本土の山間部、桜島・霧島周辺、大隅半島、薩摩半島、離島地域を含んでいます。国土交通省九州地方整備局は、大隅半島を台風の常襲地帯で災害発生の多い地域と説明しており、国道220号・224号などの道路整備に取り組んでいます。

(参照)国交省ホームページ

  • 大型車両の運行では、次のような道路条件に注意が必要です。
    • 山間部の急カーブ、急勾配、狭い道路
    • 橋梁・トンネルの高さ・重量制限
    • 港湾から一般道へ出る接続道路
    • 現場入口・工場入口の幅員と進入条件
    • 台風・豪雨・地震・火山活動などによる通行規制
    • 県道・市町村道を含む複数の道路管理者にまたがる経路
    • 離島航路のダイヤや貨物積載条件との調整

国土交通省鹿児島国道事務所は、一般的制限値を超える車両は、道路法第47条の2に基づき道路管理者の特殊車両通行許可を取得し、許可条件のもとで通行しなければならないと案内しています。

(参照)国交省ホームページ

港湾を起点とする大型車両輸送

鹿児島港を利用する場合

鹿児島港は、鹿児島市の南北約20kmにわたる七つの港区になっており、種子島・屋久島・奄美大島などの離島や大隅半島を結ぶ定期船の基地港として、住民の生活と地域経済を支えています。

(参照)国交省の資料

国土交通省は、鹿児島港を、県内離島・沖縄地方を結ぶ離島航路や鹿児島湾内航路を有する、南九州・県内離島・沖縄地方の生活を支える人流・物流の拠点として説明しています。

(参照)国交省ホームページ

また、鹿児島港には、県内離島を結ぶ8航路(フェリー5航路、RORO船2航路、高速船1航路)があり、離島の生活物資やエネルギーの輸送、災害時の緊急物資輸送にも役割を果たしています。

(参照)国交省の資料

  • 鹿児島港を起点とする輸送では、次のような大型車両が関係することがあります。
    • 港から工場・倉庫・建設現場へ重量物を運ぶトレーラー
    • 重機・建設機械を運ぶ低床トレーラー
    • 離島航路へ貨物を持ち込む大型車
    • 港湾工事・岸壁工事・物流施設建設に伴う重機回送
    • 自動車・エネルギー関連貨物を扱う大型車両

鹿児島港では、鴨池港区から中央港区間の臨港道路整備により、港湾物流のボトルネック解消と幹線道路負担の軽減が図られています。

(参照)国交省の資料

ただし、港湾内の道路を通行できることと、港から最終目的地まで許可条件に沿って通行できることは別問題です。港湾から一般道、県道、市町村道、現場入口までを一連の経路として確認する必要があります。

離島航路と大型車両

鹿児島港は、種子島・屋久島・三島・十島航路の発着地として利用されています。国土交通省の資料では、これらの離島航路が住民にとって唯一の海上交通手段であるとともに、生活必需品・主要物資・郵便物などの輸送を行う生活航路であると説明されています。

(参照)国交省の資料

  • 離島への輸送では、次の点を確認する必要があります。
    • 利用する航路、船社、ダイヤ
    • 車両・貨物の寸法・重量制限
    • フェリー・RORO船の積載条件
    • 港湾内の待機・乗船・下船経路
    • 離島側の港湾から現場までの道路
    • 台風・高波・欠航時の運行計画
    • 現場側の搬入時間・作業時間

特に、離島航路では、船への積載条件と陸上の特車許可条件が別々にあります。船に積めるからといって、離島側の道路を通行できるとは限りません。本土側の港湾から離島側の現場まで、一連の輸送計画として確認することが大切です。

山間部・大隅半島の建設現場へ運ぶ場合

鹿児島県内の建設現場では、道路・橋梁・河川・砂防・治山・林道・造成・工場建設などに伴い、重機や資材を搬入することがあります。

特に大隅半島周辺では、国土交通省が台風の常襲地帯で災害発生の多い地域として説明しており、国道220号・224号などの整備を行っています。

  • 山間部・沿岸部の工事現場では、次のような道路条件が問題になることがあります。
    • 急カーブや急勾配
    • 狭い橋梁・トンネル
    • 現場入口が県道から市町村道へ変わる
    • 進入路が狭く、大型車の旋回が困難
    • 雨量・風速・波浪による通行規制
    • 災害復旧工事による通行止め
    • 現場前に待機・旋回できる場所がない

(参照)国交省ホームページ

国土交通省鹿児島国道事務所は、波浪により通行が危険と判断される場合の特殊通行規制区間を案内しています。例えば、国道10号の竜ヶ水・白浜地区、国道226号の前之浜地区などが該当します。

(参照)国交省の資料

このように、鹿児島県では、通常は通行できる道路でも、気象条件によって規制が発生する可能性があります。大型車両の運行計画では、許可証だけでなく、運行当日の道路・気象情報も確認してください。

工場・事業所への大型設備搬入

鹿児島県内の工場や事業所へ、大型機械、製造設備、変圧器、ボイラー、タンク、プラント部材などを搬入する場合、車両だけでなく、貨物を積載した状態での寸法・重量を確認します。

国土交通省は、特殊車両の申請において、車両の諸元、貨物の内容、通行経路、通行日時などを道路管理者へ申請する必要があると説明しています。

(参照)国交省ホームページ

  • 工場搬入では、公道上の許可と工場敷地内の搬入可否を分けて確認してください。
    • 工場入口の幅・高さ
    • 門扉・屋根・配管などの障害物
    • 構内道路の幅員・勾配
    • 荷下ろし位置と旋回スペース
    • クレーン・フォークリフトの配置
    • 車両の進入・退出方向
    • 近隣道路の交通規制
    • 到着時間・入場予約

特車通行許可は、原則として公道の通行に関する手続です。工場敷地内の搬入可否まで自動的に保証するものではありません。構内条件は、荷主・工場側と別途確認してください。

行政書士へ依頼するメリット

オンラインで手続できる制度があっても、申請前の情報整理や経路確認は必要です。港湾から離島航路へ接続する輸送、山間部の工事現場への重機搬入、複数の道路管理者にまたがる輸送では、運送会社や建設会社の社内負担が大きくなります。

  • 行政書士へ特車申請代行を依頼する主なメリットは次のとおりです。
    • 特車申請の要否を初期段階で確認できる
    • 新規・更新・変更・車両追加の区分を検討できる
    • 車検証・諸元表・積載物の情報を申請内容に反映できる
    • 港湾・離島航路・山間部を含む輸送経路を整理できる
    • 複数の道路管理者にまたがる案件の確認をすすめやすくする
    • 車両入替・現場変更・運行先変更に対応しやすくする
    • 許可条件、誘導車、通行時間などの確認を整理する
    • 運送会社・荷主・工事会社との情報共有を進めやすくする

申請前に準備する資料

  • 行政書士に特車申請代行を相談や申請には次の資料をご準備ください。
    • 自動車検査証
    • 車両諸元表
    • トラクタ・トレーラー双方の車両情報
    • 連結時の寸法・重量
    • 積載物の名称、寸法、重量
    • 積載状態が分かる資料
    • 出発地・目的地・経由地
    • 運行予定日・運行時間帯
    • 既存の特殊車両通行許可証
    • 車両入替・現場変更の内容
    • 港湾・工場・現場の搬入口情報
    • 現場入口や経路の写真・地図
    • 利用予定の離島航路・船社・ダイヤ

離島輸送の場合は、本土側の港湾だけでなく、離島側の港湾から現場までの道路情報も必要です。特に、現場入口の位置、進入路の幅員、旋回スペース、荷下ろし場所は、事前に確認しておくとスムーズです。

Q&A(よくある質問)

Q1:鹿児島県内を走る大型トラックは、すべて特車申請が必要ですか?

A:いいえ。大型トラックであっても、幅・長さ・高さ・重量などが一般的制限値の範囲内であれば、必ずしも特車申請が必要とは限りません。

一般的制限値を一つでも超える車両や、特殊な貨物を積載する車両は、道路管理者の許可または通行可能経路の確認が必要になる可能性があります。

Q2:鹿児島港から工場まで重量物を運びます。何を確認すればよいですか?

A:車検証、車両諸元、積載物の寸法・重量、出発地、工場所在地、希望運行日をご準備ください。

鹿児島港は本港区・新港区・鴨池港区・中央港区など複数の港区で構成されるため、利用する埠頭・ターミナルから一般道へ出るまでの経路も含めて確認する必要があります。

Q3:種子島・屋久島・奄美へ重機を運びます。特車申請だけで足りますか?

A:足りるとは限りません。本土側の道路、鹿児島港、離島航路、離島側の港湾、離島側の現場までの道路を、一連の輸送計画として確認する必要があります。

鹿児島港には、県内離島を結ぶ複数の航路があり、離島の生活物資やエネルギー輸送を支えていますが、船への積載条件と陸上の通行条件は別に確認する必要があります。

Q4:山間部の工事現場へ重機を運びます。住所だけで申請できますか?

A:住所だけでは不十分な場合があります。山間部では、同じ住所でも現場入口や搬入路が複数あることがあります。

現場入口の正確な位置、進入路の写真、工事業者から指定された搬入ルート、現場内の旋回・荷下ろしスペースなどをお知らせください。

Q5:台風や豪雨のときも、許可証があれば通行できますか?

A:通常、許可証があるだけでは通行できるとは限りません。鹿児島県では、波浪により通行が危険と判断される場合の特殊通行規制区間が設定されています。

運行前には、国土交通省・鹿児島県・高速道路会社・気象情報などを確認し、必要に応じて運行計画を見直してください。

Q6:車両を入れ替えた場合、以前の許可証を使えますか?

A:車両の寸法、重量、軸数、連結状態などが変わる場合、既存許可証をそのまま使えるとは限りません。車両入替の前に、既存許可証と新しい車両の諸元を比較し、変更申請や新規申請の必要性を確認してください。

Q7:港湾から山陽新幹線や高速道路を使う場合も、特車申請が必要ですか?

A:利用する道路・車両・積載物によって異なります。高速道路を含む経路では、関係する道路管理者や高速道路会社の取扱いも確認する必要があります。

また、鹿児島県管理道路を含む場合は、国土交通省のオンライン申請システムでは地方自治体へ申請できないため、県の窓口へ確認してください。

Q8:特車通行許可が出れば、誘導車なしで走行できますか?

A:許可には、道路の構造保全や交通安全のため、誘導車の配置、通行時間帯、徐行などの条件が付される場合があります。許可証に付された条件を確認し、その条件に従って運行してください。

Q9:特車申請はどのくらい前に依頼すればよいですか?

A:運行予定が決まった段階で、できるだけ早くご相談ください。車両・積載物・経路の確認、道路管理者間の協議、個別審査などに時間を要する場合があります。

  • 特車申請では次の案件は余裕を持った準備がおすすめです。
    • 長大物・重量物の輸送
    • 鹿児島港から離島航路へ接続する輸送
    • 山間部・大隅半島の工事現場への重機搬入
    • 複数の道路管理者にまたがる経路
    • 車両入替や現場変更を伴う申請
    • 台風・豪雨シーズンの運行
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