令和6年1月1日の能登半島地震と、同年9月の奥能登豪雨で被災された皆さまに、あらためてお見舞い申し上げます。
石川県では、道路やインフラなどの復旧や建物の再建などで復興に向けた工事が続いていますが、建設機械や資機材を現場へ運ぶ建設会社様・運送会社様にとって、特殊車両通行許可(特車申請)は、工事の工程に関わる重要な手続きとなっています。
石川県内で復興工事に関わる事業者様に向けて、大型車両を使う前に確認しておきたい特車許可のポイントを詳しく解説します。
石川県の復興工事の現状
能登半島では、地震で多くの道路が崩落・段差・土砂崩れなどの被害を受けました。内閣府の防災白書によると、石川県の県管理道路では87か所が通行止めとなり、奥能登全体がアクセスの困難な状態に陥りました。その後、令和6年9月20日からの大雨でも、国道249号沿岸部をはじめ、輪島市・珠洲市などの県管理道路で48か所が通行止めになっています。
復旧工事は、いまも続いています。国土交通省北陸地方整備局の能登復興事務所は、国道249号の権限代行区間(約53km)について、用地取得や大型構造物の施工などが順調にすすんだ場合、令和11年春までに本復旧を完了する予定だと発表しています(令和7年9月2日)。令和7年12月23日には、同区間で一般交通の1車線通行が確保されました。
被災地では、仮復旧の道路や1車線の区間を通りながら、本復旧の工事がすすんでいる状況です。大型車両の運行計画にも、道路の状況の変化を考慮しておく必要があります。
復興工事で動く大型車両と、特車許可が必要になる場面
- 地震などの災害復興工事では、次のような車両や荷物を運ぶことがあります。
- 油圧ショベル、クレーン、ブルドーザなどの建設機械の回送
- 重量のある資機材・仮設材・プレキャスト部材などの運搬
- 大型のトレーラーやポールトレーラーによる長尺物の輸送
道路法では、車両の幅・高さ・長さ・重量などに一般的制限値があります。一つでも超える車両は、道路管理者の許可(または通行可能経路の確認)が必要になります。建設機械類は、国土交通省が特殊車両の例として示している車両です。
| 項目 | 一般的制限値 |
|---|---|
| 幅 | 2.5m |
| 高さ | 3.8m(高さ指定道路は4.1m) |
| 長さ | 12m |
| 総重量 | 20t(重さ指定道路は25t) |
| 軸重 | 10t |
| 輪荷重 | 5t |
| 最小回転半径 | 12m |
特車通行許可を受けずに、または許可の条件に違反して走行すると、道路法違反となります。復興工事は元請・下請が複数に及ぶことが多く、運ぶ会社が適法な体制をとっているかは、発注者側からも確認されやすくなっています。
車両制限令からの引用です。車両制限令は、道路の構造を壊さないように守り、交通の危険を防ぐため、公道を走る車両の大きさや重さなどの最高限度(一般的制限値)を定めた政令(昭和36年政令第265号)です。根拠となる法律は道路法(第47条)です。
第二章 道路との関係において必要とされる車両についての制限
(車両の幅等の最高限度)
第三条 法第四十七条第一項の車両の幅、重量、高さ、長さ及び最小回転半径の最高限度は、次のとおりとする。
一 幅 二・五メートル
二 重量 次に掲げる値
イ 総重量 高速自動車国道又は道路管理者が道路の構造の保全及び交通の危険の防止上支障がないと認めて指定した道路を通行する車両にあつては二十五トン以下で車両の長さ及び軸距に応じて当該車両の通行により道路に生ずる応力を勘案して国土交通省令で定める値、その他の道路を通行する車両にあつては二十トン
ロ 軸重 十トン
ハ 隣り合う車軸に係る軸重の合計 隣り合う車軸に係る軸距が一・八メートル未満である場合にあつては十八トン(隣り合う車軸に係る軸距が一・三メートル以上であり、かつ、当該隣り合う車軸に係る軸重がいずれも九・五トン以下である場合にあつては、十九トン)、一・八メートル以上である場合にあつては二十トン
ニ 輪荷重 五トン
三 高さ 道路管理者が道路の構造の保全及び交通の危険の防止上支障がないと認めて指定した道路を通行する車両にあつては四・一メートル、その他の道路を通行する車両にあつては三・八メートル
四 長さ 十二メートル
五 最小回転半径 車両の最外側のわだちについて十二メートル

石川県で動かす前に確認したいポイント
許可を取った経路が使えるかを確認する
特車許可は、通行する経路を指定して交付されます。被災地では、仮復旧の区間、車線の規制、迂回路の設定など、道路の状況が変わります。許可を取ったあとで経路が使えなくなった場合、許可のない別の経路を通ることはできません。
運行の前には、最新の通行規制情報を確認し、必要に応じて迂回経路の申請や変更の申請を検討します。
道路管理者を確認
経路には、国道、県道、市町の道路が含まれることが多くあります。国が復旧工事を行う区間でも、道路管理に関する問い合わせ先と、復旧工事の問い合わせ先が分かれています。国道249号の権限代行区間では、資料上、道路管理は石川県土木部の道路整備課、復旧工事は北陸地方整備局の能登復興事務所が窓口として示されています。
申請先は経路によって異なるため、どの管理者に、どの経路を申請するかを確認しておくと、ミスが減ります。窓口の名称や担当区分は、最新の情報で確認してください。
被災地向けの優先処理の取扱いを確認する
令和6年1月4日に国土交通省(関東地方整備局の案内)は、能登半島地震による被災地域への、または被災地域からの貨物の運搬等である場合の特殊車両通行許可申請について、申請先の事務所へ電話などで連絡した申請を、最優先で処理すると案内しました。
オンライン申請では、申請書入力方法選択画面で「災害時優先処理を希望する」にチェックを入れる形です。ただし、災害復旧対応などのため、迅速な事務処理ができない可能性があることも示されていました。
最新の情報は石川県のホームページなどでご確認ください。
令和6年(2024年)能登半島地震に係る石川県災害廃棄物処理の基本方針・災害廃棄物処理実行計画
石川県庁
石川県金沢市鞍月1丁目1番地 電話番号(代表):076-225-1111
4. 冬期の運行計画を考える
石川県の奥能登地域は、冬期に雪の影響を受けます。令和7年12月には、国道249号の大谷トンネルを活用して、緊急車両等の冬期1車線通行を確保する対応もとられました。復旧・復興を止めないための除雪強化の取り組みも発表されています。
冬期は、通行規制や除雪の状況が運行の可否や日程に影響します。工期から逆算して、余裕を持って許可を取得しておくことが大切です。
復興工事の特車申請の注意点
- 石川県の復興工事の特車申請の注意点は次のとおりです。
- 経路選定: 仮復旧・規制区間を避けつつ、許可が出る経路を探す必要がある
- 審査日数: 着工直前に申請すると、工程に間に合わない
- 道路状況: 許可を取ったあとで経路が使えなくなることがある
- 複数の管理者: 国・県・市町の窓口ごとに、問い合わせ先や申請方法が異なる場合がある
- 現場の増加: 工事の進行に合わせて、搬入経路が変わる

行政書士のサポート
- 行政書士のサポートは次のとおりです。
- 経路検討: 通行規制や管理者を踏まえて、許可が出やすい経路を探します
- 申請書類の作成と申請: 特車ポータルサイトを使って、オンラインで申請します
- 優先処理の相談: 被災地向けの取扱いが使えるかを、申請先の案内に沿って確認します
- 差し戻し・協議の対応: 補正の求めや、道路管理者との協議を代理で行います
- 更新・変更の期限管理: 工事が長期にわたる場合も、期限切れを防ぎます
石川県の復興工事では、仮復旧の道路や規制区間、冬期の除雪などにより、大型車両の運行計画に道路状況の変化を織り込む必要があります。許可を取得する前に、経路・管理者・優先処理の取扱い・工程の4つを確認しておくと、手戻りを減らせます。
行政書士法人アラインパートナーズでは、特車申請の代行を全国で承っています。復興工事に関わる皆さまのお役に立てるよう、お気軽にご相談ください。
オンラインで全国から対応できます
特車申請は、特車ポータルサイトを使ったオンライン申請を行います。行政書士法人アラインパートナーズは事務所が石川県外にありますが、オンラインで石川県内の申請にも対応しています。打ち合わせは電話・メール・オンライン会議で行います。
特車申請代行のご依頼の流れは次のとおりです。
- お問い合わせ(フォームまたはお電話)
- 車両・積載物・出発地と目的地のヒアリング
- 経路の検討と見積もり
- 申請書類の作成・オンライン申請
- 審査対応(差し戻しや協議への対応)
- 許可証の納品と条件のご説明
料金の目安はこちらをご確認ください。

Q&A(よくある質問)
Q1:石川県外の行政書士でも依頼できますか?
A:はい。特車申請はオンラインで手続きできるため、事務所の所在地に関わらず対応できます。
Q2:復興工事の機材運搬は、優先して処理してもらえますか?
A:令和6年1月に、被災地域への、または被災地域からの貨物の運搬等を対象とした優先処理の取扱いが案内されています。現在の運用や対象になるかどうかは、申請先の案内を確認したうえでご相談ください。
Q3:許可を取った経路が通行規制で使えなくなりました。どうすればよいですか?
A:許可は経路ごとに交付されているため、許可のない別の経路は通行できません。迂回経路の申請や、変更の申請が必要になることがあります。早めにご相談ください。
Q4:現場ごとに経路が変わります。まとめて頼めますか?
A:はい。現場ごとの経路と有効期間を整理して、申請を計画的にすすめます。




